厚生労働省が発表した去年1年間に自殺した人は暫定値で2万268人で、前の年から1569人減少し、昭和53年の統計開始以降、2番目に少なくなりました。
性別でみると男性が1万3763人、女性が6505人となっています。
一方で、児童・生徒は527人にのぼり、これまでで最も多かった令和4年の514人を上回って過去最多となりました。
児童・生徒を年代別に見ると
▽高校生が349人で7割近くを占めたほか
▽中学生が163人
▽小学生が15人となっています。
特に、中学生と高校生の女子の増加が目立ち
▽中学生の女子は前の年より19人増えて99人
▽高校生の女子は前の年より17人増えて183人となりました。
また、原因や動機を年代別に見ると19歳以下は複数回答で
▽学業不振や進路に関する悩みなどの学校問題が349件
▽うつ病などの健康問題が284件
▽親子関係の不和など家庭問題が148件、
などとなっています。
厚生労働省は「児童・生徒の自殺者数が過去最多となったことを深刻な状況と受け止めている。様々な要因が考えられるが分析を行い、関係団体と連携して対策に取り組む」としています。
橘官房副長官「子どもの命を守るための取り組みに全力尽くす」
橘官房副長官は29日午前の記者会見で「小学生や中学生、高校生の自殺者数については大変重く受け止めている。子どもの自殺対策は関係省庁が連携して進めており、今年度の補正予算でもSNSを活用した相談体制の強化への支援などに必要な予算を計上し、対応の強化を図っている。今後も子どもの命を守るための取り組みに全力を尽くし、誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現を目指していきたい」と述べました。
《不安や悩みを抱える人の相談窓口》
◇SNSなどの相談窓口
厚生労働省のホームページで紹介していて、インターネットで「まもろうよこころ」で検索することもできます。
URLは「https://www.mhlw.go.jp/mamorouyokokoro/」です。
◇電話での主な相談窓口
▽「よりそいホットライン」 0120-279-338
▽「こころの健康相談統一ダイヤル」 0570-064-556