衆議院しゅうぎいん予算よさん委いで質疑しつぎ 石破いしば首相しゅしょう 新しん年度ねんど予算よさん案あん“成長せいちょう力りょく高たかめる”

衆議院しゅうぎいん予算よさん委員いいん会かいでは、31日にちから石破いしば総理そうり大臣だいじんとすべての閣僚かくりょうが出席しゅっせきして、新しん年度ねんど・令りょう和わ7年度ねんど予算よさん案あんの基本きほん的てき質疑しつぎが始はじまり、午前ごぜん中ちゅうは自民党じみんとうが質問しつもんに立たちました。

この中なかで小野寺おのでら政務せいむ調査ちょうさ会長かいちょうは「これから審議しんぎする予算よさん案あんは国民こくみん所得しょとくの拡大かくだいや経済けいざい成長せいちょう、地方ちほう創そう生せい、外交がいこう・安全あんぜん保障ほしょうなどわが国わがくににとって重要じゅうような施策しさくの裏付うらづけとなる。野党やとうとも誠実せいじつに向き合むきあいながら審議しんぎを進すすめ、1日にちも早はやい成立せいりつを期きしたい。総理そうりの予算よさん案あんに込こめた思おもいを聞ききたい」と質問しつもんしました。

これに対にたいし石破いしば総理そうり大臣だいじんは「いかにして付加ふか価値かちを生み出うみだしていくかを中心ちゅうしんに考かんがえていきたい。AIや半導体はんどうたい、GXの投資とうし促進そくしんを官民かんみん連携れんけいで着実ちゃくじつに進すすめ、成長せいちょう力りょくを高たかめていく。また『令りょう和わの日本にっぽん列島れっとう改造かいぞう』に向むけて農林のうりん水産すいさん業ぎょうやサービス業ぎょうなどの地方ちほうの中小ちゅうしょう企業きぎょうの潜在せんざい力りょくを最大限さいだいげんに伸のばしていく。そして、すべてのこども、子育こそだて世代せだいに対にたいし、切れ目きれめのない支援しえんを行おこないたい」と述のべました。

また、石破いしば総理そうり大臣だいじんは調整ちょうせいが進すすめられているアメリカのトランプ大統領だいとうりょうとの首脳しゅのう会談かいだんをめぐり「アメリカに対にたいする投資とうしは、世界せかいで日本にっぽんが一番いちばん多おおく、今後こんごも投資とうしを行おこない、雇用こようも創出そうしゅつしたいが、同時どうじに日本にっぽんの国益こくえきも実現じつげんしなければならない。安定あんてい的てきなエネルギー供給きょうきゅうに対にたいしてアメリカに要請ようせいすべきこともある。両方りょうほうの国益こくえきを満みたすような新あたらしい形かたちの同盟どうめいを築きずき、日にち米べい同盟どうめいを新あらたな高たかみに引き上ひきあげていきたい」と述のべました。

一方いっぽう、自民党じみんとうの中曽根なかそね康隆やすたか氏しは、30日にちに参考さんこう人じん招致しょうちが自民党じみんとうが反対はんたいする中なか、野党やとう側がわの賛成さんせい多数たすうで議決ぎけつされたことについて「賛成さんせい多数たすうによる議決ぎけつは51年ねんぶり、判決はんけつが確定かくていした当事者とうじしゃの招致しょうちという観点かんてんでは初はじめての事例じれいだ。長年ながねん積み上つみあげられてきた全会ぜんかい一致いっちの原則げんそくを逸脱いつだつするものであるとともに、司法しほう権けんの独立どくりつと人権じんけん保護ほごの観点かんてんからも重大じゅうだいな禍根かこんを残のこすもので極きわめて遺憾いかんだ」と指摘してきしました。

一方いっぽう、石破いしば総理そうり大臣だいじんは衆議院しゅうぎいん予算よさん委員いいん会かいで「お子おこさんの自殺じさつが最もっとも多おおかったことは、ゆゆしきことだ。対策たいさくとして何なにが効果こうか的てきだったかを検証けんしょうすることは必要ひつようで、効果こうか的てきなものには予算よさんも人員じんいんも増ふやす。子こどもたちが命いのちを絶たつことをもっと深刻しんこくに考かんがえなければならず、検証けんしょうの体制たいせいをきちんと整ととのえていきたい」と述のべました。

立憲りっけん民主みんしゅ党とうの野田のだ代表だいひょうは記者きしゃ会見かいけんで「きょうから予算よさん委員いいん会かいで実質じっしつ審議しんぎが始はじまった。115兆ちょう5000億おく円えんという史上しじょう最大さいだい規模きぼの予算よさん案あんであり、党内とうないに作つくった『歳出さいしゅつ改革かいかくチーム』でしっかり内容ないようを精査せいさしていく。基本きほん的てき質疑しつぎや省庁しょうちょう別べつの質疑しつぎでむだなどの洗い出あらいだしを行おこなうとともに、ガソリン代だいの急騰きゅうとうや高額こうがく療養りょうよう費ひの制度せいどの問題もんだいについてしっかりと石破いしば総理そうり大臣だいじんにただしていかなければならない」と述のべました。

【少数しょうすう与党よとうが新しん年度ねんど予算よさん案あんの審議しんぎ 1994年ねん以来いらい】

衆議しゅうぎ院いんで過半数かはんすうを割り込わりこんだ少数しょうすう与党よとうが新しん年度ねんど予算よさん案あんの審議しんぎに臨のぞむのは1994年ねん（平成へいせい6年ねん）以来いらいとなります。

この年としの4月つきに発足ほっそくした羽田はた内閣ないかくは、総理そうり大臣だいじん指名しめい選挙せんきょのあと社会党しゃかいとうが連立れんりつ政権せいけんを離脱りだつし、少数しょうすう与党よとうとなる中なか政権せいけん運営うんえいにあたりました。

前まえの細川ほそかわ内閣ないかくが3月つきに予算よさん案あんを提出ていしゅつしたものの、審議しんぎ入いりのめどが立たたず退陣たいじんしたため、羽田はた内閣ないかくのもとで5月つきから審議しんぎが行おこなわれました。

そして、細川ほそかわ内閣ないかくで予算よさん編成へんせいに携たずさわった社会党しゃかいとうが閣外かくがいにありながらも予算よさん案あんに賛成さんせいし、6月つきに成立せいりつしました。

これ以前いぜんでは、70年ねん前まえの1955年ねん（昭和しょうわ30年ねん）3月つきに発足ほっそくした第だい2次じ鳩山はとやま内閣ないかくまでさかのぼります。

少数しょうすう与党よとうで臨のぞんだ衆議院しゅうぎいん選挙せんきょでも過半数かはんすうを獲得かくとくできずに発足ほっそくした第だい2次じ鳩山はとやま内閣ないかくは、発足ほっそく翌月よくげつの4月つきに予算よさん案あんを提出ていしゅつしましたが、野党やとうの賛同さんどうが得えられず審議しんぎは難航なんこうしました。

このため、審議しんぎの過程かていで野党やとうの求もとめに応おうじて減税げんぜいなどを講こうじる修正しゅうせいを行おこない、7月つきに入はいって成立せいりつにこぎ着こぎつけました。

石破いしば総理そうり大臣だいじんは少数しょうすう与党よとうで予算よさん案あんの審議しんぎに臨のぞむにあたり、野党やとうの主張しゅちょうも可能かのうなものは柔軟じゅうなんに取り入とりいれる方針ほうしんで、与野党よやとうで合意ごうい形成けいせいを図はかることができるのかが焦点しょうてんとなります。

【きょうの衆議院しゅうぎいん予算よさん委員いいん会かいの見通みとおしは】

国会こっかいでは各党かくとうの代表だいひょう質問しつもんに続つづき、31日にちから衆議院しゅうぎいん予算よさん委員いいん会かいで石破いしば総理そうり大臣だいじんとすべての閣僚かくりょうが出席しゅっせきして、一般いっぱん会計かいけいの総額そうがくが過去かこ最大さいだいの115兆ちょう円えん余あまりとなる新しん年度ねんど＝令りょう和わ7年度ねんど予算よさん案あんの実質じっしつ的てきな審議しんぎに入はいります。

初日しょにちは自民党じみんとうから小野寺おのでら政務せいむ調査ちょうさ会長かいちょうらが、立憲りっけん民主みんしゅ党とうから長ちょう妻つま代表だいひょう代行だいこうらが質問しつもんに立たつことになっています。

この中なかで自民党じみんとうは、石破いしば総理そうり大臣だいじんが掲かかげる「令りょう和わの日本にっぽん列島れっとう改造かいぞう」など内閣ないかくの基本きほん方針ほうしんや、アメリカのトランプ政権せいけんの発足ほっそくを受うけた日にち米べい外交がいこう、それにサイバー攻撃こうげきを未然みぜんに防ふせぐ「能動のうどう的てきサイバー防御ぼうぎょ」の導入どうにゅうなどを取り上とりあげることにしています。

これに対にたいし立憲りっけん民主みんしゅ党とうは、政治せいじの信頼しんらい回復かいふくに向むけ企業きぎょう・団体だんたい献金けんきんの禁止きんしを迫せまるほか、物価ぶっか高だか対策たいさくや一部いちぶで過剰かじょうな積み立つみたても指摘してきされる政府せいふの基金ききんなどについてただすことにしていて、少数しょうすう与党よとうのもとで論戦ろんせんが本格ほんかく化かします。