Actualités japonaises: 一般救急医療のベッドが不足コロナ病床拡大の一方で東京

一般いっぱん救急きゅうきゅう医療いりょうのベッドが不足ふそくコロナ病床びょうしょう拡大かくだいの一方いっぽうで東京とうきょう

Jan 22, 2022 17:01

Furigana

オミクロン株かぶの急きゅう拡大かくだいで、新型しんがたコロナ患者かんじゃの病床びょうしょうが拡大かくだいされてきた一方いっぽうで、「一般いっぱんの救急きゅうきゅう医療いりょうに使つかうベッドが不足ふそくする影響えいきょうが出で始はじめている」

救急きゅうきゅう医療いりょうの現場げんばからはこうした訴うったえも聞きかれます。

東京とうきょう・八王子はちおうじ市しにある「清せい智さとし会かい記念きねん病院びょういん」は、救急きゅうきゅう医療いりょうを中心ちゅうしんに行いっていて、177床しょうある病床びょうしょうのうち、ふだんは15床しょうほどを救急きゅうきゅう患者かんじゃの受け入うけいれのために空あけています。

しかし、オミクロン株かぶが一気いっきに広ひろがった今月こんげつに入はいって、一般いっぱんの救急きゅうきゅう患者かんじゃの受け入うけいれが集中しゅうちゅうし、ここ数すう日にち、ベッドはほぼ満まん床ゆかの状態じょうたいが続つづいています。

それは、なぜなのか。

救急きゅうきゅう患者かんじゃの治療ちりょうを行おこなう、横山よこやま智仁ともひと医師いしは、周辺しゅうへんの病院びょういんが都との要請ようせいを受うけて一般いっぱんの病床びょうしょうを減へらしてコロナ専用せんよう病床びょうしょうを増ふやしたことから、横山よこやま医師いしの病院びょういんに救急きゅうきゅう患者かんじゃが集中しゅうちゅうしたといいます。

このため、救急きゅうきゅう隊たいから要請ようせいが来きても断ことわらざるをえないケースも出でているということです。

また、ふだんは治療ちりょうを終おえて回復かいふくに向むかっている患者かんじゃを別べつの病院びょういんに転院てんいんしてもらい、さらなる救急きゅうきゅう患者かんじゃを受け入うけいれるようにしています。

しかし、いまは転院てんいん先さきもコロナ病床びょうしょうを拡大かくだいしたことで、一般いっぱんの患者かんじゃの受け入うけいれが難むずかしいとして、数すう日間にちかん待またされ、その分ぶん、救急きゅうきゅうの受け入うけいれが滞とどこおるケースもみられるということです。

デルタ株かぶの第だい5波はでは病床びょうしょうが不足ふそくしたことから、コロナ病床びょうしょうの拡大かくだいが進すすめられましたが、横山よこやま医師いしはオミクロン株かぶでは、症状しょうじょうが比較的ひかくてき軽かるく、自宅じたく療養りょうようで済すむなど、違ちがいがみられると指摘してきします。

横山よこやま医師いしは「救急きゅうきゅうを受け入うけいれられないのは病院びょういんの役割やくわりの一部いちぶを果はたせておらず、じくじたる思おもいだ。コロナ病床びょうしょうの使用しよう率りつが20％ということは、80％の非ひ使用しよう率りつがあるわけで、市民しみんの利益りえきがどちらが大おおきいか考かんがえることも必要ひつようだし、今いままでのデルタ株かぶとオミクロン株かぶでは対応たいおうを変かえなければいけないかもしれない」と思おもいを語かたりました。

その一方いっぽうで「これからさらにコロナの陽性ようせい者しゃ数すうが増ふえていけば入院にゅういん者しゃも増ふえるので、タイミングを見極みきわめてコロナ用ようにベッドを空あけるなど対応たいおうを変かえていくことも求もとめられる」と話はなしていました。

医師いし「ベッドのバランスも考かんがえていかないと」

「清せい智さとし会かい記念きねん病院びょういん」に救急きゅうきゅう患者かんじゃとして搬送はんそうされた90代だいの女性じょせいは、腸ちょうの病気びょうきで高度こうどな治療ちりょうが必要ひつようだと判断はんだんされ、搬送はんそうの2日にち後ご、大だい規模きぼ病院びょういんに転院てんいんすることが決きまったということです。

ところが、オミクロン株かぶの急きゅう拡大かくだいもあって、大だい規模きぼ病院びょういんはコロナ患者かんじゃの専用せんよう病床びょうしょうを増ふやすことになってベッドの空あきがなくなり、当日とうじつになって、すぐに転院てんいんを受うけられないと伝つたえられたということです。

女性じょせいが転院てんいんできたのは、その3日にち後ごだったということです。

清せい智さとし会かい記念きねん病院びょういんの横山よこやま智仁ともひと医師いしは「特とくに高齢こうれい者しゃは治療ちりょうの開始かいしが遅おくれることで、体力たいりょくが刻こく一刻いっこくと削けずられ、歩あるけなくなるなどの影響えいきょうが出でてしまうので、早期そうき診断しんだん、早期そうき治療ちりょうを進すすめなければならない。オミクロン株かぶの影響えいきょうで、こうした治療ちりょうの遅おくれがいろいろなところで起おきていると思おもう。何なに十じゅう時間じかんも病院びょういんを探さがしまわらなければならないという状況じょうきょうはコロナだけでなく、救急きゅうきゅう医療いりょうでも起おこりうるのではないかと思おもうし、そうしたことが起おきないように、ベッドのバランスも考かんがえていかないといけない」と話はなしていました。