Về Todaii Japanese
Bản quyền thuộc về công ty cổ phần công nghệ eUp
Copyright@2025
Về Todaii Japanese
Bản quyền thuộc về công ty cổ phần công nghệ eUp
Copyright@2025

認知症と診断されたあと、介護保険サービスを受けるまでに、平均で1年3か月ほどかかっているという調査結果を、厚生労働省の研究班がまとめたことが分かりました。研究班は、診断後の「空白の期間」が長くなると症状がより進行するおそれがあるとして、早期に支援に結びつける体制や情報提供が急務だと指摘しています。
厚生労働省の研究班は、ことし1月に全国の認知症疾患医療センターなどを通じて、認知症と診断された人の家族およそ130人余りに調査を行い、速報値としてまとめました。
その結果、認知症と診断されたあと、デイサービスなどの介護保険サービスを利用するまでに、平均で1年3か月ほどかかっていることがわかりました。
この期間は、前回、8年前に行った調査より、およそ2か月短縮されましたが、研究班は「大きな改善とはいえず、認知症の人がサービスにつながるまで依然として多くの月日を要している」と指摘しています。
研究班は、診断後の空白期間が生じる理由について、本人や家族がまだ支援は必要ないと感じたり、受けたい介護サービスがなかったり、あるいは医療機関などからの情報提供が少なく、どんな支援を受けられるかわからなかったりする人が多いのではないかと分析しています。
研究班のメンバーで高知県立大学の矢吹知之教授は「診断後に介護などの社会的支援につながらない期間が長くなるほど、社会から孤立し、症状がより進行したり、家族の負担が重くなったりするおそれがある。早期に支援に結びつける体制や情報提供が急務だ」と話しています。
今回の調査で厚生労働省の研究班は、ことし1月から全国の認知症疾患医療センターなどを通じて、認知症と診断された人の家族およそ130人余りに、状況を聞きました。
それによりますと、認知機能の違和感を覚えてから、認知症と診断されるまでの期間は平均で1年余り、認知症と診断されてから介護保険サービスを利用するまでの期間は平均で1年3か月余りでした。
研究班のメンバーで高知県立大学の矢吹知之教授は、認知症と診断された人の多くは要介護や要支援が認められる状態にあるものの、速やかに介護サービスにつながっていないと指摘します。
その上で、空白の期間が長引くと、認知症の症状がより早く進行するおそれがあるほか、社会的な孤立や家族の介護への負担が増大する可能性を指摘しています。
空白の期間が生じるのはなぜか。その要因の1つとして矢吹教授が指摘するのは「医療機関の対応」です。
全国におよそ500ある認知症疾患医療センターは、実施要綱の中で診断後の支援を行うとされています。
一方で、認知症を診断する医療機関の中には、診断後に薬を処方するだけで、介護保険など必要な支援情報を詳しく伝えていないケースもみられるということです。
矢吹教授は「薬の処方など『医療的なアプローチ』だけでなく、支援につなげていく『社会的なアプローチ』を、各医療機関は考えていかなければならない。一方で、人手に余裕のない病院もあるので、地域のほかの支援機関と連携していくことも大切だ」と話しています。
介護保険サービス以外にも、全国で8000か所以上ある「認知症カフェ」や、認知症の当事者が相談に応じる「ピアサポート」などに、医療機関がつなげていくことも有効な手段だとしています。
さらに矢吹教授は、認知症を正しく理解してもらうことも重要だと指摘しています。
「認知症になると何もできなくなる」という誤った考えがまだ社会に残り、診断を受けて希望を失い、支援につながろうとする意欲を持てない人もいるのではないかと指摘します。
国は去年、認知症基本計画をまとめ、認知症になっても希望を持って生きられる社会を実現するという「新しい認知症観」を掲げていて、矢吹教授は国をあげて取り組んでいく必要性を訴えています。
厚生労働省は「空白の期間を生まないためにも、認知症疾患医療センターにかぎらず、多くの医療機関で診断後の支援に力を入れてもらいたい。国としても、それをサポートしていきたい」としています。
認知症の診断後の支援に力を入れている医療機関と、そうではない医療機関とでは、認知機能の進行に大きな差が出るという調査結果もあります。
大阪府にある認知症疾患医療センターの「松本診療所」は、比較的軽度の状態で認知症と診断されたり、その疑いがあるとされたあわせて750人余りに、「MMSE」と呼ばれる認知症の重症度を調べる検査を実施しました。
検査は30点満点で、23点以下では認知症の疑いがあり、20点から11点は中等度、10点以下では重度の可能性があるとされています。
調査の結果、当事者や家族の精神面のサポートを行ったり、介護サービスや認知症カフェなど社会的な支援を詳しく紹介したりして「診断後の支援に力を入れている医療機関」に通っている人は、通院から半年後の平均点が21点、1年半後には18点でした。
一方、基本的に体調の確認と薬の処方だけを行い「診断後の支援が十分にできていない医療機関」に通っている人は、通院から半年後の平均点は20点でしたが、1年半後には6点まで下がったということです。
調査を行った「松本診療所」の松本一生院長は「診断後の支援を受けて空白期間が短かった人と、十分な支援を受けられなかった人では、1年半後に大きな差が生まれるという結果で、診断後の支援の重要性を改めて感じた」と話しています。
神奈川県に住む関根幸一さん(87)は、認知症と診断されたあと、「空白の期間」を過ごした1人です。
9年前にアルツハイマー型認知症と診断されましたが、介護保険サービスを利用したのは去年になってからでした。
息子の基弘さん(45)によりますと、幸一さんは認知症の診断を受けた翌年には要介護1と認定されましたが、「自分はまだ介護は必要ない」とデイサービスなどの利用を拒んだといいます。
当時、幸一さんは起床や食事など1人でできることが多く、同居する妻の浩子さんや息子の基弘さんら家族もこのままでいいのではと感じていました。
1~2か月ごとに病院を定期的に受診し、薬の処方などを受けていましたが、介護保険サービスにつながることはありませんでした。
診断から2年後には、何も盗まれていないのに家の柱時計やラジオなどが「盗まれた」と話すなど、認知症の症状の進行が見られるようになりました。
そして幸一さんは次第に、自宅でテレビを見る時間が増え、外出することが減っていったといいます。
当時について息子の基弘さんは「薬を飲む以外は病気に対して何もしておらず、ただ進行を待つだけの状況だった」と話しています。
基弘さんは危機感を感じ、おととし、認知症の診断後支援に力を入れていると聞いた別の病院に幸一さんを診てもらいました。
すると、担当医からデイサービスの利用を勧められました。
担当医の高橋正彦医師は、幸一さんにデイサービスの利用を勧めたことについて「一日中テレビを見ていて、昼間の活動と睡眠のリズムが崩れてしまっていた。夜間眠りにつけずはいかいするリスクもあったので、日中に活動してもらい、夜はぐっすり寝れるよう、リズムを補正しようと考えた。また、家族以外の人と交流することが、本人の心の安定や意欲を上げるために有効だと考えた」と話しています。
幸一さんは、デイサービスで体操や合唱会に参加したりしていて、息子の基弘さんによりますと、帰宅後には「楽しかった」と話すこともあると言います。
基弘さんは「空白の期間を違った形で過ごしたら、状況は変わっていたのかもしれない。自分たちも積極的に介護サービスなどの情報を収集すべきだったが、どんな支援を受けたらよいか、誰かにもっと強くアドバイスをしてもらえるとよかった」と話しています。
医療機関の中には、認知症の「空白の期間」が生じないよう、診断後の支援に力を入れるところも出てきています。
香川県三豊市にある認知症疾患医療センターの西香川病院もその1つで、認知症の「早期診断・早期希望獲得」というスローガンを掲げています。
【診断後の声かけが重要】
この病院が重視しているのは、診断後の「声かけ」です。いったいどういうことなのか。
先月、大塚智丈院長が80代の男性の診断を行った時のケースです。大塚院長が特に気になったのは、診断された男性が「認知症になるのは怖い。何もできなくなってしまうと思ってる」と話したことでした。
大塚院長は男性に対し「認知症になることは恥ずかしいことでも情けないことでもなく、なったらなったで楽しく生きていけばいい。人生100年時代で誰もが認知症になりうる。不便なことはあるが不幸ではない」などと声をかけました。
また、付き添いで来ていた男性の妻に対しては「夫ができなかった点をきつくとがめるのではなく、できたことを褒めてあげるように考え方を変えてほしい」などと伝えていました。
病院では患者の許可を得て、診察の様子をビデオカメラで撮影。その様子を医師や精神保健福祉士、それに介護士や看護師などの専門職が確認し、診断後のフォローや支援の進め方を話し合っています。
大塚院長は「物忘れなどが今後増えてくるとさらに不安が強くなるので、能力の低下にこだわらず、楽しみや、やりがいを大切にしてほしいと伝え続けたい」と話していました。
【「認知症の先輩」と語り合う場も】
さらに、この病院では、“認知症の先輩”から経験を聞く「ピアサポート」の場も院内に設けています。
認知症の当事者2人を非常勤の相談員として病院が雇用。全国的にも珍しい取り組みだといいます。
ピアサポートは週に1度開かれ、認知症の診断を受けたばかりで不安を感じている当事者や家族が訪れています。
先月、取材をした日には、4年前に認知症と診断され、西香川病院に通院している、中田つや子さん(75)が相談員を務めていました。
そこへ、ことし3月に認知症と診断された80代の男性と次女が相談に訪れます。
男性は「思うようにことばが出てこなくて、うまく返事を返せない。メガネをなくしたりすることも出てきた。認知症のお年寄りが迷子になってしまう話も聞いたりする」などと不安を打ち明けます。
すると中田さんは「私も認知症と言われた時にはドキッとして、これからどうなるんだろうと思ったが、好きな料理もできるし、家のことも全部できる。忘れることもあるけど認知症だからしょうがないと考えるようになれた」などと声をかけていました。
最初は口数が少なかった男性ですが、ピアサポートのあとには「慌てなくてもいいと思うことができた」と話していました。
実は中田さんも4年前に別の医療機関で認知症と診断されたあと、3年ほど社会的な支援を受けない「空白の期間」を過ごした1人でした。
中田さんの物忘れをめぐって夫とぶつかることも多かったといいますが、長女の薦めで西香川病院に通い、ピアサポートを受けたことで、考え方を変えられたと言います。
中田さんは「私自身、同じ症状の人と話ができて、助けられている。認知症と一緒に生きていこうと思えるようになれた」と話していました。
大塚院長は「認知症の当事者でしか分からない部分があり、私たちが一生懸命話しても『本当にそうなの?』と思われてしまうことがある。ピアサポートに参加して、涙を流して前向きになれた人もいる。われわれの診断とピアサポートの2段階でアプローチしている。認知症には『早期診断・早期絶望』ということばがあるが、私たちは『早期診断・早期希望獲得』を目指している」と話しています。