23日、米司法省は、性犯罪で起訴され勾留中に死亡した米富豪ジェフリー・エプスタイン元被告の捜査資料の一部を新たに公開した。
今回明るみに出された最新資料には、捜査当局がエプスタイン元被告の「共謀者」と見てさらに多くの人物に対して捜査、および起訴する可能性を模索していた証拠が含まれている。例えば、2019年7月に連邦捜査局の間で交わされた電子メールの中には、「10人の共謀者」といった表現が出てくる。
また、同年8月のエプスタイン死亡後、起訴があり得ると見られていた共謀者をまとめたメモに言及しているものの、実際のメモそのものは資料には含まれていない。これまでに起訴されたのは、エプスタイン被告と、元交際相手のギレーヌ・マクスウェル受刑者以外に存在しない。
捜査の過程で何度か話題に上がったのが、トランプ大統領、そしてトランプ元大統領に対してだ。マクスウェル受刑者の裁判に関連して2021年に出された召喚状は、トランプ氏が所有する「マール・ア・ラーゴ・クラブ」に対し、氏名が黒塗りされた特定の人物に関する「一切の雇用記録」の提出を求めている。その人物が一体誰であるのかは明らかではないが、エプスタイン被告の告発者の1人、故バージニア・ジュフリーさんがかつてマール・ア・ラーゴで働いていたことは、周知の事実である。
また、ニューヨーク南部地区検察の検事補が2020年に送った電子メールは、トランプ氏がエプスタインの所有する航空機に8回搭乗したと記しており、その後の信憑性は確かに有力なものとなった。
一方で、司法省が公けに「偽物」だと認めたラリー・ナサール受刑者宛ての書簡についても、今回の資料に含まれていた。その内容には、「あなたと私はあるひとつのことを共有していた。それは、若い女性たちへの愛と思いやり、そして、彼女たちが潜在能力を最大限へと発揮することへの願いだ」と記されていた。しかし司法省は、本書簡には「J・エプスタイン」の署名が書かれていたものの、「誰かがエプスタインになりすまし書いたものである」と、信憑性を疑っている。
同省が23日に発表した当初の声明は、あくまで中立的な姿勢にあるはずの行政府の一員のものとは思えないトーンだった。まるで、トランプ氏の個人弁護士であるかのように、真正面から疑念に向き合おうという姿勢に欠けていた。同省は、「仮にこの情報が確かなものなら、2020年の選挙に向けて、確実にトランプ大統領に対して武器として使われていただろう」と主張した。
先月議会が可決した法案の範囲を超える、不可解で強引な黒塗りも同省による文書扱いに対する疑わしさを際立たせている。