梅毒ばいどく感染かんせん者しゃ数すう 過去かこ最多さいたペース上回うわまわる “身近みぢかな”病気びょうきに！？

Q.なぜこれほど急増きゅうぞうしているのですか？

A.愛知あいち医科いか大学だいがくの三さん鴨かも教授きょうじゅは「はっきりした原因げんいんは分わかっていない」とした上うえで、

▽性せい風俗ふうぞく産業さんぎょうで性せい感染かんせん症しょうの検査けんさが十分じゅうぶんに行おこなわれていないところが増ふえている可能かのう性せいや、

▽SNSやマッチングアプリを介かいして不ふ特定とくていの人ひとと性せい交渉こうしょうを持もつ人ひとが増ふえ、梅毒ばいどくを含ふくむ性せい感染かんせん症しょうが広ひろがっている可能かのう性せいがあると指摘してきしています。

さらに三さん鴨かも教授きょうじゅは「厚生こうせい労働ろうどう省しょうの研究けんきゅう班はんの調査ちょうさでは、今いまの調査ちょうさ方法ほうほうでは把握はあくしきれない患者かんじゃが数多かずおおくいる可能かのう性せいも示しめされた。これまで梅毒ばいどくの患者かんじゃを診察しんさつしたことがなかったというような医師いしでも、梅毒ばいどくの患者かんじゃをしばしば見みるようになったという声こえを聞きく。梅毒ばいどくを身近みぢかな病気びょうきとしてとらえるべき時代じだいになったのだと考かんがえている」と話はなしています。

A.梅毒ばいどくに感染かんせんすると、通常つうじょう、3週間しゅうかんから6週間しゅうかん程度ていどの潜伏せんぷく期間きかんを経へてから最初さいしょの症状しょうじょうが出でてきます。ただ、症状しょうじょうが出でない人ひともいるほか、症状しょうじょうが出でてもすぐに消きえてしまう人ひともいます。

A.日本にっぽん性せい感染かんせん症しょう学会がっかいのガイドラインなどによりますと、梅毒ばいどくは大おおきく3つの段階だんかいを経へて進行しんこうします。

▽「第だい1期き」:感染かんせんから1か月かげつ程度ていどたった時期じき。原因げんいんとなる細菌さいきんが入り込はいりこんだ場所ばしょを中心ちゅうしんに、3ミリから3センチほどの腫はれや潰瘍かいようができます。

この症状しょうじょうは数すう週間しゅうかんで消きえてしまうことがありますが、梅毒ばいどくが治なおったわけではありません。痛いたみやかゆみを感かんじることはほとんどないとされています。

▽「第だい2期き」:感染かんせんから1～3か月かげつ程度ていどたった時期じき。細菌さいきんが血液けつえきによって全身ぜんしんに運はこばれるため、手てや足あしをはじめ、全身ぜんしんに赤あかい発疹はっしんが現あらわれることがあります。発疹はっしんがバラの花はなに似にているとして「バラ疹」と呼よばれています。

このほか、発熱はつねつやけん怠けんたい感かんなど、さまざまな症状しょうじょうが出でることがあります。この段階だんかいでも、症状しょうじょうが自然しぜんに消きえることがありますが、梅毒ばいどくが治なおったわけではありません。

▽「第だい3期き」:感染かんせんから3年ねん程度ていどたって以降いこう。全身ぜんしんで炎症えんしょうが起おこり、骨ほねや臓器ぞうきに「ゴム腫しゅ」と呼よばれるゴムのような腫瘍しゅようができることがあるほか、治療ちりょう薬やくが普及ふきゅうしていない時代じだいは、大おおきなできものができたり、鼻はながかけたりすることがありました。

さらに進行しんこうすると、脳のうや心臓しんぞう、血管けっかんに症状しょうじょうが現あらわれ、まひが起おきたり、動脈どうみゃくりゅうの症状しょうじょうが出でたりすることがあります。梅毒ばいどくを治療ちりょうせずに放置ほうちすると、第だい3期きのような深刻しんこくな症状しょうじょうにつながるので、早期そうきに発見はっけんすることが大事だいじです。

A.梅毒ばいどくは治療ちりょう法ほうが確立かくりつしている病気びょうきです。飲のみ薬やくを一定いっていの期間きかん、飲のみ続つづける方法ほうほうが一般いっぱん的てきです。症状しょうじょうが消きえても、自己じこ判断はんだんで薬くすりを飲のむのをやめずに決きめられた期間きかん、最後さいごまで飲のみきることが大切たいせつです。

2022年ねんからは新あらたな注射ちゅうしゃ薬やくも販売はんばいされ、1回かいの注射ちゅうしゃで治療ちりょうを終おえることもできます。

三さん鴨かも教授きょうじゅは「梅毒ばいどくは治なおすことができる病気びょうきだ。早期そうきに治療ちりょうすれば『後期こうき梅毒ばいどく』まで進すすむことはないので、梅毒ばいどくの早はやい段階だんかいで治療ちりょうすることが重要じゅうようだ」と話はなしています。