第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の決勝戦が17日に開催され、ベネズエラ代表は、名だたるスター選手を擁する米国代表との熾烈な接戦を制し、同大会で初の栄冠を手にした。この国際的な野球大会は、まさに決勝にふさわしい緊迫感と熱気に包まれ、幕を閉じることとなった。
ベネズエラにとってこの勝利は、長らく続く政治的混迷や経済的困難、国際社会からの孤立、さらには移民流出の増加といった数々の困難を乗り越えた末に得た、歴史的意義を持つ瞬間であった。試合会場となったマイアミでは、多くのベネズエラ系観客が詰めかけ、試合中は終始、耳をつんざくような歓声が響き渡った。米国の強力打線が反撃の兆しを見せた場面においても、その熱狂は衰えることがなかった。
試合は三回、ガルシアの犠牲フライによってベネズエラが先制し、さらに五回にはアブレイユのソロ本塁打で2点目を追加した。八回裏までこのリードを維持したものの、米国はハーパーが2点本塁打を放ち、同点に追いついた。しかし、ベネズエラは直後の九回表、ウィットロックの四球で出塁したアラエスを得点圏に進め、スアレスが左中間へ二塁打を放ち、再びリードを奪取した。
九回裏には、パレンシアがマウンドに上がり、先頭のシュワバーを三振に仕留め、続くヘンダーソンも内野フライで打ち取り、米国は後がなくなった。最後はアンソニーも三振に倒れ、ベネズエラの初優勝が決定した。
ベネズエラは、前日の準決勝でイタリアを破った直後の決勝戦であった一方、米国は1日多くの休養を取っていた。そのような状況下で、ベネズエラの先発ロドリゲスは4回1/3を投げ、4奪三振、被安打1という安定した投球を披露した。
その後も救援陣が米国打線を封じ、勝利に貢献した。
さらに、ベネズエラ代表の勝利には、祖国が混乱の渦中にあることから、単なるスポーツの枠を超えた強い感情的意味合いがあった。長期間にわたる国内対立の末、トランプ米大統領は米軍にカラカス急襲を命じ、マドゥロ大統領を拘束し、同氏はニューヨークへ移送後、麻薬取引容疑で訴追・収監された。マドゥロ政権の崩壊により、ベネズエラは政治的混迷に陥り、ロドリゲス暫定大統領が政権運営を担っているものの、米国政府は依然として強い影響力を行使し続けている。
米国在住のベネズエラ人にとって、マドゥロ氏の失脚は新たな時代の到来を象徴し、WBC決勝は混乱の続く祖国のルーツを祝う絶好の機会となった。
マイアミでの決勝戦では、米国選手に対するブーイングが響き、米国代表は自国開催でありながら事実上のアウェーで戦わざるを得なかった。
スアレスは「誰もベネズエラを信じていなかったが、本日優勝を果たした。この勝利は全てのベネズエラ国民のためのものだ」と語っている。一方、米国代表は2023年大会に続き再び決勝で敗れ、無念の結果となった。