名取市閖上地区に住む丹野祐子さん(53)は、当時中学1年生だった長男の公太さんを津波で亡くしました。
丹野さんは、犠牲になった子どもたちの名前を刻んだ慰霊碑を毎日のように訪れていて、震災の発生から10年11か月となる11日も、布で汚れを拭き取ったり、手で優しくなでたりして思いを寄せていました。
丹野さんは「天国にいる息子に手紙を届けたい」という思いから、毎年3月11日にほかの遺族や地域の人たちとともに環境に配慮した風船にメッセージを書いて飛ばす活動を続けています。
丹野さんたちは、震災から11年となる来月に向けて全国から参加者を募っていて、11日は現地に直接、行くことができない希望者向けに風船を郵送する準備をしていました。

丹野さんは「年々、書きたいことがどんどんふくらんできて、何を書いたらいいか迷います。息子への思いは何も変わりません。変わってはだめだし、変われないんです。命の大切さ、災害への備えの大切さを考える1日にしたいと思います」と話していました。
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