日本新聞: 芥川賞作家西村賢太さん死去

芥川賞あくたがわしょう作家さっか西村にしむら賢太けんたさん死去しきょ

Feb 5, 2022 16:02

Furigana

自身じしんの体験たいけんをもとにした私小説ししょうせつで知しられ、「苦役くえき列車れっしゃ」で芥川あくたがわ賞しょうを受賞じゅしょうした作家さっかの西村にしむら賢太けんたさんが5日にち、東京とうきょう都内とないの病院びょういんで亡なくなりました。54歳さいでした。

西村にしむらさんは東京とうきょう都と出身しゅっしんで、中学校ちゅうがっこうを卒業そつぎょう後ご、アルバイトをしながら生活せいかつしていましたが、大正たいしょう時代じだいの私小説ししょうせつ作家さっか、藤澤ふじさわ※清造せいぞうの作品さくひんに出会であったことをきっかけに執筆しっぴつ活動かつどうを始はじめ、2004年ねんに作家さっかとしてデビューしました。

私小説ししょうせつにこだわって、自身じしんの生い立おいたちや心情しんじょうをユーモアを交まじえながら率直そっちょくに投影とうえいした作品さくひんを書かき続つづけ、2007年ねんには「暗渠あんきょの宿やど」で野間のま文芸ぶんげい新人しんじん賞しょうを受賞じゅしょうしました。

そして2011年ねんに、人生じんせいの目標もくひょうを失うしなった若わかい男性だんせいが孤独こどくや劣等れっとう感かんにさいなまれる姿すがたをリアルに描写びょうしゃした作品さくひん、「苦役くえき列車れっしゃ」で芥川あくたがわ賞しょうを受賞じゅしょうし、その際さいの記者きしゃ会見かいけんでの気負きおわない言動げんどうも話題わだいとなりました。