Báo tiếng Nhật: 【詳しく】トランプ大統領就任100日成果を強調も反発強まる

アメリカのトランプ大統領だいとうりょうが就任しゅうにんしてから29日にちで100日にちとなります。最さい優先ゆうせん課題かだいと位置いちづけてきた不法ふほう移民いみん対策たいさくや、連邦れんぽう政府せいふ職員しょくいんの削減さくげんなど選挙せんきょ戦せんで訴うったえてきた政策せいさくを実行じっこうし、成果せいかを強調きょうちょうしていますが手法しゅほうが強引ごういんすぎるなどとして反発はんぱつも強つよまっています。

記事きじではトランプ大統領だいとうりょうの経済けいざい政策せいさくや外交がいこう政策せいさく、アメリカメディアの評価ひょうかなどもまとめています。

アメリカのトランプ大統領だいとうりょうは29日にちで2期き目めの就任しゅうにんから100日にちとなります。

これまでにおよそ140の大統領だいとうりょう令れいに署名しょめいし最さい優先ゆうせん課題かだいと位置いちづけてきた不法ふほう移民いみん対策たいさくや、政府せいふの支出ししゅつを減へらすとして連邦れんぽう政府せいふ職員しょくいんの削減さくげんや助成じょせい金きんの打ち切うちきりを進すすめるなど選挙せんきょ戦せんで訴うったえてきた政策せいさくを次々つぎつぎと実行じっこうしてきました。

トランプ政権せいけんは国境こっきょうを越こえる不法ふほう移民いみんの数かずが大幅おおはばに減へったとして国境こっきょう管理かんりの成果せいかを強調きょうちょうしているほか、実業じつぎょう家かのイーロン・マスク氏しが率ひきいるDOGE＝“政府せいふ効率こうりつ化か省しょう”はこれまでに推計すいけいで1600億おくドル＝日本にっぽん円えんでおよそ23兆ちょう円えんの予算よさんを削減さくげんしたとしています。

一方いっぽうで、不法ふほう移民いみんの国外こくがい退去たいきょや、連邦れんぽう政府せいふ職員しょくいんの解雇かいこなどをめぐっては手法しゅほうが強引ごういんすぎるなどとして反発はんぱつも強つよまっていて、各地かくちで訴訟そしょうが相次あいつぎ、一時いちじ的てきにトランプ政権せいけんの政策せいさくを差し止さしとめるとした裁判所さいばんしょの決定けっていもでています。

また、外交がいこう面めんでは、ロシアによるウクライナへの軍事ぐんじ侵攻しんこうの早期そうきの終結しゅうけつに意欲いよくを示しめしてきましたが、具体ぐたい的てきな成果せいかは示しめせず、イスラエルとイスラム組織そしきハマスの衝突しょうとつをめぐっても停戦ていせん合意ごうい後ごに戦闘せんとうが再開さいかいしていて、解決かいけつの糸口いとぐちは見みいだせていません。

支持しじ率りつ次第しだいに下さがる傾向けいこうが続つづく

アメリカの政治せいじ情報じょうほうサイト「リアル・クリア・ポリティクス」によりますと、各種かくしゅ世論せろん調査ちょうさの平均へいきん値ちで、トランプ大統領だいとうりょうの支持しじ率りつは、この100日間にちかん、次第しだいに下さがる傾向けいこうが続つづいています。

政権せいけん発足ほっそく直後ちょくごの1月つき27日にちの時点じてんでトランプ大統領だいとうりょうの政権せいけん運営うんえいを「支持しじする」と答こたえた人ひとは、50。

5％だったのに対にたいし、「支持しじしない」と答こたえた人ひとは、44。3％でした。

その後そのご、「支持しじする」と答こたえた人ひとは次第しだいに下さがっていき、先月せんげつ中旬ちゅうじゅんには「支持しじしない」と答こたえた人ひとが上回うわまわりました。

そして、今月こんげつ28日にちの時点じてんでは、「支持しじする」と答こたえた人ひとは、45。3％だったのに対にたいし、「支持しじしない」と答こたえた人ひとは、52。4％となっています。

このうち経済けいざい政策せいさくをめぐっては各種かくしゅ世論せろん調査ちょうさの平均へいきん値ちで、「支持しじする」と答こたえた人ひとは42。

1％、「支持しじしない」と答こたえた人ひとは、55。2％となっています。

一方いっぽう、移民いみん政策せいさくをめぐっては、「支持しじする」と答こたえた人ひとは48。

2％、「支持しじしない」と答こたえた人ひとは、49。6％となっています。

ワシントン・ポストとABCテレビなどが行おこなった世論せろん調査ちょうさでは、トランプ大統領だいとうりょうの就任しゅうにん後ご100日にちの支持しじ率りつは39％で、1期き目めのトランプ政権せいけんの42％を下回したまわり、「第だい2次じ世界せかい大戦たいせん後ご、最もっとも低ひくい」としています。

トランプ大統領だいとうりょうは28日にち、世論せろん調査ちょうさについてSNSに「この国くにに自由じゆうで公正こうせいな報道ほうどう機関きかんはない。世論せろん調査ちょうさにおいて、悪わるい記事きじを書かき不正ふせいをする報道ほうどう機関きかんがある。悲かなしい」と投稿とうこうしています。

アメリカメディアの評価ひょうか

トランプ政権せいけんの発足ほっそくから100日にちとなるのにあわせてアメリカのメディアはトランプ大統領だいとうりょうが公約こうやくをどの程度ていど、実現じつげんしたのかなどについてさまざまな評価ひょうかをしています。

《ワシントン・ポスト》

ワシントン・ポストは大統領だいとうりょう選挙せんきょでトランプ氏しが掲かかげた31の主おもな公約こうやくについて、達成たっせい状況じょうきょうを4つに分類ぶんるいして評価ひょうかしています。

それによりますと31の公約こうやくについて、今月こんげつ28日にちの時点じてんでは、

▽「達成たっせい」は4、

▽「障害しょうがいに直面ちょくめん」は6、

▽「実行じっこう中ちゅう」は13、

▽「実行じっこうしていない」は8としています。

【達成たっせい】

このうち「達成たっせい」としているのは

▽ほかの国くにからの輸入ゆにゅう品ひんへの関税かんぜい措置そち、

▽地球ちきゅう温暖おんだん化か対策たいさくの国際こくさい的てきな枠組わくぐみ「パリ協定きょうてい」からの離脱りだつ、

▽政敵せいてきへの報復ほうふく、それに▽2021年ねん1月つきの議会ぎかい乱入らんにゅう事件じけんで起訴きそされた被告ひこくへの恩赦おんしゃ、の4つです。

【障害しょうがいに直面ちょくめん】

また、▽不法ふほう移民いみん対策たいさくとしてアメリカで生うまれた子こどもには両親りょうしんの国籍こくせきにかかわらずアメリカ国籍こくせきを与あたえる現在げんざいの仕組しくみを終おわらせるとした公約こうやくについては、反対はんたいする州しゅうや人権じんけん団体だんたいから訴訟そしょうが相次あいつぎ、「障害しょうがいに直面ちょくめんしている」としています。

▽「教育きょういく省しょうの廃止はいし」についても議会ぎかいの承認しょうにんが必要ひつようで、訴訟そしょうも起おきているとして、「障害しょうがいに直面ちょくめんしている」に分類ぶんるいしています。

【実行じっこう中ちゅう】

一方いっぽう、▽不法ふほう移民いみんの大だい規模きぼな強制きょうせい送還そうかんや

▽石油せきゆや天然てんねんガスの生産せいさん拡大かくだい、

▽ウクライナや中東ちゅうとうでの戦争せんそうの終結しゅうけつなど、13の公約こうやくについては「実行じっこう中ちゅう」としています。

【実行じっこうしていない】

そのほか、▽インフレを終おわらせることや

▽減税げんぜい、

▽メキシコの麻薬まやくカルテルへの空爆くうばくなど、8つの公約こうやくについては、「実行じっこうしていない」としています。

《FOXニュース》

FOXニュースは100日にちとなるのを前まえに今月こんげつ23日にち、世論せろん調査ちょうさの結果けっかをもとに「有権者ゆうけんしゃは国境こっきょう警備けいびについては満足まんぞくしているが、インフレ対策たいさくを含ふくむほとんどの課題かだいについては不満ふまんを抱だいている」と報ほうじています。

今月こんげつ18日にちから21日にちにかけてFOXニュースが行おこなった調査ちょうさでは、「最初さいしょの100日間にちかんで今後こんごの4年間ねんかんに希望きぼうを抱だいているか、それとも抱だけないでいるか」と尋たずねたところ、「希望きぼうを抱だいている」が38％。

「抱だけないでいる」が51％でした。

8年ねん前まえの、トランプ政権せいけん1期き目めの同おなじ時期じきに行いった調査ちょうさと比くらべて、2期き目めでは「希望きぼうを抱だいている」が7ポイント低ひくくなりました。

FOXニュースはトランプ大統領だいとうりょう自身じしんや政権せいけんの高官こうかんがたびたび出演しゅつえんし、政権せいけんに近ちかい報道ほうどう姿勢しせいだと言いわれますが、トランプ大統領だいとうりょうは今月こんげつ24日にち、SNSに「私わたしとアメリカを再ふたたび偉大いだいにするMAGAについて長年ながねん、誤解ごかいを生うんできた」と投稿とうこうし、今回こんかいのFOXニュースの世論せろん調査ちょうさに不満ふまんをあらわにしました。

《新興しんこうメディア》

トランプ大統領だいとうりょうとメディアをめぐっては、2期き目めの政権せいけん発足ほっそく後ご、新聞しんぶんやテレビなど伝統でんとう的てきなメディアに対にたいして厳きびしい姿勢しせいを見みせる一方いっぽう、インターネットで情報じょうほう発信はっしんする新興しんこうメディアとの距離きょりを縮ちぢめる傾向けいこうが見みられます。

ホワイトハウスで存在そんざい感かんを見みせている新興しんこうメディアにはトランプ大統領だいとうりょうを擁護ようごする姿勢しせいのメディアが多おおく、このうちSNSやポッドキャストなどで情報じょうほうを発信はっしんしている「デイリー・シグナル」はトランプ大統領だいとうりょうのウクライナでの停戦ていせんに向むけた取り組とりくみや不法ふほう移民いみん対策たいさくなどをたたえています。

そのうえでトランプ大統領だいとうりょうはレーガン元もと大統領だいとうりょうをはじめ歴代れきだいの共和党きょうわとうの政治せいじ家かが考かんがえつかなかったような「根本こんぽん的てきな見直みなおしを多おおく行いっている」と伝つたえています。

アメリカの株価かぶかや通貨つうかのドルなど下落げらく傾向けいこう

トランプ大統領だいとうりょうの就任しゅうにん後ご、金融きんゆう市場しじょうでは関税かんぜい政策せいさくが世界せかい経済けいざいに与あたえる悪影響あくえいきょうへの懸念けねんからアメリカの株価かぶかや通貨つうかのドルなどが下落げらく傾向けいこうとなりました。

ニューヨーク株式かぶしき市場しじょうでは、去年きょねん11月つきの大統領だいとうりょう選挙せんきょでトランプ氏しが勝利しょうりすると減税げんぜい策さくや規制きせい緩和かんわへの期待きたい感かんから株価かぶかが大おおきく上昇じょうしょうしました。

しかし、就任しゅうにんしてからは次第しだいに下落げらくする場面ばめんが目立めだつようになり、ダウ平均へいきん株価かぶかは今月こんげつ25日にちまでの間まにおよそ3300ドル、率りつにして7％あまりの下落げらくとなりました。トランプ政権せいけんによる関税かんぜい政策せいさくや中国ちゅうごくとの貿易ぼうえき摩擦まさつが世界せかい経済けいざいに悪あく影響えいきょうを与あたえるのではないかといった見方みかたが広ひろがっているためです。

また、ユーロや円えんに対にたいするドルの価値かちを表あらわす「ドル指数しすう」は今月こんげつ25日にちまでにおよそ9％下落げらくし、アメリカのメディア、「ブルームバーグ」は、政権せいけん発足ほっそくから100日間にちかんの下落げらく率りつでは少すくなくともニクソン政権せいけんの2期き目め以降いこうで最大さいだいになる見通みとおしだと伝つたえています。

さらに、債券さいけん市場しじょうでは「相互そうご関税かんぜい」への懸念けねんから一時いちじ、アメリカ国債こくさいを売うる動うごきが広ひろがりました。

国債こくさいが売うられて価格かかくが下さがると長期ちょうき金利きんりは上昇じょうしょうする関係かんけいにありますが、今月こんげつ9日にち未明みめいには10年ねんものの国債こくさいの利回りまわりが一時いちじ、4。5％を超こえるなど不安定ふあんていな値動ねうごきとなりました。

金融きんゆう市場しじょうでは政策せいさく運営うんえいの不透明ふとうめいさなどを背景はいけいに株式かぶしき、通貨つうか、債券さいけんがそろって売うられる「トリプル安やす」となる局面きょくめんもあるなど、投資とうし家かの間までアメリカの資産しさんから資金しきんを逃避とうひさせる動うごきも見みられています。

大統領だいとうりょう令れいの数かずは約やく140に USAIDめぐる見直みなおしも

トランプ大統領だいとうりょうは大統領だいとうりょうに就任しゅうにんして以降いこう、去年きょねんの大統領だいとうりょう選挙せんきょで訴うったえてきた政策せいさくを次々つぎつぎと実行じっこうに移うつしました。

これまでに署名しょめいした大統領だいとうりょう令れいの数かずは合あわせておよそ140に上のぼります。

これはバイデン前ぜん大統領だいとうりょうが就任しゅうにん以降いこうの100日間にちかんに署名しょめいした大統領だいとうりょう令れいの3倍ばい以上いじょう、また、トランプ大統領だいとうりょうの1期き目めの最初さいしょの100日間にちかんと比くらべても4倍ばい以上いじょうにあたります。

国内こくないの政策せいさくでは、最さい優先ゆうせん課題かだいと位置いちづけ、直ただちに実行じっこうするとしてきた不法ふほう移民いみん対策たいさくを推し進おしすすめました。

ホワイトハウスは政権せいけん発足ほっそく以降いこう、国境こっきょう沿ぞいの壁かべの建設けんせつを再開さいかいしたほか、これまでに「10万まん人にん以上いじょうの不法ふほう移民いみんを国外こくがい追放ついほうした」としています。

ホワイトハウスは、移民いみん関税かんぜい執行しっこう局きょくが先月せんげつ、確認かくにんしたアメリカに不法ふほうに入国にゅうこくした人ひとの数かずは7181人にんで、バイデン前ぜん政権せいけん下かの前まえの年としの同おなじ時期じきと比くらべて95％減少げんしょうしたとしています。

一方いっぽう、トランプ政権せいけんがギャングのメンバーだとして中ちゅう米べいのエルサルバドルに強制きょうせい送還そうかんしたメリーランド州しゅうの男性だんせいについて、連邦れんぽう最高さいこう裁判所さいばんしょは今月こんげつ、誤あやまって強制きょうせい送還そうかんされたとして、アメリカへの帰還きかんを支援しえんするよう求もとめる決定けっていを出だしました。

ホワイトハウスは「男性だんせいはギャングのメンバーでテロリストだ」として強制きょうせい送還そうかんの措置そちは正当せいとうだったと強調きょうちょうしていますが、野党やとう・民主党みんしゅとうなどからは批判ひはんが出でています。

また、トランプ政権せいけんは政府せいふの支出ししゅつ削減さくげんに向むけてDOGE＝“政府せいふ効率こうりつ化か省しょう”を設置せっちし、連邦れんぽう政府せいふ職員しょくいんの削減さくげんや助成じょせい金きんの打ち切うちきりなどを進すすめています。

このうち、アメリカの対外たいがい援助えんじょを行おこなうUSAID＝アメリカ国際こくさい開発かいはつ庁ちょうをめぐっては職員しょくいんの解雇かいこや事業じぎょうの見直みなおしが行おこなわれ、ルビオ国務こくむ長官ちょうかんは、先月せんげつ10日にち、83％の事業じぎょうを打ち切うちきるとともに残のこる2割わり近ちかい事業じぎょうは国務省こくむしょうのもとで運営うんえいする考かんがえを示しめしました。

“政府せいふ効率こうりつ化か省しょう”は、これまでに連邦れんぽう政府せいふ職員しょくいんの削減さくげんや助成じょせい金きんの打ち切うちきり、資産しさんの売却ばいきゃくなどによって、推計すいけいで1600億おくドル、日本にっぽん円えんにしておよそ23兆ちょう円えんの予算よさんを削減さくげんしたとしています。

一方いっぽう、支出ししゅつ削減さくげんに向むけた取り組とりくみに対にたいしては、手法しゅほうが強引ごういんで、急きゅうすぎるなどとして反発はんぱつも強つよまっていて、“政府せいふ効率こうりつ化か省しょう”を率ひきいる実業じつぎょう家かのイーロン・マスク氏しがCEOを務つとめるEV＝電気でんき自動車じどうしゃメーカー、テスラの不買ふばい運動うんどうに発展はってんしています。

【経済けいざい政策せいさく】様々さまざまな関税かんぜい措置そちを発動はつどう

トランプ政権せいけんの2期き目めで初はじめてとなる関税かんぜい措置そちを発動はつどうしたのは2月つき4日にち、中国ちゅうごくに対にたいする追加ついか関税かんぜいでした。

フェンタニルなどの薬物やくぶつの流入りゅうにゅうが続つづいていることが理由りゆうで、当初とうしょの関税かんぜい率りつは10％でしたが、中国ちゅうごくが対抗たいこう措置そちを講こうじたことで追加ついか関税かんぜいの応酬おうしゅうとなり、現在げんざいは「相互そうご関税かんぜい」も上乗うわのせしてあわせて145％の追加ついか関税かんぜいを課かしています。

貿易ぼうえき摩擦まさつを緩和かんわするため、関税かんぜい率りつの大幅おおはばな引き下ひきさげを検討けんとうしていると一部いちぶで伝つたえられていますが、トランプ大統領だいとうりょうは、中国ちゅうごく側がわが具体ぐたい的てきな対応たいおうを取とらないかぎり引き下ひきさげないという考かんがえを示しめしています。

一方いっぽう、隣国りんごくのカナダとメキシコには薬物やくぶつや不法ふほう移民いみんの流入りゅうにゅうが後ごを絶たたないなどとして、中国ちゅうごくと同おなじ2月つき4日にちに25％の関税かんぜいを課かすと発表はっぴょうしましたが、両国りょうこくとの間まで措置そちを1か月かげつ停止ていしすることで合意ごうい。

その後そのご、先月せんげつ4日にちに措置そちを発動はつどうしましたが、3か国かこくの貿易ぼうえき協定きょうていに含ふくまれる品目ひんもくについては、当面とうめん、除外じょがいする措置そちをとっています。

貿易ぼうえき協定きょうていとの整合せいごう性せいに加くわえて、経済けいざい的てき結むすびつきが強つよい両国りょうこくの一部いちぶの品目ひんもくを除外じょがいすることでアメリカ国内こくないへの影響えいきょうを抑おさえたいねらいがあるという見方みかたも出でています。

こうした国くに別べつの関税かんぜいに加くわえ、品目ひんもく別べつでは、▽先月せんげつ中旬ちゅうじゅんに鉄鋼てっこう製品せいひんやアルミニウム、▽今月こんげつ上旬じょうじゅんに自動車じどうしゃへの関税かんぜいが、それぞれ発動はつどうされ、25％の関税かんぜいがかかっています。

また、特定とくていの自動車じどうしゃ部品ぶひんについても来月らいげつ3日にちまでに25％の関税かんぜいを発動はつどうするとしています。

トランプ大統領だいとうりょうは、部品ぶひんの生産せいさんをアメリカ国内こくないに移うつす自動車じどうしゃメーカーに支援しえん策さくを検討けんとうしていることを明あきらかにしていますが、多おおくの部品ぶひんを海外かいがいから調達ちょうたつするメーカーへの影響えいきょうは大おおきいという懸念けねんが強つよまっています。

さらに、今月こんげつ上旬じょうじゅんに発表はっぴょうされた相互そうご関税かんぜいなどの措置そちは世界せかいを大おおきく揺ゆるがしました。

▽全ぜん世界せかいを対象たいしょうに一律いちりつで10％の関税かんぜいを課かす措置そちは今月こんげつ5日にちに、▽貿易ぼうえき赤字あかじが大おおきい国くにや地域ちいきを対象たいしょうにした「相互そうご関税かんぜい」は今月こんげつ9日にちにそれぞれ発動はつどう。

日本にっぽんへの相互そうご関税かんぜいは24％に引き上ひきあげるとしました。

しかし、相互そうご関税かんぜいについては発動はつどうした日ひのうちに、中国ちゅうごくをのぞき、ことし7月つき9日にちまで90日間にちかん、措置そちを停止ていしすると発表はっぴょう。

アメリカ経済けいざいの先行さきゆきへの懸念けねんから金融きんゆう市場しじょうで株かぶ安やす、債券さいけん安やす、ドル安やすのトリプル安やすといわれる事態じたいを招まねき方針ほうしん変更へんこうを迫せまられた形かたちとなりました。

現在げんざいは、日本にっぽんを含ふくめた各国かっこくとの交渉こうしょうが進すすめられています。

トランプ政権せいけんの関税かんぜい政策せいさくや中国ちゅうごくとの貿易ぼうえき摩擦まさつは、世界せかい経済けいざいに打撃だげきを与あたえるだけでなく、アメリカ国内こくないにも影響えいきょうを及およぼし始はじめています。

トランプ大統領だいとうりょうも、貿易ぼうえき赤字あかじの削減さくげんやアメリカ国内こくないに製造せいぞう業ぎょうを回帰かいきさせる目標もくひょうに向むけては「多少たしょうの移行いこう期間きかんはある」などと述のべ、アメリカメディアは「景気けいき後退こうたいの可能かのう性せいを否定ひていしなかった」などと伝つたえました。

トランプ政権せいけんの頻繁ひんぱんに変かわる関税かんぜい措置そちをめぐって、首都しゅとワシントンでは、「唯一ゆいいつ確たしかなことは不ふ確実かくじつな状況じょうきょうが続つづくということだ」との声こえが聞きかれ、今後こんごも不透明ふとうめいな政策せいさく運営うんえいが続つづくことへの懸念けねんが広ひろがっています。

【外交がいこう政策せいさく】前ぜん政権せいけんとは異ことなる外交がいこう姿勢しせい

「アメリカ第だい一いち主義しゅぎ」を掲かかげるトランプ政権せいけんは、発足ほっそく直後ちょくごから前ぜん政権せいけんとは異ことなる外交がいこう姿勢しせいを相次あいついで打ち出うちだしています。

ただ、ロシアによるウクライナ侵攻しんこうやイスラエルとイスラム組織そしきハマスの衝突しょうとつをめぐっては、停戦ていせんに向むけた動うごきを加速かそくさせているものの、解決かいけつの糸口いとぐちを見みいだすことができておらず、具体ぐたい的てきな成果せいかは示しめせていません。

《ウクライナ情勢じょうせい》

ロシアによるウクライナへの軍事ぐんじ侵攻しんこうをめぐっては、トランプ大統領だいとうりょうは早期そうきの終結しゅうけつに意欲いよくを示しめしています。

ただ、最近さいきんでは、ロシアとウクライナのどちらか一方いっぽうが停戦ていせんの実現じつげんを困難こんなんにした場合ばあい、仲介ちゅうかいをやめる可能かのう性せいにも言及げんきゅうし始はじめています。

2月つきに行おこなわれたトランプ大統領だいとうりょうとプーチン大統領だいとうりょうの電話でんわ会談かいだんのあと、トランプ政権せいけんはサウジアラビアでロシアとウクライナ双方そうほうと実務じつむ者しゃレベルで協議きょうぎを行おこない、黒海こっかいにおける安全あんぜんな航行こうこうの確保かくほなどで合意ごういしたと発表はっぴょうされました。

ただ、ロシア側がわから合意ごういの発効はっこうにあたって制裁せいさいの一部いちぶ解除かいじょなどの条件じょうけんが提示ていじされるなど、ウクライナへの攻撃こうげきは続つづいています。

こうしたことから、トランプ大統領だいとうりょうがプーチン大統領だいとうりょうに対にたいしていらだちを見みせる場面ばめんもみられ、ロシア側がわの対応たいおう次第しだいでは、関税かんぜいや制裁せいさいの措置そちをとる考かんがえを重かさねて示しめしています。

一方いっぽう、ウクライナのゼレンスキー大統領だいとうりょうとは、2月つきにホワイトハウスで行おこなわれた首脳しゅのう会談かいだんで、激はげしい口論こうろんに発展はってんし、関係かんけいがぎくしゃくし、その後そのごも、「ロシアは応おうじる用意よういがあるがゼレンスキー大統領だいとうりょうと合意ごういする方ほうがより難むずかしい」と発言はつげんするなど、ウクライナ側がわへの批判ひはんを強つよめています。

トランプ政権せいけんは和平わへい案あんのとりまとめを急いそいでいますが、ロシアとウクライナ双方そうほうの溝みぞは埋うまっていません。

《ヨーロッパ》

ウクライナ情勢じょうせいをめぐって、アメリカとヨーロッパ各国かっこくと立場たちばの違ちがいがみられます。

トランプ大統領だいとうりょうは、ヨーロッパ各国かっこくがより役割やくわりを果はたすべきだという考かんがえを示しめしていて、NATO＝北大ほくだい西洋せいよう条約じょうやく機構きこうの加盟かめい国こくに対にたいし、GDPに占しめる国防こくぼう費ひの割合わりあいを目標もくひょうとしてきた2％ではなく、5％に引き上ひきあげるべきだと主張しゅちょうしています。

また、デンマークの自治領じちりょうグリーンランドに対にたいし、トランプ政権せいけんは安全あんぜん保障ほしょうを理由りゆうに取得しゅとくを目指めざすと発言はつげんしていて、ヨーロッパ側がわからは批判ひはんや懸念けねんの声こえが上あがっています。

《ガザ情勢じょうせい》

トランプ大統領だいとうりょうは就任しゅうにん後ご、イスラエルのネタニヤフ首相しゅしょうとホワイトハウスで2回かい会談かいだんしていて、1期き目めに続つづいて、イスラエル寄よりの姿勢しせいを鮮明せんめいにしています。

パレスチナのガザ地区ちくをアメリカが長期ちょうき的てきに所有しょゆうし再建さいけんするとした上うえで、地区ちくの住民じゅうみんを別べつの場所ばしょに移住いじゅうさせると発言はつげんした際さいには、中東ちゅうとう諸国しょこくだけでなく世界せかい各国かっこくから反発はんぱつや懸念けねんの声こえが上あがりました。

イスラエルとハマスの停戦ていせんをめぐっては、一部いちぶの人質ひとじちが新あらたに解放かいほうされ、トランプ大統領だいとうりょうは協議きょうぎの進展しんてんを強調きょうちょうしていますが、ガザ地区ちくの停戦ていせん合意ごういをめぐっては6週間しゅうかんの停戦ていせんのあと、延長えんちょうに向むけた協議きょうぎが行き詰いきづまり、イスラエルのガザ地区ちくへの攻撃こうげきが再開さいかいされています。

《イラン》

イランの核かく開発かいはつをめぐり、トランプ政権せいけんはイランと協議きょうぎを始はじめています。

トランプ大統領だいとうりょうはイランの核兵器かくへいきの保有ほゆうを認みとめておらず、「非常ひじょうに厳きびしい措置そちをとる必要ひつようが生しょうじればそうする」と述のべ、イランがアメリカの求もとめに応おうじなければ、軍事ぐんじ行動こうどうも辞じさない構かまえを示しめし、けん制けんせいしています。

《中国ちゅうごく》

政権せいけんの外交がいこうや安全あんぜん保障ほしょうを担になう要職ようしょくに対たい中ちゅう強硬きょうこう派はとされる人材じんざいを起用きようし、政権せいけん発足ほっそく当初とうしょから厳きびしい姿勢しせいを示しめしています。

また、トランプ政権せいけんの関税かんぜい措置そちを受うけ、米べい中ちゅうの貿易ぼうえき摩擦まさつが激はげしくなっています。トランプ大統領だいとうりょうは中国ちゅうごくの習近平ちから国家こっか主席しゅせきとの間までやりとりがあったとしていますが時期じきなど具体ぐたい的てきなことは明あきらかになっていません。

《日本にっぽん》

トランプ大統領だいとうりょうは2月つきに首都しゅとワシントンで石破いしば総理そうり大臣だいじんと初はじめて会談かいだんし、日にち米べい同盟どうめいをインド太平洋たいへいよう地域ちいきの平和へいわと安全あんぜんの礎いしずえと位置いちづけ、同盟どうめいの抑止よくし力りょくと対処たいしょ力りょくを強化きょうかすることで一致いっちしました。

また、就任しゅうにん直後ちょくごには日にち米べい豪ごう印しるし4か国かこくのクアッドの外相がいしょう会合かいごうを開ひらき、「自由じゆうで開ひらかれたインド太平洋たいへいよう」の実現じつげんに向むけた協力きょうりょくの強化きょうかを確認かくにんしています。

一方いっぽう、トランプ大統領だいとうりょうは日にち米べい安全あんぜん保障ほしょう条約じょうやくについて「私わたしたちは彼かれらを守まもるが、彼かれらは私わたしたちを守まもる必要ひつようはない」と述のべ、重かさねて不満ふまんをにじませています。

人権じんけん団体だんたい“人権じんけん侵害しんがいする政策せいさくや大統領だいとうりょう令れいなど100件けん確認かくにん”

国際こくさい的てきな人権じんけん団体だんたい「ヒューマン・ライツ・ウオッチ」は、トランプ大統領だいとうりょうの就任しゅうにんから100日にちまでの間まに、人権じんけんを侵害しんがいする政策せいさくや大統領だいとうりょう令れいなどを100件けん確認かくにんしたと発表はっぴょうしました。

このなかには、▽パレスチナ問題もんだいに関にかんする政治せいじ的てきな活動かつどうをした学生がくせいの拘束こうそくやビザの取り消とりけしといった言論げんろんの自由じゆうを脅おびやかすものや、▽DEIと呼よばれる多様たよう性せいなどを推進すいしんする政策せいさくを停止ていしする大統領だいとうりょう令れい、それに、▽難民なんみんの受け入うけいれプログラムを無む期限きげんに停止ていしする大統領だいとうりょう令れいなどがあげられています。

また、▽医薬品いやくひんなどの安全あんぜん性せいを審査しんさする政府せいふ機関きかんの職員しょくいんの解雇かいこは、公衆こうしゅう衛生えいせいを危険きけんにさらすほか、▽環境かんきょう規制きせいの緩和かんわは、健康けんこうに悪影響あくえいきょうを及およぼしたり温室おんしつ効果こうかガスの排出はいしゅつ量りょうの増加ぞうかにつながったりするなどとして、これらも人権じんけん侵害しんがいにあたるとしています。

「ヒューマン・ライツ・ウオッチ」のワシントン事務所じむしょの副ふく所長しょちょうを務つとめるニコール・ウィダーシャイムさんは、NHKの取材しゅざいに対にたいし「人権じんけん侵害しんがいが生活せいかつのほぼすべての分野ぶんやで起おきている。

100件けんで止とめたがもっと多おおく列挙れっきょすることもできた」としています。

そして「裁判所さいばんしょや判事はんじが停止ていしすべきだなどと判断はんだんしたことをホワイトハウスがやり続つづけている状況じょうきょうを目の当まのあたりにしている。

議会ぎかいも政府せいふを監督かんとくする役割やくわりを十分じゅうぶんに果はたしていない」と述のべ三さん権けん分立ぶんりつが機能きのうしなくなりつつあるという懸念けねんを示しめしました。

また、こうした状況じょうきょうに対にたいし抗議こうぎしようとする動うごきがある一方いっぽうで「発言はつげんをためらわせる恐怖きょうふの雰囲気ふんいきが存在そんざいする」としていて、「アメリカが民主みんしゅ主義しゅぎ国家こっかであることを示しめすためにも、言論げんろんの自由じゆうや非ひ暴力ぼうりょく的てきな抗議こうぎの権利けんりは守まもられなければならない」と強調きょうちょうしました。

専門せんもん家か「『ハネムーン期間きかん』は明あきらかに終了しゅうりょう」

アメリカ政治せいじや世論せろんの動向どうこうを研究けんきゅうしているマサチューセッツ大学だいがくアマースト校こうのタティシェ・ンテタ教授きょうじゅは「トランプ大統領だいとうりょうの支持しじ率りつは芳かんばしくない。

『ハネムーン期間きかん』は明あきらかに終了しゅうりょうしたと言いえる。現状げんじょうはトランプ大統領だいとうりょうや政権せいけんが望のぞんでいたものではないだろう」と述のべトランプ政権せいけんに対にたいする国民こくみんの支持しじは低下ていか傾向けいこうにあると指摘してきしています。

その理由りゆうについては「最もっとも否定ひてい的てきな結果けっかをもたらしたのは経済けいざい政策せいさくだ。

長年ながねんの同盟どうめい国こくに対にたいして関税かんぜい措置そちをめぐって行おこなったり来きたりして、世界せかい市場しじょうや国内こくない市場しじょうに混乱こんらんを引き起ひきおこした。トランプ大統領だいとうりょうはアメリカの経済けいざい的てき苦境くきょう、とりわけ物価ぶっか高騰こうとうへの対応たいおうを期待きたいされて選えらばれた。現状げんじょうは多おおくのアメリカ国民こくみんが求もとめていたものとは言いえない」と述のべ、関税かんぜい措置そちなどトランプ政権せいけんの経済けいざい政策せいさくに懐疑かいぎ的てきな見方みかたをする国民こくみんが多おおいと分析ぶんせきしています。

そして「トランプ大統領だいとうりょうは関税かんぜい政策せいさくで大おおきな賭かけをしている。

経済けいざいが好転こうてんし、賭かけが成功せいこうすれば状況じょうきょうが変かわる可能かのう性せいはある」と述のべ、今後こんごの経済けいざい運営うんえいが国民こくみんの支持しじを大おおきく左右さゆうすると指摘してきしています。

一方いっぽう、国民こくみんから評価ひょうかされている政策せいさくについて尋たずねたところ「アメリカ国民こくみんはトランプ大統領だいとうりょうの移民いみん政策せいさくについて一定いってい程度ていど肯定こうてい的てきな反応はんのうを示しめしている。

大だい多数たすうが、来年らいねんには法的ほうてきな手続てつづきを経へていない移民いみんが減少げんしょうすると考かんがえていて、これはトランプ大統領だいとうりょうの厳きびしい政策せいさくと関係かんけいしている」との見方みかたを示しめしました。

岩屋いわや外相がいしょう「関税かんぜい措置そちをめぐり日にち米べいの経済けいざい関係かんけいに影かげ」

岩屋いわや外務がいむ大臣だいじんは、訪問ほうもん先さきのニューヨークで記者きしゃ団だんに対にたいし「総そうじて日にち米べい関係かんけいは良好りょうこうに進すすんできた。

首脳しゅのう会談かいだんも早期そうきに実施じっしし、日にち米べい関係かんけいを高たかみに引き上ひきあげていこうということで一致いっちできている。『自由じゆうで開ひらかれたインド太平洋たいへいよう』を日にち米べいでしっかり進すすめていこうということについては、まったく揺ゆらぎがないと感かんじている」と述のべました。

一方いっぽう、「アメリカの関税かんぜい措置そちをめぐり、日にち米べいの経済けいざい関係かんけいに影かげが差さしているのは事実じじつなので早はやく日にち米べい協議きょうぎによって乗り越のりこえていかなければならない。