日本新闻: 高齢者施設でクラスター保健所に相談も医療的支援届かず

高齢こうれい者しゃ施設しせつでクラスター保健所ほけんじょに相談そうだんも医療いりょう的てき支援しえん届とどかず

Feb 7, 2022 20:02

Furigana

新型しんがたコロナウイルスの感染かんせん拡大かくだいが続つづく中なか、22人にんの感染かんせん者しゃを出だすクラスターに直面ちょくめんしている東京とうきょう都内とないの高齢こうれい者しゃ施設しせつが取材しゅざいに応おうじました。

高齢こうれい者しゃはオミクロン株かぶでも症状しょうじょうが急激きゅうげきに悪化あっかするケースが相次あいついでいる一方いっぽうで、医療いりょう的てきな支援しえんが届とどいていないとして、入院にゅういん先さきの確保かくほや医師いしの派遣はけんなど高齢こうれい者しゃ施設しせつへの支援しえんを求もとめています。

厚生こうせい労働ろうどう省しょうのまとめによりますと、先月せんげつ31日にちまでの1週間しゅうかんに高齢こうれい者しゃ施設しせつで発生はっせいしたクラスターや2人にん以上いじょうが感染かんせんした事例じれいは全国ぜんこくで249件けんに上のぼり、過去かこ最多さいたを記録きろくしています。

このうち22人にんのクラスターの対応たいおうにあたっている都内とないの特別とくべつ養護ようご老人ろうじんホームがNHKの取材しゅざいに応おうじました。

この施設しせつでは先月せんげつ24日にちに職員しょくいん1人にんが発熱はつねつしたあと、3日間にちかんで同おなじフロアを中心ちゅうしんに入所にゅうしょしている高齢こうれい者しゃや職員しょくいんに次々つぎつぎに症状しょうじょうが広ひろがり、7日にちまでに80代だいから90代だいの高齢こうれい者しゃ12人にんと職員しょくいん10人にんが感染かんせんしました。

利用りよう者しゃの中なかには認知にんち症しょうで常つねに見守みまもりが必要ひつような人ひともいて、今いままで複数ふくすうの入所にゅうしょ者しゃで一いち度どにとっていた食事しょくじも感染かんせん防止ぼうしのため個室こしつでとるため、一いち人にん一いち人にん介助かいじょしなければなりません。

しかし、フロアを担当たんとうする職員しょくいんのほとんどが感染かんせんしたため人手ひとでが足たりなくなり、別べつのフロアの職員しょくいんや事務じむ職員しょくいんが手伝てつだうなどして、ぎりぎりの状態じょうたいで介護かいごを続つづけたといいます。

施設しせつに医師いしが常駐じょうちゅうしていないためPCR検査けんさが行おこなえず、抗原こうげん検査けんさのキットも不足ふそくしている状態じょうたいだったため保健所ほけんじょにも相談そうだんしましたが、医療いりょう的てきな支援しえんを受うけることができませんでした。

こうした中なかで発熱はつねつで食事しょくじや水分すいぶんが十分じゅうぶんに摂取せっしゅできず、脱水だっすいで症状しょうじょうを悪化あっかさせる高齢こうれい者しゃが相次あいつぎました。

それでも入院にゅういんできたのは3人にんだけで、90代だいの男性だんせいは搬送はんそう先さきを探さがす救急きゅうきゅう車しゃの車内しゃないで死亡しぼうしました。

最初さいしょの感染かんせん確認かくにんから4日にち後ごに初はじめて都とから医師いしが派遣はけんされ、利用りよう者しゃの検査けんさをするとともに点滴てんてきなどの医療いりょう処置しょちがなされましたが、その後そのご、さらに1人にんが亡なくなりました。

往診おうしんした岩間いわま洋ひろし亮あきら医師いしは「オミクロン株かぶは比較的ひかくてき軽症けいしょうの人ひとが多おおいのは事実じじつだが、高齢こうれい者しゃは上気じょうき道どう炎えんを起おこすと脱水だっすいでどんどん症状しょうじょうが悪化あっかしていく。患者かんじゃの数かずも圧倒的あっとうてきに多おおく、介護かいご現場げんばは第だい5波はの時とき以上いじょうに混乱こんらんしている」と話はなしています。

また、この施設しせつの施設しせつ長ちょうは「高齢こうれい者しゃ施設しせつはあくまでも暮くらしのための場所ばしょで医療いりょうを提供ていきょうする体制たいせいはなく、高齢こうれい者しゃの命いのちを守まもるには限界げんかいがあります。症状しょうじょうが悪化あっかした人ひとだけでも入院にゅういんさせてほしいですし、施設しせつへの医師いしの派遣はけんや検査けんさ・物資ぶっしの支援しえんを早急そうきゅうにお願おねがいしたいです」と話はなしていました。