日本新闻: オミクロン株対策子どものマスク推奨年齢明示しない形に

新型しんがたコロナウイルス対策たいさくにあたる政府せいふの分科ぶんか会かいが開ひらかれ、感染かんせん拡大かくだいのスピードが速はやいオミクロン株かぶの特徴とくちょうを踏ふまえた対策たいさくについての提言ていげんをまとめました。

当初とうしょの提言ていげん案あんでは全国ぜんこく知事ちじ会かいからの要望ようぼうも受うけて、2歳さい以上いじょうの子こどものマスク着用ちゃくようを「可能かのうな範囲はんいで推奨すいしょうする」としていましたが、議論ぎろんの結果けっか、提言ていげんではマスクの着用ちゃくようを推奨すいしょうする子こどもの年齢ねんれいについては明示めいじしませんでした。

4日にちの分科ぶんか会かいでは、オミクロン株かぶの特徴とくちょうを踏ふまえた感染かんせん対策たいさくについての提言ていげんがとりまとめられました。

提言ていげんでは、オミクロン株かぶで特徴とくちょう的てきなクラスターのケースを分析ぶんせきしたうえで、学校がっこうや保育ほいく所しょ、それに高齢こうれい者しゃ施設しせつなどで求もとめられる対策たいさくが示しめされました。

当初とうしょの案あんでは全国ぜんこく知事ちじ会かいからの要望ようぼうも受うけて、これまで一律いちりつには求もとめてこなかった子こどものマスク着用ちゃくようについて、

▼2歳さい以上いじょうの子こどもは可能かのうな範囲はんいで着用ちゃくようを推奨すいしょうするなどとしていましたが、4日にちの分科ぶんか会かいでは、小児しょうに医療いりょうの専門せんもん家かから「現実げんじつ的てきに着用ちゃくようが難むずかしいのではないか」などと慎重しんちょうな意見いけんが出だされたということで、提言ていげんでは子こどもの年齢ねんれいを明示めいじせず、

▼発育はついく状況じょうきょうなどからマスクの着用ちゃくようが無理むりなく可能かのうと判断はんだんされる子こどもについては、可能かのうな範囲はんいで推奨すいしょうするとされました。

また、感染かんせんが急速きゅうそくに拡大かくだいしている状況じょうきょうのもとでは、学校がっこうでは

▼室内しつないで近距離きんきょりで行おこなう合唱がっしょうや

▼体育たいいくで子こどもが密集みっしゅうする運動うんどうなど、感染かんせんリスクの高たかい活動かつどうを基本きほん的てきには控ひかえるとしたほか、

重症じゅうしょう化かリスクが高たかい、高齢こうれい者しゃや基礎きそ疾患しっかんのある人ひとが人ひとと会あう際さいにはいつも会あう人ひとと少しょう人数にんずうで会あうなど感染かんせんリスクを減へらすことを求もとめています。

尾身おみ会長かいちょう「感染かんせんをなるべく早はやく止とめなくてはならない」

会合かいごうのあと記者きしゃ会見かいけんした政府せいふの分科ぶんか会かいの尾身おみ茂しげる会長かいちょうは、当初とうしょの提言ていげん案あんで2歳さい以上いじょうの子こどもにマスクの着用ちゃくようを「可能かのうな範囲はんいで推奨すいしょうする」としていたことについて、議論ぎろんの結果けっか、子こどもの年齢ねんれいについては明示めいじしない形かたちになったとして、「このポイントについては、議論ぎろんがかなり活発かっぱつにあった。当初とうしょ『2歳さい』という年齢ねんれいを基準きじゅんにするという意見いけんもあったが、特とくに小児しょうに科かの臨床りんしょう現場げんばにいる複数ふくすうの委員いいんから発育はついくの状況じょうきょうは子こどもによって異ことなり、年齢ねんれいでひとくくりにできないという指摘してきがあり、議論ぎろんの結果けっか、分科ぶんか会かいとしてその意見いけんで一致いっちしたと言いうことだ」と説明せつめいしました。

そして、分科ぶんか会かいの提言ていげんとしてまとめた具体ぐたい的てきな対策たいさくについて、「感染かんせんの増加ぞうかは鈍化どんかしているものの、ピークを迎むかえたとしても、減少げんしょうの速度そくどは当初とうしょの想定そうていよりずっと遅おそいことが懸念けねんされている。割合わりあいは少すくなくても絶対ぜったい数すうとしての重症じゅうしょう者しゃはかなり増加ぞうかし、医療いりょうへの負荷ふかがどんどん強つよまっている。大おおきな感染かんせんをなるべく早はやく、一度いちど止とめなくてはならない。今回こんかい、提言ていげんした内容ないようの一部いちぶは、政府せいふの基本きほん的てき対処たいしょ方針ほうしんに採用さいようされると思おもっている。その際さいには、総理そうり大臣だいじんや知事ちじなどのリーダーから対策たいさくを徹底てっていするのだという強つよく、分わかりやすいメッセージを出だしてもらうことが求もとめられていると思おもう」と述のべました。

【詳細しょうさい】オミクロン株かぶ特徴とくちょうを踏ふまえた提言ていげん

感染かんせん拡大かくだいのスピードが速はやい一方いっぽう、デルタ株かぶに比くらべて重症じゅうしょう化かしにくいとされる新型しんがたコロナウイルスのオミクロン株かぶの特徴とくちょうを踏ふまえた感染かんせん防止ぼうし策さくの提言ていげんを政府せいふの分科ぶんか会かいがまとめました。

内容ないようを詳くわしくお伝おつたえします。

提言ていげんでは、1月つき上旬じょうじゅんから拡大かくだいした感染かんせんの多おおくはオミクロン株かぶによるもので、クリスマスなど年末ねんまつ年始ねんしの大だい人数にんずうでのパーティーや会食かいしょくでのクラスターを起点きてんに始はじまり、感染かんせんの場ばは学校がっこうや保育ほいく所しょ、高齢こうれい者しゃ施設しせつ、事業じぎょう所しょに広ひろがっているとしています。

そして、社会しゃかい経済けいざい活動かつどうの維持いじが困難こんなんになる事態じたいや入院にゅういん患者かんじゃや重症じゅうしょう者しゃの増加ぞうかで医療いりょうのひっ迫ひっぱくが懸念けねんされるとして実際じっさいに発生はっせいしているクラスターを分析ぶんせきした上うえでオミクロン株かぶの特徴とくちょうを踏ふまえた対策たいさくをまとめました。

特徴とくちょう的てきなクラスターの事例じれい学校がっこう保育ほいく所しょ高齢こうれい者しゃ施設しせつ

提言ていげんでは実際じっさいにクラスターが多おおく発生はっせいしている場所ばしょとして学校がっこうや保育ほいく所しょ、高齢こうれい者しゃ施設しせつなどを挙あげました。

このうち、学校がっこうでクラスターが起おきたケースとしては、

▼高校こうこうでマスクやフェイスシールドを着用ちゃくようして行いった発声はっせいを伴ともなう合同ごうどう練習れんしゅう会かい、

▼小学校しょうがっこうでたて笛ふえを演奏えんそうしたときに飛ひまつの飛散ひさんや唾液だえきでクラスターが起おきたケース、

▼半数はんすう程度ていどの児童じどうが布ぬのやウレタンのマスクをしていたのにクラスターが起おきたケースなどを挙あげています。

また、

▼日常にちじょう支援しえんでの密着みっちゃく度どが高たかく、常時じょうじマスクを着用ちゃくようすることや手て指ゆびの消毒しょうどくの徹底てっていが難むずかしい児童じどう福祉ふくし施設しせつで起おきたケースや

▼おもちゃを共有きょうゆうし、空間くうかん密度みつどが高たかい保育園ほいくえんでのクラスター、

▼高齢こうれい者しゃ施設しせつで毎朝まいあさマスクを着用ちゃくようせずに集団しゅうだんでの体操たいそうを行おこなったり、消毒しょうどく液えきの設置せっちや感染かんせんを防ふせぐ防護ぼうご具ぐの着用ちゃくようが不十分ふじゅうぶんだったりしたために起おきたケースや▼高齢こうれい者しゃ施設しせつの車くるまでの送迎そうげい中ちゅうに窓まどを開あけていたものの、暖房だんぼうを車内しゃないで循環じゅんかんするようにしていたために起おきたケースなどを紹介しょうかいしています。

高たかいレベルの感染かんせん防止ぼうし策さく前倒まえだおしで

その上うえで提言ていげんでは、オミクロン株かぶは感染かんせん拡大かくだいのスピードが速はやく、無む症状しょうじょう者しゃや軽症けいしょう者しゃが多おおいという特徴とくちょうがあり、飛ひまつや換気かんきの悪わるい場所ばしょでのごく小ちいさな飛ひまつ＝エアロゾルによる感染かんせんが多おおく、子こどもが感染かんせんしやすくなり家庭かていに持ち込もちこまれて拡大かくだいするケースも出でているほか、高齢こうれい者しゃを中心ちゅうしんにして感染かんせんをきっかけに持病じびょうが悪化あっかすることが多おおくなっていると指摘してきしていて「医療いりょうがひっ迫ひっぱくする前まえに高たかいレベルの感染かんせん防止ぼうし策さくを前倒まえだおしで行おこなう必要ひつようがある」と強調きょうちょうしています。

そして、オミクロン株かぶでも基本きほん的てきな感染かんせん対策たいさくを徹底てっていしてほしいとしていて、▼飲食いんしょくはなるべく少しょう人数にんずうで黙だま食しょくを基本きほんとして、

▼会話かいわ時じにはマスクを着用ちゃくようし

▼不ふ織お布ぬのマスクを適切てきせつに着用ちゃくようすること、

▼換気かんきが悪わるく、大だい人数にんずうで大声おおごえを出だすような感染かんせんリスクの高たかい場面ばめんや場所ばしょへの外出がいしゅつは控ひかえ、体調たいちょう不良ふりょう時じの外出がいしゅつを控ひかえること、

▼家庭かていでも定期ていき的てきに換気かんきし、こまめに手てを洗あらうこと、

▼子こどもの感染かんせん対策たいさくを徹底てっていすること、

▼高齢こうれい者しゃや基礎きそ疾患しっかんのある人ひとは重症じゅうしょう化かリスクが高たかいため、いつも会あう人ひとと少しょう人数にんずうで会あうなど感染かんせんリスクを減へらすことを求もとめています。

場面ばめんごとの対策たいさく

さらに提言ていげんでは、オミクロン株かぶに特徴とくちょう的てきなクラスターが発生はっせいしている場面ばめんごとの対策たいさくも示しめしました。

このうち、学校がっこうについては、感染かんせんが急速きゅうそくに拡大かくだいしている状況じょうきょうのもとでは、

▼室内しつないで近ちかい距離きょりで行おこなう合唱がっしょうやリコーダーの演奏えんそう、体育たいいくで子こどもが密集みっしゅうする運動うんどうなど、感染かんせんリスクの高たかい活動かつどうは基本きほん的てきには控ひかえることや

▼体育たいいくの授業じゅぎょう時じでも運動うんどうするときを除のぞき、可能かのうな限かぎりマスクをつけること

▼部ぶ活動かつどうは感染かんせん状況じょうきょうを踏ふまえて、学校がっこうが独自どくじに行おこなう他校たこうとの練習れんしゅう試合しあいや合宿がっしゅくなどを一時いちじ的てきに制限せいげんすること、

それに

▼職員しょくいんへのワクチンの追加ついか接種せっしゅを速すみやかに行おこなうことなどを求もとめています。

その一方いっぽうで、学校がっこう全体ぜんたいを臨時りんじ休校きゅうこうとする前まえに、家庭かていや地域ちいきの社会しゃかい経済けいざい的てき事情じじょうを考慮こうりょして、児童じどう生徒せいとの発達はったつ段階だんかいなどを踏ふまえた分散ぶんさん登校とうこうやオンライン授業じゅぎょうを組み合くみあわせるなどの対策たいさくを行おこなうことが求もとめられるとしています。

そして、感染かんせん者しゃが出でていない学校がっこうの臨時りんじ休校きゅうこうについては、教育きょういく機会きかいの確保かくほや子こどもの心こころや体からだへの影響えいきょうを考かんがえて慎重しんちょうに検討けんとうする必要ひつようがあるとしています。

また、保育ほいく所しょについては、社会しゃかい機能きのうの維持いじの観点かんてんから対策たいさくをとって保育ほいくサービスを維持いじしていく必要ひつようがあるとした上うえで、

▼近距離きんきょりで歌うたを歌うたったり、密集みっしゅうする遊あそびや運動うんどうをしたりするといった感染かんせんリスクの高たかい活動かつどうを避さけるとともにできるだけ少しょう人数にんずうのグループに分割ぶんかつし、

▼大だい人数にんずうでの行事ぎょうじ、特とくに保護ほご者しゃの参加さんかする行事ぎょうじは見合みあわせるとしています。

そして、これまでガイドラインで一律いちりつに着用ちゃくようを求もとめてこなかった子こどものマスク着用ちゃくようについてオミクロン株かぶが子こどもにまん延まんえんしている現状げんじょうを踏ふまえ、▼発育はついく状況じょうきょうなどからマスクの着用ちゃくようが無理むりなく可能かのうと判断はんだんされる子こどもについては、可能かのうな範囲はんいで推奨すいしょうし、息苦いきぐるしくないかどうかなど、十分じゅうぶんな配慮はいりょを行おこなうなどとしています。