わが国くにの文章ぶんしょうの書かき手てとして、想像そうぞう.想像そうぞうするという言葉ことばをもっともよく使つかったのは、おそらく柳田国男やなぎたくにおであろう。民衆みんしゅうに伝つたえられる生活せいかつの慣習かんしゅう、用具ようぐなどに残のこる手てがかりをつうじて、なつかしい古層こそうへとたどる民俗学みんぞくがくの、わが国くにでの開拓者かいたくしゃとして、柳田やなぎたにはこの言葉ことばがきわめてたいせつなものであった。柳田やなぎたは、それと空想くうそう.空想くうそうするという言葉ことばとを区別くべつしようとした。その文章ぶんしょうの執筆しっぴつの時期じきや、あつかう対象たいしょう、また語かたりかける相手あいてのちがいにつれて、柳田やなぎたの行おこななった空想くうそう.空想くうそうすると、想像そうぞう.想像そうぞうするの区別くべつには、いかにもはっきりしている際さいと、そうでない場合ばあいがある。しかし後のちの場合ばあいも、空想くうそう.空想くうそうすることをしだいに正確せいかくにしてゆけば、想像そうぞう.想像そうぞうするにいたるという、段階的だんかいてきなつながりにおいて——あい接せっし、境界きょうかいがぼやけていることはあるにしても、その上辺うわべんと下辺かべんでは、ちがいがはっきりしている、という仕方しかたで——使つかわれている。具体的ぐたいてきな根拠こんきょのない、あるいはあってもあいまいなものにたって行おこななう古層こそうへの心こころの動うごきを、空想くうそう.空想くうそうするとし、よりはっきりした根拠こんきょにたつ、しっかりした心こころの働はたらきを、想像そうぞう.想像そうぞうするとして、柳田やなぎたは使つかいわけているのである。そこで時ときには、ややとか、あきもかにとかいう限定辞げんていじをかぶせねばならぬのではあるが、空想くうそう.空想くうそうするには、人間にんげんの心こころの働はたらきとして、マイナス.消極的しょうきょくてき評価ひょうかのしるしがついており、想像そうぞう.想像そうぞうするは、プラス.積極的せっきょくてき評価ひょうかのしるしがついている。(大江健三郎おおえけんざぶろう『新あたらしい文学ぶんがくのために』による)
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