【詳くわしく】ロシアがウクライナで軍事ぐんじ侵攻しんこう いま何なにが？（2/24）

▽首都しゅとキエフの郊外こうがいに位置いちするボリスピルのほか、

▽西部せいぶジトーミル州しゅうにあるオジョルノエ、

▽ハリコフ州しゅうにあるチュグエフ、

▽ウクライナ軍ぐんの東部とうぶの拠点きょてんとなっているクラマトルスク、

それに

▽ウクライナ南部なんぶにあるクリバキノや

▽チェルノバエフカを挙あげています。

ウクライナ軍ぐんによりますと、ロシア軍ぐんは、これらの地域ちいきにある飛行場ひこうじょうと軍事ぐんじ施設しせつに対にたいして攻撃こうげきを開始かいししたということです。

一方いっぽう「ロシア軍ぐんが南部なんぶのオデッサに上陸じょうりくしたという情報じょうほうは、真実しんじつではない」として一部いちぶのメディアの情報じょうほうを否定ひていしました。

また、ロシア国防省こくぼうしょうは「民間みんかん人じんを脅おびやかすものではない」と述のべたとしています。

ペヴナさんは現地げんちの状況じょうきょうについて「朝あさ5時じに起おきると、軍事ぐんじ基地きちに爆弾ばくだんが落おち、戦争せんそうが始はじまったというニュースが入はいってきました。ここリビウはなんともありませんが、断続だんぞく的てきにサイレンの音おとが聞きこえています。爆弾ばくだんが落おちたという首都しゅとキエフや東部とうぶハリコフの友人ゆうじんに電話でんわをかけたところ、キエフでは窓まどが震ふるえるほどの衝撃しょうげきがあり、ハリコフでも家いえの窓まどから爆発ばくはつの現場げんばが見みえたと話はなしていました」と語かたりました。

また「ウクライナに残のこりたいが、子こどもたちが心配しんぱいなので、国外こくがいに避難ひなんする準備じゅんびもしています。9歳さいの子こどもは、これまでも恐怖きょうふで夜よるに起おきて泣なくなどしていたので、今回こんかいのことでとても心配しんぱいに感かんじると思おもいます」と不安ふあんを口くちにしていました。

そのうえで「私わたしたちは30年ねん前まえに民主みんしゅ主義しゅぎの道みちを選えらび独立どくりつのために戦たたかってきました。私わたしたちはロシアから何なにかをほしい訳わけではないのになぜ私わたしたちを攻撃こうげきするのか。怖こわいという気持きもちと、さみしい、悲かなしい、そして怒いかりを感かんじています。ウクライナだけではロシアを止とめることは難むずかしい。各国かっこくがロシアに対にたいして、きぜんとした態度たいどを取とって、止とめてほしい」と訴うったえていました。

こうした動うごきに呼応こおうするかのように、親しんロシア派はは政府せいふ軍ぐんによる攻撃こうげきを理由りゆうに住民じゅうみんを隣国りんごくのロシアに避難ひなんさせると発表はっぴょうし、ロシア政府せいふもロシアに避難ひなんしてきた住民じゅうみんに1万まんルーブル、日本にっぽん円えんにしておよそ1万まん5000円えんを支給しきゅうするなど支援しえんしています。

これに対にたいしてウクライナ政府せいふは攻撃こうげきを否定ひていするなど非難ひなんの応酬おうしゅうとなっています。

またアメリカのバイデン政権せいけんは「ロシアが侵攻しんこうを正当せいとう化かするため偽いつわりの口実こうじつを作つくる可能かのう性せいがある」として虚偽きょぎの情報じょうほうを拡散かくさんしようとしていると、警鐘けいしょうを鳴ならしています。

親しんロシア派はの武装ぶそう勢力せいりょくが占拠せんきょしているのは、東部とうぶのドネツク州しゅうとルガンスク州しゅうの一部いちぶで、いずれもロシアと国境こっきょうを接せっしています。

歴史れきし的てきにも経済けいざい的てきにもロシアとつながりが深ふかく、ロシア語ごを母国ぼこく語ごとする住民じゅうみんが多おおい地域ちいきです。

ソビエト時代じだいに開発かいはつされた炭鉱たんこうや、鉄鉱てっこう石せきの鉱山こうざんがあり、豊富ほうふな資源しげんを背景はいけいにした鉄鋼てっこう業ぎょうが盛さかんで、ウクライナ有数ゆうすうの工業こうぎょう地帯ちたいとなっていました。

その後そのご、ウクライナからの独立どくりつを一方いっぽう的てきに表明ひょうめいしました。

ウクライナ政府せいふは、これに対にたいして軍ぐんを派遣はけんして、強制きょうせい排除はいじょに乗り出のりだしましたが、各地かくちで武装ぶそう勢力せいりょくと激はげしく衝突しょうとつし、死者ししゃが多数たすう出でる事態じたいに発展はってんしました。

混乱こんらんが続つづいていた2014年ねん7月つきには、オランダ発はつのマレーシア航空こうくうの旅客機りょかくきがドネツク州しゅうの上空じょうくうで撃墜げきついされ、乗客じょうきゃく乗員じょういん298人にんが死亡しぼうする事件じけんが起おき、オランダなどの合同ごうどう捜査そうさチームは親しんロシア派はの支配しはい地域ちいきから発射はっしゃされたと発表はっぴょうしましたが、親しんロシア派はは否定ひていしています。

OHCHR＝国連こくれん人権じんけん高等こうとう弁務べんむ官かん事務所じむしょによりますと、これまでに双方そうほうで1万まん4000人にん以上いじょうが死亡しぼうしたということです。

8年ねんにわたる紛争ふんそうの影響えいきょうで、生活せいかつに不可欠ふかけつな水道すいどうや暖房だんぼう施設しせつなどインフラが破壊はかいされる甚大じんだいな被害ひがいが出でていて、これまでに150万まん人にんの人々ひとびとがこの地域ちいきからの避難ひなんを余儀よぎなくされています。

親しんロシア派はの武装ぶそう勢力せいりょくについて、ウクライナや欧米おうべいは、ロシアが軍事ぐんじ的てきな支援しえんを行おこない後うしろ盾たてとなっていると指摘してきしています。

ロシアのプーチン政権せいけんは、紛争ふんそうへの関与かんよを否定ひていする一方いっぽう、2019年ねんからこの地域ちいきの住民じゅうみんに対にたいするロシアのパスポートの発給はっきゅう手続てつづきを簡素かんそ化かし、これまでに70万まん人にん以上いじょうがロシア国籍こくせきを取得しゅとくしたとされ、ロシアへの依存いぞん度どを高たかめています。

そのうえで、アメリカのバイデン大統領だいとうりょうと電話でんわ会談かいだんを行おこなったとしています。

このなかでプーチン大統領だいとうりょうは、ウクライナ東部とうぶ2州しゅうの親しんロシア派はが事実じじつ上じょう、支配しはいしている地域ちいきを念頭ねんとうに「ロシアに助たすけを求もとめている。これに関連かんれんして特別とくべつな軍事ぐんじ作戦さくせんを実施じっしすることにした。ウクライナ政府せいふによって8年間ねんかん、虐しいたげられてきた人々ひとびとを保護ほごするためだ」と述のべ、ロシアが軍事ぐんじ作戦さくせんに乗り出のりだすことを明あきらかにしました。

さらに「われわれの国くにと国民こくみんに脅威きょういをあたえようとするものにはロシアが即座そくざに対応たいおうすることを知しらせなければならない」と述のべ、NATO＝北大ほくだい西洋せいよう条約じょうやく機構きこうの加盟かめいを目指めざしアメリカなどとの軍事ぐんじ協力きょうりょくを進すすめるウクライナを非難ひなんしました。

そして「現代げんだいのロシアは、ソビエトが崩壊ほうかいしたあとも、最強さいきょうの核かく保有ほゆう国こくの1つだ。最さい新鋭しんえいの兵器へいきについても一定いっていの優位ゆうい性せいを持もっている。ロシアへの直接ちょくせつ攻撃こうげきは、潜在せんざい的てきな侵略しんりゃく者しゃにとって、敗北はいぼくと壊滅かいめつ的てきな結果けっかをもたらすことは間違まちがいない」とアメリカなどをけん制けんせいしました。

ウクライナのクレバ外相がいしょうはツイッターに「ロシアのプーチン大統領だいとうりょうはウクライナへの全面ぜんめん的てきな侵攻しんこうを開始かいしした。平和へいわなウクライナの都市としが攻撃こうげきを受うけている。ウクライナは防衛ぼうえいし、勝利しょうりするだろう。世界せかいはプーチン大統領だいとうりょうを止とめなければならない。今いまこそ行動こうどうを起おこす時ときだ」と投稿とうこうしました。

そのうえで「アメリカは同盟どうめい国こく、友好国ゆうこうこくと結束けっそくして断固だんことした措置そちで対応たいおうする。世界せかいはロシアに責任せきにんを取とらせるだろう」として、攻撃こうげきによってもたらされる被害ひがいの責任せきにんはロシアが負おうことになると強調きょうちょうしています。

そして24日にちには、G7＝主要しゅよう7か国かこくの首脳しゅのうと協議きょうぎを行おこなったうえでアメリカ国民こくみんに向むけて今後こんごの対応たいおうなどについて演説えんぜつを行おこなうとしています。

そのうえで、ロシアに対にたいし、軍事ぐんじ的てきな行動こうどうを直ただちにやめるよう求もとめるとともに、加盟かめい国こくで今後こんごの対応たいおうを協議きょうぎする考かんがえを示しめしました。

そのうえで「全面ぜんめん戦争せんそうが起おきるとは限かぎらないが、同時どうじに、プーチン大統領だいとうりょうが今いまのままとどまるとも思おもわない。ウクライナ東部とうぶの2州しゅうの独立どくりつを承認しょうにんしたところで彼かれが追い求おいもとめるウクライナの政治せいじ的てき中立ちゅうりつが実現じつげんするわけではないからだ」と指摘してきしました。

そしてプーチン大統領だいとうりょうのねらいについて「最もっとも低ひくいレベルでは、ウクライナが特とくに軍事ぐんじ的てきに、アメリカやNATO＝北大ほくだい西洋せいよう条約じょうやく機構きこうと関係かんけいを強化きょうかすることを防ふせぐことにある」とする一方いっぽう「考かんがえられる最大さいだいのレベルは、プーチン大統領だいとうりょうが望のぞむ政治せいじ体制たいせいをウクライナに作り出つくりだすことだ。それは国くにを分割ぶんかつすることで成し遂なしとげられるかもしれない。さらにもっとも過激かげきな選択せんたく肢しは国くにを完全かんぜんに征服せいふくすることだ」と述のべました。

また、キメージ氏しは、バイデン政権せいけんが打ち出うちだした経済けいざい制裁せいさいの効果こうかについて「プーチン大統領だいとうりょうはすでに制裁せいさいを予想よそうしており、侵攻しんこうを抑止よくしする効果こうかは薄うすいだろう」と分析ぶんせきしました。

そのうえで「バイデン政権せいけんは事態じたいを抑え込おさえこむための強力きょうりょくな手段しゅだんを持ち合もちあわせていない。アメリカにできることは、ウクライナに隣接りんせつするNATO加盟かめい国こくが、紛争ふんそうの影響えいきょうを受うけないようにすることだ」と述のべました。