日本新聞: 「ブルーライト」を抑えるメガネ学会が子どもの使用に意見書

「ブルーライト」を抑おさえるメガネ学会がっかいが子こどもの使用しように意見いけん書しょ

Apr 15, 2021 21:04

Furigana

スマートフォンなどの画面がめんから出でる「ブルーライト」を抑おさえるメガネを子こどもがかけることについて、眼科がんかの専門医せんもんいなどで作つくる学会がっかいなどは「推奨すいしょうする根拠こんきょはなく、発育はついくに悪あく影響えいきょうを与あたえかねない」として、一般いっぱんに対にたいして慎重しんちょうに考かんがえるよう訴うったえる意見いけん書しょを出だしました。

ブルーライトは、デジタル端末たんまつの画面がめんなどから出でる波長はちょうが短みじかい青あおい光ひかりで、目めに負担ふたんを与あたえるとされ、この光ひかりを抑おさえるとするメガネが多おおく販売はんばいされ、中なかには子こども用ようの商品しょうひんもあります。

このメガネを子こどもがかけることについて、日本にっぽん眼科がんか医い会かいや日本にっぽん眼科がんか学会がっかいなど6つの団体だんたいは、慎重しんちょうな対応たいおうを求もとめる意見いけん書しょをウェブサイトに掲載けいさいしました。

意見いけん書しょでは、ブルーライトについて、夜よる遅おそくまでデジタル端末たんまつの強つよい光ひかりを浴あびると睡眠すいみん障害しょうがいを来きたすおそれが指摘してきされているとして「夕方ゆうがた以降いこうにカットすることには一定いっていの効果こうかが見込みこまれる可能かのう性せいがある」としています。

その一方いっぽうで、画面がめんから出でるブルーライトは、曇くもりの日ひの太陽たいようや窓まど越ごしの自然しぜん光こうより少すくなく、目めの網膜もうまくに障害しょうがいを生しょうじないレベルで、オーストラリアの大学だいがくのグループが行おこなった臨床りんしょう試験しけんで、ブルーライトを抑おさえるメガネには眼精疲労がんせいひろうを軽減けいげんする効果こうかが全まったくないと報告ほうこくされているとしています。

さらに、子こどもが十分じゅうぶんな太陽光たいようこうを浴あびないと近視きんしが進行しんこうするリスクが高たかまり、ブルーライトにさらされることより有害ゆうがいである可能かのう性せいが否定ひていできないとしています。

学会がっかいなどは、ブルーライトが目めに悪わるい科学かがく的てき根拠こんきょはないとするアメリカの眼科がんかアカデミーの見解けんかいも紹介しょうかいしながら「小児しょうにに推奨すいしょうする根拠こんきょはなく、むしろ発育はついくに悪あく影響えいきょうを与あたえかねない」として、一般いっぱんの人ひとたちに対にたいして慎重しんちょうに考かんがえるよう訴うったえました。

専門せんもん店てん「JINS」「Zoff」の運営うんえい会社かいしゃは

子こども用ようのブルーライトを抑おさえるメガネを扱あつかっている専門せんもん店てんチェーンの1つ、「JINS」の運営うんえい会社かいしゃは、「ブルーライトの影響えいきょうについてはさまざまな学説がくせつや論文ろんぶんが発表はっぴょうされていることは認識にんしきしています。日本にっぽん眼科がんか学会がっかいなどの発表はっぴょうに対にたいして、当社とうしゃは言及げんきゅうできる立場たちばになく、見解けんかいを伝つたえることはできません」とコメントしています。

この会社かいしゃでは3月つき、東京とうきょう・渋谷しぶや区くの公立こうりつの小中しょうちゅう学校がっこうに通かよう子こどもに対にたいし、ブルーライトを抑おさえるメガネを寄贈きぞうすると発表はっぴょうしていましたが「声明せいめいを受うけ、メガネの寄贈きぞうについては中止ちゅうしの可能かのう性せいも含ふくめて渋谷しぶや区く教育きょういく委員いいん会かいと今後こんごの対応たいおうを検討けんとうしております」としています。

また、子こども用ようのブルーライトを抑おさえるメガネを扱あつかっている別べつの専門せんもん店てんチェーン、「Zoff」の運営うんえい会社かいしゃは、「子こどもにとって太陽光たいようこうが心身しんしんの発育はついくに好こう影響えいきょうを与あたえるということについては私わたしたちも同おなじ見解けんかいを持もっています。今回こんかいの発表はっぴょうは“子こどもに対にたいして必要ひつよう以上いじょうにブルーライトカットを推奨すいしょうする一部いちぶの動うごき”に対にたいする意見いけんと認識にんしきしています」とコメントしています。

そのうえで「夜間やかんにブルーライトをカットすることは一定いっていの効果こうかが見込みこまれる可能かのう性せいがあるとも考かんがえています。お客様おきゃくさまの利用りように合あわせて適切てきせつなレンズをおすすめし、お子様おこさまにはゲームやタブレットを使つかう際さいのブルーライト対策たいさくとしておすすめしています」としています。