熱海あたみ 土石流どせきりゅう 救助きゅうじょ2人にんのうち1人にん死亡しぼう 死者ししゃ5人にん 安否あんぴ不明ふめい者しゃ29人にんに

熱海あたみ商工しょうこう会議かいぎ所しょで観光かんこう業者ぎょうしゃの経営けいえいをサポートしている石井いしいさんは6月つき25日にち、東京とうきょうオリンピックの聖火せいかリレーのランナーとして、新型しんがたコロナウイルスの影響えいきょうで主力しゅりょくの観光かんこう業ぎょうが大おおきく落ち込おちこんだ熱海あたみ市しに元気げんきを届とどけたいとコースを駆け抜かけぬけました。

しかし7月つき3日にち、石井いしいさんの住すむ伊豆山いずやま地区ちくは土石流どせきりゅうで多数たすうの住宅じゅうたくが流ながされ、大おおきな被害ひがいを受うけました。

石井いしいさんは3日にちの午前ごぜん、市内しないの旅館りょかんで聖火せいかリレーのトーチを展示てんじしてもらうため自宅じたくを離はなれていました。

外出がいしゅつから戻もどると石井いしいさんの自宅じたくの周まわりが土砂どしゃに飲み込のみこまれていたため、そのまま避難ひなんし、5日にちまで妻つまの実家じっかに滞在たいざいしていたということで、自宅じたくはその後そのご、土砂どしゃに埋うまってしまったということです。

そして5日にち夜よる、県けんが公表こうひょうしたこの地区ちくの安否あんぴ不明ふめい者しゃの名簿めいぼに自分じぶんの名前なまえが載のっていると知人ちじんから連絡れんらくを受うけ、すぐに市しに連絡れんらくをしたということです。

石井いしいさんは「今後こんごは、町内ちょうない会かいの交流こうりゅうを密みつにするなどして早期そうきに所在しょざいが確認かくにんできるよう近隣きんりんの人ひとと支ささえ合あいたいと思おもいます。今いまは救助きゅうじょ活動かつどうが最さい優先ゆうせんですが、聖火せいかリレーの経験けいけんも踏ふまえて市しの復興ふっこうに向むけて取り組とりくんでいきたい」と話はなしていました。

国土こくど地理ちり院いんは6日にち午前ごぜん10時じ前まえ、土石流どせきりゅうの現場げんばを航空こうくう機きを使つかって撮影さつえいしました。

それによりますと、土石流どせきりゅうは発生はっせいしたとみられる場所ばしょから1キロほどは細ほそい状態じょうたいで流ながれ下くだり、下流かりゅうの住宅じゅうたく地ち付近ふきんに達たっすると水平すいへい方向ほうこうに広ひろがっている様子ようすが確認かくにんできます。

国土こくど地理ちり院いんがこの写真しゃしんをもとに分析ぶんせきした結果けっか、土石流どせきりゅうの範囲はんいは

▽海岸かいがん線せんまでの長ながさがおよそ2キロで

▽幅はばが広ひろいところでおよそ160メートルにわたっていることがわかりました。

国土こくど地理ちり院いんでは「上空じょうくうからの写真しゃしんにより、今回こんかいの土石流どせきりゅうの全体ぜんたい像ぞうが見みえてきた。今後こんごの復旧ふっきゅう活動かつどうや災害さいがい対策たいさくに役立やくだててほしい」と話はなしています。

この航空こうくう写真しゃしんは国土こくど地理ちり院いんのホームページから見みることができます。

男性だんせいの代理人だいりにんの河合かわい弘之ひろゆき弁護士べんごしが取材しゅざいに応おうじ「男性だんせいは平成へいせい23年ねんに、崩くずれた盛り土もりつちの場所ばしょを含ふくむおよそ40万まん坪つぼの土地とちを購入こうにゅうした。崩くずれた場所ばしょについては、傾斜けいしゃで段だんになった畑はたけだと認識にんしきしていたものの、盛り土もりつちがあることは説明せつめいもなかったし、全まったく知しらなかった。買かったあと、廃車はいしゃが埋うまっていると熱海あたみ市しから言いわれて取り除とりのぞいた。男性だんせいに責任せきにんはないと思おもう」と話はなしました。

購入こうにゅうしたいきさつについては「男性だんせいは事業じぎょう家かで、土地とちの購入こうにゅうを持もちかけられる。いい物件ぶっけんだと思おもえば、目的もくてきを決きめないでとりあえず買かって、いい事業じぎょうが思おもいついたら行おこなう。崩くずれた土地とちについては、社員しゃいん研修けんしゅうで800本ほんの木きを植うえたと聞きいてはいるが、特定とくていの目的もくてきはなかった。購入こうにゅうを持もちかけた人物じんぶつや前まえの所有しょゆう者しゃとは連絡れんらくが取とれない状態じょうたいだ」と説明せつめいしています。

また、結果けっか的てきに所有しょゆうしている土地とちが崩くずれたことについては「実質じっしつ的てきな管理かんりは、地元じもとの会社かいしゃの社員しゃいんがちゃんとしていたと思おもうが、男性だんせいは『びっくりだ』、『残念ざんねんだ』と話はなしていて、法的ほうてきな責任せきにんはないと思おもう。ただ、二に次じ災害さいがいが起おきないように県けんや市しの指導しどうを受うけながら適切てきせつな処置しょちをしなければいけないと考かんがえている」と話はなしていました。

ただし、条例じょうれいでは「崩壊ほうかいや流出りゅうしゅつなどによる災害さいがいが発生はっせいするおそれがある場合ばあいは、知事ちじや市し町長ちょうちょうが計画けいかくの変更へんこうを勧告かんこくできる」と定さだめられています。

届け出とどけでは

▽1ヘクタール以上いじょうの盛り土もりつちは県けんへ

▽1ヘクタール未満みまんの盛り土もりつちについては市しや町まちが受け付うけつけます。

県けんは計画けいかくの届け出とどけで書しょで事業じぎょう者しゃ側がわが記しるした盛り土もりつちの流出りゅうしゅつ対策たいさくに不備ふびがあると判断はんだんすれば、届け出とどけでを受理じゅりせずに対策たいさくの再さい検討けんとうを求もとめる実質じっしつ的てきな審査しんさを行おこなっているということです。

一方いっぽう、市しに届け出とどけでがあった場合ばあいにどのように対応たいおうするかは市しの判断はんだんに委ゆだねられるということです。今回こんかい崩くずれた盛り土もりつちについて、熱海あたみ市しは届け出とどけでのいきさつも含ふくめて調しらべています。

このあと棚橋たなはし大臣だいじんは記者きしゃ団だんに対にたいし、菅かん総理そうり大臣だいじんから安否あんぴ不明ふめい者しゃの捜索そうさくと救出きゅうしゅつや、生活せいかつ再建さいけんの支援しえんに全力ぜんりょくを挙あげて取り組とりくむよう指示しじを受うけたことを明あきらかにしました。

そのうえで「熱海あたみ市長しちょうなどからは、ライフラインとしては特とくに水道すいどうと道路どうろの復旧ふっきゅうが緊急きんきゅうの課題かだいだと要請ようせいがあり、菅かん総理そうり大臣だいじんから最大限さいだいげんライフラインの確保かくほに努力どりょくするよう指示しじをいただいた」と述のべました。

そして「熱海あたみの土石流どせきりゅうは直前ちょくぜんの大量たいりょうの降雨こううのみでなく、長時間ちょうじかんにわたって降り続ふりつづいた累積るいせきの雨量うりょうが原因げんいんとなったと考かんがえられ、被害ひがいがすでに発生はっせいしている地域ちいきはもちろん被害ひがいが発生はっせいしていなくても大雨おおあめに関にかんする警報けいほうが出だされている地域ちいきにお住すまいの方ほうは、自治体じちたいからの避難ひなん情報じょうほうや気象きしょう情報じょうほうに十分じゅうぶん注意ちゅういし、早はやめ早はやめにみずからの命いのちを守まもる行動こうどうをとっていただきたい」と呼よびかけました。