日本新聞: 阪神・淡路大震災から28年地震発生の午前5時46分に黙とう

阪神はんしん・淡路あわじ大震災だいしんさいから28年ねん地震じしん発生はっせいの午前ごぜん5時じ46分ふんに黙もくとう

Jan 17, 2023 11:01

Furigana

6434人にんが亡なくなった阪神はんしん・淡路あわじ大震災だいしんさいから、17日にちで28年ねんです。

神戸こうべ市しなど大おおきな被害ひがいを受うけた地域ちいきでは、犠牲ぎせい者しゃを追悼ついとうする行事ぎょうじが行おこなわれています。

28年ねん前まえの平成へいせい7年ねん1月つき17日にちに発生はっせいした阪神はんしん・淡路あわじ大震災だいしんさいでは、建物たてものの倒壊とうかいや火災かさいなどが相次あいつぎ、その後そのごの「災害さいがい関連かんれん死し」も含ふくめて6434人にんが亡なくなりました。

神戸こうべ市し中央ちゅうおう区くの公園こうえん「東遊あずまあそび園地えんち」では、市民しみん団体だんたいなどでつくる実行じっこう委員いいん会かいによる追悼ついとうのつどいが開ひらかれ、地震じしんが起おきた午前ごぜん5時じ46分ふんに、静しずかに手てを合あわせ、犠牲ぎせい者しゃに黙もくとうをささげました。

公園こうえんには犠牲ぎせい者しゃを追悼ついとうする灯あかり籠かごが、震災しんさいが起おきた日付ひづけの「1.17」と「むすぶ」という文字もじの形かたちに並ならべられました。

「むすぶ」という文字もじには、震災しんさいを経験けいけんした人ひとが知しらない世代せだいに語り継かたりつぐなど、得えられた知恵ちえや教訓きょうくんを伝つたえていきたいという思おもいが込こめられています。

追悼ついとうのつどいは新型しんがたコロナなどの影響えいきょうで規模きぼの縮小しゅくしょうが続つづいていましたが、ことしは竹たけ灯とう籠かごの数かずを去年きょねんの2倍ばいにして、3年ねんぶりに感染かんせん拡大かくだい前まえの規模きぼで開催かいさいされています。

「助たすけてあげられなくてごめんね」

震災しんさい当時とうじ1歳さい半はんだった孫まごを亡なくした、兵庫ひょうご県けん西宮にしのみや市しの86歳さいの女性じょせいは「28年ねん前まえ、山口やまぐち県けん岩国いわくに市しから来きていた孫まごと一緒いっしょに寝ねていて、あの子こだけ亡なくなったので、『助たすけてあげられなくてごめんね』と毎日まいにち祈いのっている。私わたしがあの時とき、代かわってあげたかったと、ずっと思おもっている。生いきていたらお嫁よめさんもいて子こどももいると思おもう。私わたしが元気げんきだったらこれからもここに来くるけど、心こころの中なかではことしで終おわりかなと思おもっている。この追悼ついとうのつどいはずっと毎年まいとし続つづいてほしい」と話はなしていました。

母親ははおやの行方ゆくえ 28年ねんたった今いまもわからず

当時とうじ65歳さいだった母親ははおやが神戸こうべ市しで被災ひさいし、今いまも行方ゆくえがわかっていない、兵庫ひょうご県けん加古川かこがわ市しの佐藤さとう悦子えつこさん（59）は、ことしもつどいの場ばを訪おとずれました。

佐藤さとうさんは「神戸こうべ市し須磨すま区くの実家じっかで母ははが被災ひさいし、行方ゆくえ不明ふめいのままなので、毎年まいとしここに来きて、『どこにいたの』って呼よびかけている。母はははひざや足あしが悪わるかったので、近ちかくに行いくにも自転車じてんしゃで出でかけていたが、実家じっかの焼け跡やけあとには自転車じてんしゃがあったので、出でかけていなかったのではないかと思おもう。被災ひさいした実家じっかの跡あとはがれきばかりで、すぐに自衛隊じえいたいや警察けいさつが協力きょうりょくして掘ほってくれたが、それでも母ははは見みつからず、28年ねんもたった。この東遊あずまあそび園地えんちにある銘板めいばんが私わたしにとっては母ははのお墓はかみたいなもので、母ははの名前なまえは高たかいところにあって手てで触ふれなかったが、去年きょねん、脚立きゃたつを借かりて乗のって初はじめて手てが届とどき、母ははと手てをつないだような思おもいだった。毎年まいとし、またこの日ひが来きたのだなと思おもいながら、私わたしや私わたしの子こどもを見守みまもってねと、母ははに呼よびかけています」と話はなしていました。

追悼ついとうのつどいに訪おとずれた人ひと去年きょねんより多おおく

神戸こうべ市しによりますと、東遊あずまあそび園地えんちで行おこなわれている追悼ついとうのつどいに訪おとずれた人ひとは、17日にち午前ごぜん7時じの時点じてんでおよそ5000人にんと、去年きょねんに比くらべて1000人にん多おおくなっています。

これまでに午前ごぜん7時じの時点じてんで訪おとずれた人ひとが最もっとも多おおかったのは、震災しんさいから20年ねんとなった2015年ねんの1万まん4000人にんです。

追悼ついとう行事ぎょうじの数かずは減少げんしょう傾向けいこうコロナ禍かの影響えいきょうも

一方いっぽう、市民しみんグループの調査ちょうさでは、新型しんがたコロナの感染かんせん拡大かくだい前まえに比くらべて、兵庫ひょうご県内けんないの市民しみん団体だんたいが開ひらく追悼ついとう行事ぎょうじの数かずは7割わりに、また、1月つき17日にち前後ぜんごに黙もくとうや避難ひなん訓練くんれんなどを行おこなう学校がっこうや幼稚園ようちえんも6割わり程度ていどまで減へりました。

震災しんさいを経験けいけんしていない世代せだいが増ふえる中なか、記憶きおくや教訓きょうくんをどう継承けいしょうしていくかが、一層いっそう大おおきな課題かだいとなっています。