新型コロナの重症患者用の病床は2月22日の時点で14床のうち13床が埋まり、ひっ迫した状態が続いています。
織田順センター長によりますと、センターには2月に入って新型コロナ以外の緊急性が高い患者の受け入れ要請も増え続けていて、中には到着まで数時間かかるケースが出ているということです。
男性がセンターに到着したのは救急車を要請してからおよそ2時間半後で、男性は容体が悪化して一時心肺停止となり、人工呼吸器や人工心肺装置=ECMOを使った治療を受けました。
背景には新型コロナの感染拡大で地域のほかの救急病院が対応できなくなり、患者の受け入れ要請そのものが増えているほか、医療スタッフの数にも限りがある中で緊急手術や搬送が重なるなどして対応が難しくなっていることがあります。
対応策としてセンターでは近くの病院と直接連絡を取り合いベッドやスタッフにわずかに余裕があるタイミングを見計らって緊急手術や患者の受け入れを互いに依頼し合っているということですが、織田センター長は「21日も40回以上病院へ問い合わせても受け入れ先が見つからずこのセンターに搬送されてきた患者がいて、地域の救急医療は限界が近いと感じている。新型コロナの重症者は感染者の増加がピークを迎えてもしばらく増え続けるので、この先、新型コロナの患者とそれ以外の救急患者への対応がどこまでもつのか非常に危惧している。一般の人には救急医療がこのような厳しい局面に立たされていることを知ってほしい」と訴えていました。
東京 文京区にある3次救急の指定病院、日本医科大学付属病院はコロナ患者用とコロナ以外の緊急性の高いけがや病気の患者用の病床が現在合わせて24床あり治療を行っていますが、オミクロン株が急拡大した1月からは多くの医療機関でコロナ対応に注力するために一般の救急患者の受け入れを絞っている影響もあり、満床に近い状態が続いています。 先週からは治療に時間がかかるコロナの重症患者の入院も増え、病床のひっ迫の度合いが高まっていて、コロナとコロナ以外を含め患者の受け入れの要請を数十件断らざるを得ない日もあり、22日も午後3時ごろまでに10数件の要請に対して受け入れができたのは2件にとどまりました。
2月20日までの1週間では6064件で、過去最多となった前の週の5740件からさらに増加しました。 地域別では東京が2849件、大阪市が557件、横浜市が432件、札幌市が164件、北九州市が129件、仙台市が101件などとなっています。 新型コロナウイルスの感染拡大前にあたる令和2年の同じ時期に比べると、北九州市が63.5倍、東京が7.9倍、横浜市が4.68倍、大阪市が2.9倍、仙台市が2.61倍、札幌市が1.83倍など各地で大幅に増えています。 新型コロナウイルスの感染が疑われるケースは2032件で前の週に続き高い水準で、全体の34%となっています。 新型コロナウイルスの感染の疑いのないケースは4032件と前の週からおよそ350件増え、依然として全体のおよそ3分の2を占めています。 総務省消防庁は「新型コロナの新規感染者数は少しずつ減っているが必ずしも病床がすぐに空くわけではない。搬送が困難な事例は依然として多く、余談を許さない状況が続いているため危機感を持って今後の状況を注視したい」と話しています。
アメリカのトランプ大統領が、日本への関税を15%にすると決めた書類にサインしました。緊迫の現場 受け入れ先見つからず男性は一時心肺停止に
他府県からの要請も 1月上旬と比べ7倍近く増加
ドクターカーの出動も増加
2日に1回ほどの出動が1日4回になることも
「搬送が困難な事例」 6000件超す