混乱こんらん広ひろがるツイッター 今後こんごは？スレッズは？米べい専門せんもん家かが解説かいせつ

今月こんげつ1日にちには、ネット上じょうの不正ふせい操作そうさの急増きゅうぞうに対応たいおうするためとして閲覧えつらん回数かいすうの制限せいげんを設もうけると明あきらかにして、利用りよう者しゃの間までは混乱こんらんが生しょうじています。

ことし3月つきに世論せろん調査ちょうさ機関きかんピュー・リサーチセンターが実施じっしした調査ちょうさでは、アメリカでツイッターを使つかっている大人おとなのうち25％の人ひとが、今後こんご1年ねんにわたってアプリを使つかう予定よていは「全まったくない」「あまりない」と答こたえました。

ツイッターの経営けいえいはどうなるのか、また「スレッズ」はどのような可能かのう性せいを秘ひめているのか。アメリカ・ベントリー大学だいがくのノア・ジョンセラキューサ准じゅん教授きょうじゅに聞ききました。

A.7月つき1日にちはまず、いきなり不ふ具合ぐあいが起おき、その後そのごマスク氏しが閲覧えつらん制限せいげんをツイートで発表はっぴょうしたという流ながれだった。

マスク氏しによる買収ばいしゅう後ご、多おおくの人ひとが解雇かいこされてしまったため、技術ぎじゅつ的てきな問題もんだいに対応たいおうできる人ひとが減へり、不ふ具合ぐあいが起おきたのではないかという見方みかたが広ひろまった。

この閲覧えつらん制限せいげんが、会社かいしゃが事前じぜんに計画けいかくしていたことなのか、それとも突発とっぱつ的てきに起おきたことなのかは不明ふめいだ。

Q.マスク氏しは、閲覧えつらん制限せいげんを実施じっしした理由りゆうをデータスクレイピングと呼よばれるインターネット上じょうのデータ収集しゅうしゅうの急増きゅうぞうに対応たいおうするためだと説明せつめいしているが。

A.ChatGPTなどの生成せいせいAIの登場とうじょうが関係かんけいしているかもしれない。

チャットボットなど生成せいせいAIの機械きかい学習がくしゅうのため、インターネット上じょうのあらゆるデータが吸い上すいあげられていて、特とくにSNSのような会話かいわ調ちょうのデータは生成せいせいAIの学習がくしゅうに有益ゆうえきとされる。

マスク氏しはこのことを問題もんだい視ししている可能かのう性せいがあるが、それはデータの収集しゅうしゅうそのものへの懸念けねんなのか、それともAIを使つかったより高度こうどなサービスができあがることへの懸念けねんなのか。私わたし自身じしんは後者こうしゃではないかと感かんじている。

一方いっぽうで、マスク氏しにはサブスクリプションの加入かにゅう数すうを増ふやしたいというねらいもあるだろう。

マスク氏しは、440億おくドルという多額たがくの資金しきんを投とうじてツイッターを買収ばいしゅうした。収益しゅうえき性せいを上あげなければいけない。広ひろい意味いみで言いえば、SNSを有料ゆうりょうにしようという方向ほうこう性せいは正ただしいと言いえる。

閲覧えつらん制限せいげんでは、月額げつがく8ドルのサブスクリプション料金りょうきんを支払しはらい、認証にんしょう済ずみのアカウントであればより多おおく閲覧えつらんできる。

有料ゆうりょうサービスに加入かにゅうすればより多おおくの閲覧えつらんが可能かのうだと示しめすことで、未み加入かにゅうのユーザーに有料ゆうりょうサービスへの加入かにゅうを促うながし、収入しゅうにゅうを上あげようとしたのではないか。

A.マスク氏しはこれまでにないレベルでツイッターの収益しゅうえきを上あげようとしているが、広告こうこく収入しゅうにゅうはこれまでもツイッターの収益しゅうえきにそこまで貢献こうけんしてこなかった。

広告こうこくでは不十分ふじゅうぶんだと考かんがえ、有料ゆうりょうサービスを推し進おしすすめる戦略せんりゃくは理解りかいできるが、閲覧えつらん制限せいげんというやり方やりかたは広告こうこく主ぬしを遠とおざけてしまうことになり、賢かしこいやり方やりかたではなかった。

閲覧えつらん時間じかんを増ふやすことでより多おおくの広告こうこくを見みてもらうことができるのに、多おおくの利用りよう者しゃは制限せいげんを理由りゆうに離はなれてしまった。

閲覧えつらん制限せいげんではなく、利用りよう者しゃが加入かにゅうしたくなるような特典とくてんを設もうけるなど、別べつのやり方やりかたで有料ゆうりょうサービスへの加入かにゅうを促うながすことはできたはずだ。

A.メタはインターネットの次つぎの形かたちとされるメタバースに注力ちゅうりょくしてきたが、開発かいはつにコストがかかりすぎるなど利益りえきにはつながっていない。

そこに、ツイッターで混乱こんらんが起おき、メタのザッカーバーグCEOはこれをチャンスと捉とらえたのだろう。

すでにメタの「スレッズ」は、至上しじょう最もっとも速はやいペースで登録とうろく者しゃ数すうが拡大かくだいしているアプリとなった。

Q.「スレッズ」の特徴とくちょうは？

A.一いちからすべて築き上きずきあげる必要ひつようがないことだ。

既存きそんの写真しゃしんや動画どうがの共有きょうゆうアプリ、インスタグラムと連携れんけいさせることで、多おおくのユーザーを簡単かんたんに獲得かくとくできる仕組しくみがすでにあるわけだ。

メタにはフェイスブック、インスタグラム、ワッツアップと、さまざまな種類しゅるいのアプリがあり、そこにインスタグラムと連携れんけいしている「スレッズ」が加くわわった形かたちだ。

ほかの企業きぎょうが競争きょうそうしようとした場合ばあい、単たんにツイッターに似にたSNSと競争きょうそうするだけでなく、ほかのアプリを含ふくむ巨大きょだいなプラットフォームと戦たたかうことになる。

Q.「スレッズ」は今後こんご、どのようにして収益しゅうえき化かしていくとみられるのか。

A.具体ぐたい的てきな計画けいかくは明あきらかになっていないが、メタはこれまでもひとまずサービスを拡大かくだいする、プラットフォームを成長せいちょうさせてからどのように収益しゅうえき化かするかを考かんがえるというやり方やりかたをしてきた。

今回こんかいも同おなじだと予測よそくすると、現在げんざいの目標もくひょうは収益しゅうえき化かではなくユーザーを増ふやすことだろう。