中国国内では極めて珍しい、神仏ではなく猫や犬が祀られている寺院について詳細に報じた。記事によれば、2023年に大ヒットしたアニメ『中国奇譚』に登場する「小猫廟」のモデルとなったのが、四川省綿陽市に位置する道教寺院「雲台観」内に2001年建立された「譚猫殿」であるという。現地で猫が信仰の対象となった経緯については諸説あるものの、武財神・趙公明の修行を守護した霊猫を祀っているという説や、明清時代に同省で頻発した虎害を回避するため、趙公明の乗騎である虎を猫に置き換えて信仰するようになったという説が伝えられている。いずれにせよ、猫が神仏の代わりに祀られるという点において、当地の宗教文化の多様性がうかがえる。
さらに、「譚猫殿」は『中国奇譚』の人気を契機に、現在では現地を代表する観光名所の一つとなっており、その名声を慕って多くの参拝者が訪れている。参拝者の中にはキャットフードを供え、飼い猫の健康や安寧を祈願する人が少なくないという。
続いて、犬を祀る寺院として紹介されたのが、同省都江堰市に位置する「古天狗廟」である。建立の由来については、古代の治水事業において大きな功績を挙げた「哮天犬」への感謝を表すためとする説が広く知られている。また、かつて地震で村全体が倒壊する中、廟のみが完全に崩壊したという伝説が残っており、現地では「犬神が村人全員を守るため自らを犠牲にした結果」と信じられている。
加えて、山中の「古天狗廟」を主廟とし、その麓には「小天狗廟」も建立され、両者は石段によって行き来が可能となっている。市民や観光客がドッグフードや歯磨き用ガムなどを神像の前に供えて愛犬の健康を祈願する光景や、愛犬とともに参拝する姿も頻繁に見受けられる。これらの事例は、動物への信仰が地域社会に根付いていることを示すものだと言える。