米経済誌フォーブスが発表する『リアルタイム・ビリオネア・リスト』によれば、イーロン・マスク氏の推定資産総額は2025年12月31日時点で7,263億ドル(約113兆3,000億円、1ドル=156円換算)に達し、同氏にとって2025年は、世界的な国家や大企業をも上回る資産規模を記録した画期的な一年となった。
2025年12月31日には、テスラ株が1%下落し449,72ドルで取引されたことにより、マスク氏の資産は一日で33億ドル(約5,148億円)減少したものの、同株は年初来で18%上昇し、年内の最高値は500ドル近くに達していた。2024年5月以降、マスク氏は世界で最も裕福な人物の地位を維持しており、同年にテスラの報酬パッケージが無効とされたデラウェア州判事の判決を受け、LVMHのベルナール・アルノーCEOの資産額を上回ったことがその要因となっている。
現在、世界第2位の富豪はグーグル共同創業者のラリー・ペイジ氏であり、その推定資産は2,569億ドル(約40兆1,000億円)である。さらに、オラクル会長のラリー・エリソン氏(約38兆2,000億円)、アマゾン創業者のジェフ・ベゾス氏(約37兆8,000億円)、グーグル共同創業者のセルゲイ・ブリン氏(約37兆円)がこれに続く。
国際通貨基金(IMF)の国内総生産(GDP)データと比較した場合、マスク氏の資産規模は世界第23位の経済大国に相当し、ベルギー(約111兆7,000億円)、アイルランド(約110兆4,000億円)、アルゼンチン(約106兆5,000億円)、スウェーデン(約103兆3,000億円)といった国家を上回り、台湾(約137兆9,000億円)に次ぐ水準となっている。
加えて、マスク氏の資産総額は、オラクル(約87兆4,000億円)、ジョンソン・エンド・ジョンソン(約77兆8,000億円)、LVMH(約58兆6,000億円)など世界有数の企業の時価総額をも凌駕している。2018年当時の世界暗号資産市場全体の評価額(約120兆6,000億円)にはわずかに及ばないものの、2025年時点でビットコイン(約265兆2,000億円)に次ぐ第2位の暗号資産であるイーサリアム(約55兆8,000億円)の2倍以上となっている。
2024年11月に3,000億ドル(約46兆8,000億円)を突破して以降、マスク氏の資産は2025年に急速な増加を遂げ、12月には4,000億ドル(約62兆4,000億円)、10月には5,000億ドル(約78兆円)、12月には6,000億ドル(約93兆6,000億円)に到達し、そのわずか4日後には7,000億ドル(約109兆2,000億円)を突破した。
この急激な資産増加の背景には、マスク氏が率いる宇宙開発企業スペースXの企業価値が8,000億ドル(約124兆8,000億円)に達し、株式公開買い付けを実施したことが挙げられる。この評価額は8月時点の4,000億ドルから倍増しており、これによりマスク氏の資産はおよそ1,680億ドル(約26兆2,000億円)押し上げられた。その後、デラウェア州最高裁がテスラの株式オプション(約1,390億ドル、約21兆7,000億円相当)を有効と認めたことで、資産総額は約7,500億ドル(約117兆円)まで増加した。
なお、フォーブスは2024年1月以降、これらの株式オプションの評価額を50%割り引いて算出していた。
現在、マスク氏は史上初の資産総額1兆ドル(約156兆円)到達を目指している。2025年11月には、テスラの株主によって、同社が今後10年間で複数の目標を達成した場合、約1兆ドル規模の報酬パッケージをマスク氏に付与することが承認されており、今後の動向が注目される。