日本新闻: 大谷翔平「三冠王」も視野に～進化止まらぬシーズン前半戦～

大谷おおや翔しょう平たいら「三冠王さんかんおう」も視野しやに～進化しんか止とまらぬシーズン前半ぜんはん戦せん～

Jul 9, 2023 18:07

Furigana

大リーグだいり-ぐ6年ねん目めの今こんシーズンも投打とうだでフル回転かいてんを続つづける大谷おおや選手せんしゅ。シーズンMVP＝最優秀さいゆうしゅう選手せんしゅを受賞じゅしょうした2年ねん前まえと同様どうように、ホームラン数すうリーグトップでシーズン前半ぜんはんを折り返おりかえしました。

ことしは打率だりつも3割わりを超こえ、打率だりつ、ホームラン、打点だてんの「三冠王さんかんおう」も視野しやに入はいる活躍かつやくを見みせています。さらに、投手とうしゅとしても最多さいた奪だつ三振さんしんのタイトルを争あらそうなど、その勢いきおいはとどまるところを知しりません。開幕かいまくから3か月かげつ半はんの間まに見みせた大谷おおや選手せんしゅの進化しんかを振り返ふりかえります。

WBC優勝ゆうしょうからシーズンイン歩あゆみ止とめず

3月つき、WBC＝ワールド・ベースボール・クラシックで日本にっぽんを優勝ゆうしょうへと導みちびき自身じしんもMVPを受賞じゅしょうした大谷おおや選手せんしゅは、WBC決勝けっしょうからわずか9日にち後ごの開幕かいまく戦せんに投打とうだで先発せんぱつ出場しゅつじょう、2年ねん連続れんぞくの開幕かいまく投手とうしゅとして6回かいを無む失点しってん、10奪だつ三振さんしんを奪うばう力投りきとうを見みせました。

試合しあい後ご、開幕かいまく投手とうしゅを務つとめた心境しんきょうを尋たずねられるとWBCからの疲つかれも感かんじさせずにさらりとこう答こたえました。

「WBCの最後さいご、クローザーでいった時ときの方ほうが緊張きんちょうしていた。WBCのああいう舞台ぶたいで気持きもちも上あがる、出力しゅつりょくも出でるという場面ばめんをこなせたのはプラスじゃないかな」。

4月つきは今こんシーズンから始はじまった新しんルール、投球とうきゅう間かんの時間じかん制限せいげん「ピッチクロック」で、投打とうだに違反いはんを取とられた初はじめての選手せんしゅになるなど対応たいおうに手てを焼やく場面ばめんもありました。

しかし、すぐに持ち前もちまえの修正しゅうせい力りょくを発揮はっきし、投手とうしゅとしては中ちゅう5日にちのローテーションで登板とうばんをこなしました。

シーズン前半ぜんはんの投球とうきゅう回数かいすうは、これまでで最もっとも多おおかった昨さくシーズンの87イニングを大おおきく上回うわまわる100と3分ぶんの1イニングで、初はじめて100の大台おおだいを超こえました。

5月つきから6月つきにかけて、横よこに大おおきく曲まがるスライダーの「スイーパー」を狙い打ねらいうたれるケースもあり、勝利しょうり数すうや防御ぼうぎょ率りつは昨さくシーズンの成績せいせきを下回したまわったものの、奪だつ三振さんしん数すうはここまでリーグ3位いの「132」でタイトル争あらそいに食い込くいこんでいます。

シーズン後半こうはんに向むけては、ここ最近さいきん状態じょうたいが思おもわしくない右手みぎて中指なかゆびの割われた爪つめや、昨さくシーズン終盤しゅうばんも苦くるしんだマメの影響えいきょうをどれだけ最小さいしょう限げんに抑おさえ、万全ばんぜんの状態じょうたいで投球とうきゅうできる試合しあいを増ふやせるかがカギになりそうです。

打率だりつとホームランの両立りょうりつ

一方いっぽう、打者だしゃとしては6月つきに月間げっかんMVPを受賞じゅしょうするなど、ここまで自己じこ最高さいこうのシーズンを送おくっています。

昨さくシーズン、打率だりつ2割わり7分ふん3厘りん、ホームラン34本ほんだった大谷おおや選手せんしゅはシーズンを振り返ふりかえり「打率だりつ3割わり近ちかく打うてるイメージでいこうと思おもっていた。その中なかでホームランがどれくらい出でるかが1つのチャレンジだった」と話はなしていましたが、この『打率だりつとホームランの両立りょうりつ』という目標もくひょうを今いまシーズンの前半ぜんはん戦せんで見事みごとに実現じつげんしています。

打率だりつ3割わり2厘りん、ホームラン32本ほん、71打点だてんをマーク。自己じこ最速さいそくで100安打あんだにも到達とうたつし、このペースをシーズン終了しゅうりょうまで保たもてば打率だりつ3割わりとともにホームラン56本ほん、126打点だてん、183安打あんだとなり、いずれもキャリアハイ、自己じこ最高さいこうの成績せいせきを大おおきく更新こうしんする勢いきおいです。

打球だきゅう速度そくどの平均へいきんなどは去年きょねんやおととしと比くらべても大おおきな差さはありませんが、注目ちゅうもくすべきはストレートやツーシームといった速球そっきゅうに対にたいする打率だりつです。

おととしは打率だりつ2割わり7分ふん7厘りん、去年きょねんは打率だりつ3割わり2厘りんでしたが今いまシーズンは3割わり3分ふん1厘りんと大おおきく数字すうじを伸のばしています。

相手あいての投手とうしゅたちが大谷おおや選手せんしゅに投なげるボールのおよそ半数はんすうを占しめるストレートを確実かくじつに捉とらえていることが、打率だりつアップにつながっています。

さらに、今こんシーズンから大谷おおや選手せんしゅはバットのメーカーを変更へんこうし、長ながさもおよそ2.5センチ長ながくしたものを使つかっています。

一般いっぱん的てきに、バットは長ながくなると遠心えんしん力りょくが出でて飛ひ距離きょりのアップにつながりますが、その分ぶん、操作そうさは難むずかしくなります。

ことし2月つきのキャンプでバットについて、「心地ここちよくスイングできるかがいちばん大事だいじ」と語かたっていた大谷おおや選手せんしゅは、操作そうさの難むずかしくなったこの新あたらしいバットを使つかいこなし、目標もくひょうである打率だりつとホームランの両立りょうりつにつなげています。

大谷おおやにかかる期待きたい後半こうはん戦せんも

大谷おおや選手せんしゅの躍進やくしんの一方いっぽうで、チームの成績せいせきは芳かんばしくありません。

チームの大黒柱だいこくばしら、トラウト選手せんしゅをはじめことしも主力しゅりょく選手せんしゅにけが人けがにんが相次あいつぎ、6月つき17日にちに今こんシーズン最多さいたの「8」あった勝ち越かちこしは徐々じょじょに無なくなり、チームは負け越まけこし「1」でシーズン前半ぜんはんを折り返おりかえしました。

大谷おおや選手せんしゅは指名しめい打者だしゃとして先発せんぱつ出場しゅつじょうするオールスターゲームをはさみ、シーズン後半こうはん初戦しょせん、７月しちがつ14日にちのアストロズ戦せんで投打とうだに先発せんぱつ出場しゅつじょうする予定よていです。

WBCの優勝ゆうしょう後ご、エンジェルスに合流ごうりゅうした際さいに「やっぱりこのチームでも優勝ゆうしょうしたいという気持きもちになった」と語かたっていたように、チームを2002年ねん以来いらいのワールドシリーズ優勝ゆうしょうに導みちびけるか、残のこされたレギュラーシーズンはあと71試合しあいです。