アメリカ・テキサス州で行われた海外メジャー大会の第1戦は27日に最終ラウンドが行われ、昨シーズンのアメリカツアーで新人賞に輝いた23歳の西郷選手は、韓国の選手と並んで3位に1打差をつけ、首位からスタートしました。
西郷選手は出だしの1番でボギーをたたきましたが、3番・パー3でバーディー、さらに5番でボギーとしたあとの8番・パー5でもバーディーとし、粘り強くラウンドしていきました。
後半、11番・パー4ではショットが乱れて10番に続く連続ボギーをたたきましたが、トップと1打差で迎えた18番・パー5でバーディーパットを沈め、この日はスコアを2つ落としたものの、通算7アンダーで首位に並び優勝争いは5人によるプレーオフに入りました。
そして、18番で行われたプレーオフの1ホール目、西郷選手はティーショットでフェアウェイを捉えると、第3打のグリーン脇からのアプローチをピンに寄せてただ1人バーディーを取り、海外メジャー大会でのアメリカツアー初勝利を果たしました。
日本選手の海外メジャー制覇は、去年7月にフランスでの大会を古江彩佳選手が制して以来、女子では5人目です。
西郷真央「最後のバーディーパットは全身震えながら」
西郷真央選手は「今でも信じられないが本当にうれしい。プレーオフ前の18番でしっかり決めきれたことがプレーオフでの自信にもつながった。最後のバーディーパットは全身震えながらストロークしていて、今でもその感覚が残っている。本当に諦めずにやってきてよかった」と涙を見せながら話しました。
また、アメリカツアーに本格参戦した昨シーズンから優勝まであと一歩と迫りながら逃していたことを振り返り、「勝ちたい試合で勝てず、すごく悔しい思いをしたが、メジャー大会で初優勝をあげることができて本当にうれしい」と喜びをかみしめました。
このあと表彰式でトロフィーを手にしたあと、この大会で優勝者の恒例となっている池へのダイブを行い、ずぶぬれになりながら歓喜に包まれていました。
西郷真央選手は千葉県出身の23歳。
2001年度生まれで、パリオリンピック4位の山下美夢有選手などとともに「新世紀世代」と呼ばれる1人です。
父親の影響で5歳でゴルフを始め、“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司選手の指導を受けて力を伸ばしてきました。
正確なアイアンショットが持ち味で、2022年には国内ツアー開幕戦で初優勝を果たすと、このシーズン、国内ツアー5勝を挙げたほか、フランスでの海外メジャー大会でも3位に入り大きく飛躍しました。
去年からアメリカツアーに本格参戦し、アンダーパーで回ったラウンド数が全体のトップ、バーディー数が全体2位と安定感のあるゴルフを見せ、トップ10に7回、そのうち2位が2回の好成績を残し、1990年の小林浩美さん以来、日本選手2人目となる新人賞に輝きました。
今シーズンは、3月の大会で5位に入ったほか、先月のマッチプレー方式で争う大会では日本勢でただ1人決勝トーナメントに進むなど安定した力は見せていましたが、アメリカツアー初優勝には届いていませんでした。
【このほかの日本勢の結果】
▽岩井千怜選手 古江彩佳選手 山下美夢有選手:通算2オーバー 30位
▽吉田優利選手:通算3オーバー 40位
▽西村優菜選手 岩井明愛選手 渋野日向子選手:通算4オーバー 44位
▽畑岡奈紗選手:通算5オーバー 52位
▽竹田麗央選手:通算6オーバー 59位
▽勝みなみ選手:通算7オーバー 62位