JLPT N1 – Reading Exercise 17
ある記事に次のような意見が述べられていた。
「最近の社会で気になるのは、個人の責任を強調しすぎる風潮だ。何か問題が起きると、すぐに『自己責任』という言葉で片付けてしまう。確かに、自分の行動に責任を持つことは大切だ。しかし、すべてを個人の責任に帰してしまうのは、社会のつながりを弱める危険がある。
本来、人間は互いに支え合いながら生きている。困っている人を見かけたら、手を差し伸べるのが自然な姿だろう。『自己責任』を盾にして他人の苦しみに無関心でいることが、果たして健全な社会と言えるだろうか。特に、病気や事故、災害など、どうしても個人の力ではどうにもならないことも多い。そうしたときにまで『自己責任』を持ち出すのは、弱者を切り捨てる論理になりかねない。
重要なのは、個人の努力や責任を認めつつも、困難な状況にある人を支える仕組みや意識を社会全体で持つことだ。助け合いの精神があってこそ、安心して暮らせる社会が実現するのではないだろうか。」
私も「自分のことは自分で責任を持て」と教えられてきた。しかしそれは、誰もが孤立して生きるべきだという意味ではない。互いに支え合いながら、それぞれができる範囲で責任を果たす社会こそが、より豊かな人間関係を生むのだと思う。