※プライバシー保護の観点からフジテレビは、会見の質疑応答を10分遅らせて配信するよう要請していて、NHKは10分遅れで配信します。プライバシー侵害の恐れがある発言などがあった場合、音声を絞ってお伝えします。
記者会見は午後4時から始まり、会場には報道陣などおよそ400人が集まりました。
冒頭、嘉納会長が「人権に対する意識の不足から十分なケアができなかった当事者の女性に対し、心からおわびを申し上げたいと思います」と陳謝し、続いて港社長が今月17日の記者会見について「一部のメディアに限定し、かつ、テレビカメラを入れない形で行うという判断は、テレビ局としての透明性や説明責任を欠くものでした。これまでカメラを向けて疑惑を追及してきた弊社がカメラから逃げたと言われてもしかたのないことでした。メディアの信頼性を揺るがしたことを痛感しております」と述べました。
また、港社長は、中居氏と女性のトラブルについて「人権侵害が行われた可能性のある事案だ」とした上で、社内で必要な報告や連携が適切に行われなかったことや、中居氏に対して適切な検証を行わずに、番組出演を継続してしまったこと、そして、タレントや関係者との会食のあり方などについて検証ができていなかったことを明らかにしました。
さらに港社長はトラブルにあった女性について「ご本人にお会いして直接おわびしたい」と述べました。
また、フジテレビの遠藤龍之介副会長は「第三者委員会の報告時期を1つのめどとして、それぞれの役員がそれぞれの責任を取るべきだと思っている。常勤の役員全員に波及するものだと思う」と述べたうえで、今回、辞任する役員以外にも責任が及ぶという考えを示しました。
さらに検証番組の制作も検討する考えを明らかにしました。
また、遠藤副会長は、30年近くにわたって経営トップを務め、取締役相談役となった現在も経営に強い影響力を持つ日枝久氏との間でどういった話があったか問われたのに対して「役員の間で総合的にいろんな話をした。その中で肯定的な意見、否定的な意見がさまざま出たが、その1つ、1つについて日枝相談役の発言も含めてここで開陳することはご容赦いただきたい」と述べるにとどまりました。
一方、中居氏と女性とのトラブルに社員が関与していたなどと週刊誌で報じられたことについて、フジテレビの幹部は会見で、トラブルがあったことを2023年6月に認識し、同じ年の8月に社長に報告されたと明らかにしました。
ただ「現時点でも社員が問題の食事会そのものに関与していないと判断している」と説明しました。
一方、「社員への聞き取りの結果、社員が女性に声をかけて中居氏の所有するマンションでバーベキューに参加したことが確認された」と明らかにしましたが、問題の食事会は、このバーベキューの延長線上にあるとは評価していないという認識を示しました。
会見では冒頭に嘉納会長が「人権に対する意識の不足から十分なケアができなかった当事者の女性に対し、心からおわびを申し上げたいと思います。一連の報道によって視聴者、広告主、広告会社、株主、メディア、そして出演者、制作会社、取材先やロケ先でご協力いただいた皆様、多大なご心配とご迷惑をおかけしたこと、心よりおわび申し上げます。申し訳ございませんでした」と陳謝しました。
続いて港社長が「先日の会見について一部のメディアに限定し、かつ、テレビカメラを入れない形で行うという判断は、テレビ局としての透明性や説明責任を欠くものでした。これまでカメラを向けて疑惑を追及してきた弊社がカメラから逃げたと言われてもしかたのないことでした。メディアの信頼性を揺るがしたことを痛感しております。視聴者、国民の皆様に多大なご迷惑をおかけしました。改めておわびいたします。申し訳ございませんでした」と陳謝しました。
また、港社長は「本件は人権侵害が行われた可能性のある事案です。それに対して社内での必要な報告や連携が適切に行われなかったこと、中居氏に対して適切な検証を行わずに、番組出演を継続してしまったこと、そして、本件の背景にあると考えられるタレントや関係者との会食のあり方などについて検証できていなかったことなどいま振り返れば対応に至らない点があったと痛感しております」と述べました。
その上で「最終的に女性は長い療養期間を要することとなり、希望されていた仕事への復帰がかなわない状況になってしまいました。弊社のこれまでの対応が、彼女にとって深い失望を抱かせてしまったのだと思います。願わくばご本人にお会いして直接おわびしたいと考えています」と述べました。
一方、会見で、会社の担当者は中居氏と女性とのトラブルに社員が関与していたなどと週刊誌で報じられたことについて「2023年6月に起きたと認識している」とした上で「事案の社長への報告は2023年8月だった」と明らかにしました。
また、担当者は「昨年末に一部報道で中居氏と女性との間について弊社や社員がこの事案に関わっていると報じられたが、現時点でも社員が問題の食事会そのものに関与していないと判断している」と説明しました。
一方、担当者は「社員への聞き取りの結果、社員が女性に声をかけて中居氏の所有するマンションでバーベキューに参加したことが確認された」と明らかにしました。ただ、問題の食事会はこのバーベキューの延長線上にあるとまでは評価するに至っていないという認識を示しました。
《会見詳細》
嘉納会長「心配と迷惑 心よりおわび」
フジテレビとフジ・メディア・ホールディングスの嘉納修治会長は「まず人権に対する意識の不足から十分なケアができなかった当事者の女性に対し心からおわびを申し上げたいと思います。一連の報道によりまして、視聴者、広告主、広告会社、株主、メディア、そして出演者、制作会社、取材先ロケ先でご協力いただいた皆様、多大なご心配とご迷惑をおかけしたこと、心よりおわび申し上げます。申し訳ございませんでした」と陳謝しました。
港社長「社長と取締役を辞任」
フジテレビの港浩一社長は「このような自体を招いた責任痛感していてフジテレビの社長とフジ・メディア・ホールディングスの取締役を辞任しました。私も第三者委員会の調査対象となっております。全面的に協力して真実の解明と再発の防止、企業風土の刷新に向けて尽力していきたいと考えております。今回の一連の報道により視聴者の皆様ならびにすべての取引先の皆様に多大なるご迷惑ご心配をおかけしておりますこと申し訳ございませんでした」と陳謝しました。
港社長「先日の会見 透明性や説明責任を欠くもの」
港社長は「先日の会見につきまして一部のメディアに限定し、かつ、テレビカメラを入れない形で行うという判断はテレビ局としての透明性や説明責任を欠くものでした。これまでカメラを向けて疑惑を追及してきた弊社がカメラから逃げたと言われてもしかたのないことでした。メディアの信頼性を揺るがしたことを痛感しております。視聴者、国民の皆様に多大なご迷惑をおかけしました。改めておわびいたします。申し訳ございませんでした」と述べました。
清水新社長「再発防止策の徹底 決意持って進める」
フジテレビの新しい社長に就任する清水賢治氏は「はじめに今回報道されている事案において、女性への配慮が欠けた対応をしたことに対し、深くおわび申し上げます。またフジテレビが視聴者の皆様広告主の皆様など多くの皆様方の信頼を失っている現状を重く受け止めています。本当に申し訳ございません。再発防止策の徹底を、決意を持って進めてまいります」と述べました。
港社長「女性に直接おわびしたい」
港社長は「本件は人権侵害が行われた可能性のある事案です。それに対して弊社において社内での必要な報告や連携が適切に行われなかったこと、中居氏に対して、適切な検証を行わずに、番組出演を継続してしまったこと、そして、本件の背景にあると考えられるタレントや関係者との会食のあり方などについて検証できていなかったことなどいま振り返れば対応に至らない点があったと痛感しております」と述べました。
その上で、「最終的に、女性は長い療養期間を要することとなり、希望されていた仕事への復帰がかなわない状況になってしまいました。弊社に対するさまざまな思いが積み重なっていたであろうことをくみ取り切れておりませんでした。弊社のこれまでの対応が、彼女にとって深い失望を抱かせてしまったのだと思います。願わくばご本人にお会いして直接おわびしたいと考えています」と述べました。
港社長「皆様の信頼を失い 大変な迷惑かけた」
港社長は「弊社とお取り引き頂いている企業や広告会社の皆様の信頼を失い、大変なご迷惑をおかけしています。フジ・メディア・ホールディングス傘下の各社、フジサンケイグループ各社、そしてFNS系列各社においてもCM出稿の影響が広がっていることに憂慮しています。グループの系列各社は弊社とは独立した企業であります。その点をご配慮いただきますようお願い申し上げます」と述べました。その上で「改めまして、今回、人権、コンプライアンスについての対応を誤り、女性への会社としての対応が至らず、放送業界の信用失墜にもつながりかねない事態を招いてしまったことについて深くおわび申し上げます。申し訳ありませんでした」と述べました。
「現時点でも社員の関与ないと判断」
中居正広氏と女性とのトラブルにフジテレビの社員が関与していたなどと報じられたことについて会社の担当者は会見の中で「発端となった中居氏と女性との事案については、2023年6月に起きたと認識しております。また、昨年末に一部報道で中居氏と女性との間について弊社や社員がこの事案に関わっていると報じられました」と述べました。その上で、「この件につきましては当社としては、現時点でも、社員が問題の食事会そのものに関与していないと判断しております」と述べました。
フジ・メディア・HD 金光社長「甘い調査疑われる事態」
フジ・メディア・ホールディングスの金光修社長は第三者委員会を設置する判断に至った理由について「社内調査のような当事者によるヒアリングのみでは身内による甘い評価に陥る可能性があり、客観的な事実を把握することには限界があると判断した。この形が最も信頼性と透明性を確保できると考えた」と説明しました。そのうえで、17日の会見におけるフジテレビ役員の発言について「会見で担当役員が第三者の弁護士を中心とした調査委員会ですとあいまいな発言をした。この発言により甘い調査を疑われる事態となり疑問を生じさせたことにつきましては、おわび申し上げます。フジテレビおよびフジ・メディア・ホールディングスとしては、信頼回復に向け第三者委員会の設置に加え、できるかぎりの対策を講じ、透明性のある対応を進めていく」と述べました。
「女性が当該社員に嫌悪感」
中居正広氏と女性とのトラブルにフジテレビの社員が関与していたなどと報じられたことについて会社の担当者は会見の中で「去年7月に、女性が社員らと面談した際にさまざまな話題の中で当該社員に対する嫌悪感を示したことがあった。しかし、面談した社員らは、当該社員が、中居氏と女性との関係に対して何か問題のあるような関わりがあるとは認識していなかった。よって当該社員に対する事実確認までは行わなかった」と説明しました。
「中居氏のマンションでバーベキューに参加」
会社の担当者は会見の中で「社員への聞き取りの結果、社員が女性に声をかけて中居氏の所有するマンションでバーベキューに参加したことが確認されました。参加者は中居氏を含む10人ほどだったとのことです。中居氏も弊社の聞き取りでバーベキューの存在を認めていますが、女性とどんなやり取りをしたのか、現時点では詳細を確認できておりません。したがって報道にあるように問題の食事会はこのバーベキューの延長線上にあるとまでは評価するに至っておりません。また1月の一部報道では社員が21年冬に中居氏や芸能関係者、弊社社員、当該女性らと都内のホテルで懇親会を行ったとされています。ただし記事にあるような目的であったとの証言は得ておりません。この懇親会をはじめ、その他のこともあわせて第三者委員会の調査に委ねたいと思います」と述べました。
「社長への報告は2023年8月」
会社の担当者は会見の中で「中居氏と女性との事案の社長への報告は2023年8月でした。女性に対しては、自然な形での仕事への復帰を願い、医師と連携しつつ、声がけの電話やチャットでのやり取りを通じて体調の確認などを行い、心身の回復を見守ってきた」と述べました。
「中居氏に正式な調査行われず」
中居氏と女性とのトラブルが報じられたあとの中居氏への対応について、会社の担当者は「事案が一部社員で認識されたあと、適切に社内で共有されず、中居氏に関しても正式に調査が行われませんでした」と述べました。
その理由について「もし正式な調査に着手することで、新たに多くの人間が知ることになり、その結果、女性のケアに悪影響があるのではないかと危惧しました。仮に、調査を受けた中居氏から女性に連絡が行くようなことがあれば、さらに傷つけてしまうのではないかという考えもありました。そうした事情でただちに積極的に聞き取りを行うことはありませんでした。繊細なことを確認しにくい時期もあり、状況が安定するまで待とうという考えでした」と説明しました。
さらに「2023年の7月に中居氏から弊社社員に連絡があり、中居氏が、女性とは異なる認識を持っていることを把握しました。当事者以外が介入しづらい難しい問題ととらえ、その後、当事者間で示談の動きが進んでいくとの情報が加わったことも、調査を躊躇する一因になりました」と述べました。
遠藤副会長「新組織 あくまでも暫定的」
フジテレビの遠藤龍之介副会長はフジテレビの日枝相談役が会見に出席していない理由やその責任をどう考えるか問われたのに対し「日枝相談役が、ここに来る・来ないというよりも、今後それぞれがどういう責任を取るか、ということが重要だと思っております。嘉納会長と港社長が退任した後のフジテレビは新組織になりますが、これはあくまでも暫定的なものであります。第三者委員会の報告時期というのを1つのめどとして、それぞれの役員がそれぞれの責任を取るべきだというふうに思っており、それは常勤の役員全員に波及するものだと思います」と述べました。
中居氏の出演番組継続「憶測呼ぶこと憂慮」
港社長など一部の幹部がトラブルを把握していながら、1年半にわたって中居氏が出演する番組の放送を続けていたことについて、会社の担当者は「中居氏の出演番組『まつもとtoなかい』は2023年4月に始まったばかりの番組で、開始からまもなく唐突に終了することで憶測を呼ぶことを憂慮し、当初、番組を中止するような大きな動きをつくることを控えたいという考えがありました」と説明しました。
また「一方で、2024年1月に出演者である松本人志氏が芸能活動休止を発表し、番組出演を休止することになりました。たとえば、この松本氏の件を理由として、番組を終了する機会があった可能性があります。そうした状況にも関わらず『だれかtoなかい』に変更となり、番組出演は継続されました。また、その間、社内での情報共有も限定されていたことから、他の単発番組への出演が続いておりました」と述べました。
その上で「この判断が適切だったのかどうか、第三者委員会の調査に委ねる領域だと考えております」と述べました。
港社長「当初 プライベートな事案なのかと認識も」
港社長はトラブルの報告を受けてから対応に時間がかかった理由を問われ「当初はプライベートな事案なのかというような認識もありました。私のところに報告が上がったのは2か月弱後です。センシティブでプライベートな案件なのかちょっと判断が難しかったと聞いています」と述べました。
その上で「割とすぐ、心身の状態が悪くなりましたので、専門の医師に相談をして、限られた人数でケアをしていきました。女性の最大の意思はことが公にならずに、人に知られずに仕事に復帰したいというのが最大の希望でしたから、話を聞いた者はそれを最大、対応としてやっていこうというふうに考えたと聞いています」と述べました。
女性アナウンサーと会食 嘉納会長「個別にはない」
フジテレビとフジ・メディア・ホールディングスの嘉納会長は女性アナウンサーを会食の場に誘ったことがあるか問われると「私は大きなイベントだとか何か打ち上げだとか何かのパーティーのところで、女性アナウンサーの方々と一緒になったりする事はありますけど、個別にはないんで私はございません」と述べました。
またフジ・メディア・ホールディングスの金光社長は「私は30年以上前に女性アナウンサーとホームパーティーに出て食事をしたということはありますが、それ以降1度もありません」と述べました。
港社長「女性アナウンサー同席の親睦会や食事会はあった」
港社長はこれまで女性アナウンサーを会食の場に誘ったことがあるかどうかを問われると「アナウンサーという仕事はいろいろな職場の人と知り合って、知識を得ることも大事だと思っています。そういう中で女性アナウンサーを同席した親睦会や食事会というのはありました」と述べました。
その上で「そういう中で基本的に楽しく会食をするわけですが、いま冷静に考えると、優越的地位にある立場の人間が食事に誘ったときにあまり気が進まなかった人もいたのではないかとか、ちょっと嫌だったけど行かざるを得ないかと思って来た人もいたのかもしれないということに、もう少し本人たちの意思の確認をしっかりやっていかなければいけないと思っています。そういうのが企業風土の刷新につながっていくのかなと、私は理解しています」と述べました。
遠藤副会長「意思確認すべきだった」
遠藤副会長は、女性社員や女性アナウンサーを意に沿わぬ形で会食の場に誘ったことがあるかどうか問われたのに対し「この20年ぐらいのことで申し上げますと、私は2019年に社長に就任しておりますが、そのときに就任祝いということでいろいろなセクションの後輩たちが食事会を催してくれたようなことがありましたが、その中に女性アナウンサーがいたという記憶はあります。それが意に沿うものだったのか沿わないものだったのか今の段階ではわかりませんが、そのときも含めてやはりもうちょっと意思の確認をしておくべきだったかなと思います」と述べました。
遠藤副会長「日枝相談役の発言 開陳は容赦を」
遠藤副会長は日枝相談役との間でどういった話があったか問われたのに対して「役員の間で総合的にいろんな話をした。その中で肯定的な意見、否定的な意見がさまざま出たが、その1つ、1つについて日枝相談役の発言も含めてここで開陳することはご容赦いただきたい。先ほども、嘉納会長、港社長の2人が辞任している中で、新生フジテレビの未来も暫定的なものだと説明した。そのうえで、すべての常勤役員が速やかな形で責任を取るということを説明した」と述べました。
遠藤副会長 第三者委員会後に検証番組も
遠藤副会長は、今回の事案について検証番組を制作する考えがあるかどうか問われたのに対し「これだけの大きな事態を招いて、世の中を騒がせていますから、当然、何らかの形で、第三者委員会が終わったあとだと思うが、メディアとしてそういうものをやらなくてはならないと考えている」と述べました。
港社長 17日の会見「やってはいけない形式 深く反省」
港社長は今月17日に実施した記者会見をめぐる対応について、自身で判断したのかを問われると「前回の会見をああいう形にしてしまったことはメディアの信頼性を揺るがす、やってはいけない形式だったと深く反省しています。最終的な判断は私です」と述べました。
その上で「定例の記者会見という形を最終的に取りました。いろいろな議論はありました。カメラを入れたほうがいい、もっとオープンにしたほうがいいという議論もありました。ただ、女性のプライバシー保護ということがどうしても頭にあり、いろんな議論、いろんな意見があった中、最終的に私がああいう形を判断しました。大きな判断間違いだったと思っています。重ねておわび申し上げます」と述べました。
また、港社長は今回のトラブルについて社内のコンプライアンスの担当部署と情報共有していたかを問われたのに対し「コンプライアンス推進室とは共有していなかった。彼女の心身の状態を最優先としていく時に、本人の希望と、女性の心身の状態をそばで見ている医師や社員が判断して、職場復帰できるまでなるべく少人数で寄り添っていくことが最善だということでずっと進めてきました。いま思うと、コンプライアンス推進室など、社内にフォローする組織もあるので、そういう形でもう少し女性のお手伝いをしてあげればよかったのかなと思う」と述べました。
遠藤副会長「トリエンナーレ 予定どおりできると思えず」
遠藤副会長は、フジテレビが運営などに携わるイベントへの影響について問われると「現在フジテレビ番組の営業もイベントもさまざまなところで、フジテレビというのは少し控えさせてほしいという動きが、ご承知のように出ております。トリエンナーレに対しても、ことし予定どおり、運営できるとは思えません」と述べました。
港社長「私の誕生日会に女性もいた」
港社長は自身の誕生日会に、女性とのトラブルに関与していたなどと報じられた社員の誘いで、当該女性が参加していたのではないかと問われたのに対し「私の誕生日に後輩たちがお祝いの会を開いてくれ、その中に女性もいました。ただ私の誕生日のお祝いという趣旨で、和やかで私も楽しませていただいた。参加した女性が喜んで参加していたのか、そんなに気が進まないけれども参加していたのかは分かりませんが、そういう会を催すときは本人の意思を大事にしていかなければ、企業風土は刷新されていかないと感じている」と述べました。
遠藤副会長「多くない人数で問題解決を図ろうとした」
遠藤副会長は、今月17日に実施した記者会見の対応について問われたのに対して「要因について私なりに考えてみますと、あまり多くない人数で問題の解決を図ろうとしたことだと思います。少ない人数で、そういうことを決めておりますとアイデアがなかなか出ない。そういうことに対しては、非常に大きな問題があったと深く反省しています」と述べた上で「オープンにしなくてはいけないということと、プライバシー保護をしなくてはいけないという2つのことを両方かなえることの方法論があると、早く気づかなかったことが問題だったと思っております」と述べました。
金光社長 CM差し止め「業績に関して精査中」
フジ・メディア・ホールディングスの金光修社長はフジテレビでのCMを差し止める動きが業績に与える影響について問われたのに対し「いま、持ち株会社も含め業績に関しては精査中であります。現段階がどうであるか、それから通期の期末まででどうであるか、ということを精査しておりますので、その状況に関してはしばしお待ちいただきたいと思います」と述べました。
遠藤副会長「役割終えたらそれぞれ責任取る」
遠藤副会長は、辞任を発表した嘉納会長と港社長以外の経営陣の責任を問われたのに対し「全員すぐ辞めるというのはあすからの業務執行に差し支えるわけで、新しいフジテレビの体制は、先ほどから申し上げているように暫定的なものでございます。したがって、ある種の役割を終えたらそれぞれが、それぞれの立場で責任を取っていくということになると思います」と述べました。
フジテレビ 会見の焦点は
【1】フジテレビ社員のトラブルへの関与の有無1つ目は、週刊誌で報じられた中居正広氏と女性とのトラブルにフジテレビの社員が関与していたのかどうかという点です。
芸能人との関係を深めるため、女性の意に反した接待を行ったのではないかなどと批判の声があがっていますが、フジテレビは、先月「内容については事実でないことが含まれており、記事中にある食事会に関しても、当該社員は会の設定を含め一切関与しておりません」などと全面的に否定するコメントを発表しています。
港社長は今月17日の記者会見で、記者から「被害者の証言の中で、フジテレビの社員が女性とタレントを2人きりにして接触させるのが常態化していると報じられているが、これは事実か」と問われたのに対し「そういうことはなかったと信じたいと思うが、それも含めて調査委員会に委ねたい」と述べるにとどまりました。
会見で、社員の関与がないと判断した根拠について問われると「当該社員への聞き取りのほか、通信履歴などを調べた結果だ」と説明しましたが、十分な調査を行っていないのではないかという指摘もあり、社員の関与の有無をめぐって港社長ら幹部からどのような発言があるかが焦点となります。
【2】トラブル把握後もなぜ番組の放送を続けたのか2つ目は、フジテレビの港浩一社長ら幹部が発生直後にトラブルを把握しながら、なぜ1年半にわたって中居氏が出演する番組の放送を続けたのかという点です。
17日の会見で港社長は「中居氏への正式な聞き取りを含めた調査に着手することは、女性のプライバシーが守られず、女性の意思が十分尊重されないのではないかという点で大きな懸念があった」としています。
その上で「中居氏が出演している番組については、唐突に終了することで、臆測が生じることを懸念して、慎重に終了のタイミングをはかっていた」と弁明しています。
また、去年までフジテレビの専務取締役を務めていた関西テレビの大多亮社長は今月22日の定例の記者会見で、中居氏と女性とのトラブルについて、事案が起きてから程なくして報告を受け、その日のうちに港社長に報告していたことを明らかにしました。
一方、フジテレビの遠藤龍之介副会長は23日の会見で、トラブルの事案について知ったのは週刊誌の取材を受けた先月中旬ごろだったと述べています。
トラブルをめぐる情報がどこまで共有されていたのか。
そして、中居氏が出演する番組の放送を続ける判断に至った経緯やその判断を誰が行ったのかも焦点です。
【3】なぜ閉鎖的な記者会見を開いたのか
3つ目は、今月17日に実施した港社長の記者会見をめぐる対応です。
フジテレビは、この記者会見を新聞社などが加盟する記者クラブの要請に基づいて開催したとしています。
NHKや民放各社は、この記者クラブには加盟しておらず、記者会見のもようを映像で撮影したいと要請しましたが、認められませんでした。
また、フジテレビは記者会見の内容は会見がすべて終了したあとで報道するよう求めていました。
こうした対応が閉鎖的だと大株主や社外取締役などから批判され、この会見を機に、企業の間で自社のコマーシャルを見合わせる動きなどが急速に広がりました。
こうした会見の形を決めた経緯や判断の理由についても問われることになります。
【4】港社長らの経営責任についてそして4つ目は、経営責任の問題です。
一連の問題へのフジテレビの対応や経営判断を踏まえ、企業の間では自社のコマーシャルを見合わせる動きなどが広がっています。
こうした中で、フジテレビの社員や労働組合などからは、港社長ら経営陣の責任を問う声が相次いでいます。
フジ・メディア・ホールディングスの金光修社長は今月23日、記者団に対し「経営責任について今の段階で申し上げることはできないが、経営として、議案として考えなければいけないという認識はあります」と述べています。
また、フジテレビの社外取締役を務めている文化放送の齋藤清人 社長は27日朝、記者団に対し「ここまで騒動が大きくなっている以上、人事的な部分での対応が必要だ。視聴者やスポンサー、広告会社など多くの関係者が納得できるような形が求められることは必然だと思っている」と述べました。
港社長ら経営陣の責任が人事の面でどのような形で問われることになるのか、これも注目点となります。
【5】日枝取締役相談役の動向について
日枝氏は87歳。
1988年から2017年にかけて30年近くにわたって経営トップを務め、フジ・メディア・ホールディングスとフジテレビの取締役相談役となって代表権がなくなった今もグループの実力者として経営に影響力を及ぼしています。
フジテレビの遠藤龍之介副会長は23日の会見で「すべてのことを日枝が決めているというふうに言われるがそんなことは本当にない。ただ、やはり影響力があるということは間違いない」と述べています。
大株主からは、フジテレビを監督すべき親会社のフジ・メディア・ホールディングスには深刻なコーポレート・ガバナンス(企業統治)の欠陥があるという指摘も出ています。
日枝氏のいまの立場や影響力を踏まえて取締役会でどのようなやりとりがあるのか、日枝氏の動向にも注目が集まります。
中居正広氏めぐる経緯
一連の問題の発端は、先月「女性セブン」や「週刊文春」が国民的アイドルグループの元メンバーでテレビ番組の司会や俳優として活動していた中居正広氏と女性との間でおととしトラブルがあり、その後、解決金を支払ったとする記事を掲載したことでした。
中居氏は民放で複数のレギュラー番組を抱えていましたが、民放各社は急きょ、放送をほかの番組に差し替えたり出演シーンをカットしたりするなどの対応をとりました。
こうした中、中居氏は今月9日、自身の事務所のホームページでトラブルがあったことを認め「示談が成立したことにより、今後の芸能活動についても支障なく続けられることになりました。心よりお詫びを申し上げます」などとするコメントを出しました。
しかしその後も批判は収まらず、中居氏が出演していた番組の放送終了や降板が相次いで決まり、先週22日、レギュラー番組はすべてなくなりました。
そして翌日、中居氏はファンクラブのサイトや事務所のホームページで芸能活動の引退を表明する文書を公表しました。
この中では、これまで携わったテレビ各局などとの打ち切りや降板、契約解除などに関する会談がすべて終了したとしたうえで「これで、あらゆる責任を果たしたとは全く思っておりません。今後も、様々な問題、調査に対して真摯(しんし)に向き合い、誠意をもって対応して参ります。全責任は私個人にあります。改めて、相手さまに対して心より謝罪申し上げます」などとしていました。
これまでの週刊誌報道とフジテレビの対応
中居正広氏と女性とのトラブルや、それにフジテレビの社員が関与していたとする記事が最初に報じられたのは先月でした。
「女性セブン」(19日発売)や「週刊文春」(26日発売)が、おととし、中居氏と女性との間でトラブルがあり、その後、解決金を支払ったとする記事を掲載。
この中では、中居氏と女性との間のトラブルをめぐり、フジテレビの社員が、きっかけとなった食事会を設けるなど、関与していたとも報じられました。
これについてフジテレビは先月、ホームページで「事実でないことが含まれており、記事中の食事会に関しても、当該社員は会の設定を含め一切関与しておりません」などとするコメントを発表。
今月17日に行われたフジテレビの会見でも港浩一社長が再度、関与を否定したうえで、調査委員会の調査に委ねるとしていました。
その後も「週刊文春」は
▽女性が仕事上つながりの深いフジテレビの幹部に報告したものの中居氏への調査が行われなかったことや(1月8日発売)
▽同じ幹部社員を通じて中居氏や男性タレントとの会食が設定され、その場でこのタレントに体を触られたなどとする女性アナウンサーの証言を報じていました(1月16日発売)。
17日の会見では、フジテレビの社員が女性とタレントを2人きりにして接触させるのが常態化しているのではないかという質問に対して、フジテレビは「そういうことはなかったと信じたいと思うが、それも含めて調査委員会に委ねたい」と説明していました。