昔、五郎という大工がいました。五郎は、役所の仕事をしている人の家の仕事をしました。役所の人の娘のお波はきれいな人でした。五郎とお波は、お互いに好きになりました。しかし、お波の父親は「大工みたいな人が娘を好きになるなんて、何だ」と怒りました。そして、お波を家に閉じ込めました。
お波は、五郎に会うことができなくなって、とても悲しくなりました。そして、池に入って死んでしまいました。
お波の父親は「五郎のせいだ」と言いました。そして「池の近くに五重塔を1日で作りなさい。釘は1本も使ってはいけない。もしできなかったら、殺す」と言いました。
五郎が困っていると、大きなヘビが空から来て「くさびを1つ作って、五重塔の上に打ちなさい」と言いました。五郎がくさびを打つと、立派な五重塔ができました。
五重塔を見たお波の父親は、五郎が怖くなりました。そして、五重塔の前で祈っていた五郎を、後ろから切って殺しました。
そのとき、五重塔は大きなヘビに変わりました。ヘビは五郎を口に入れると、空に飛んで行きました。そして、たくさんの雨を降らせました。雨で川の水が増えて、まちに流れました。お波の父親も流されました。