JLPT N1 – Reading Exercise 54
ヨーロッパの多くの国々では、若者が大学進学や就職を機に親元を離れ、一人暮らしを始めることが一般的である。これは、成人したら自立するべきだという価値観が社会全体に根付いているためであり、たとえ経済的に余裕がなくても、家賃や生活費を自分で工面するのが当然とされている。そのため、学生や若手社会人は質素な生活を送り、贅沢はある程度の年齢や地位に達してから許されるものと考えられている。
一方で、アジアの一部の国々では、大学生や若い社会人が親と同居し、生活費の多くを親に頼ることが珍しくない。彼らは自分の収入を趣味やファッション、娯楽に自由に使うことができるが、このような生活は一時的なものであり、やがては結婚や家庭を持つことで新たな責任を担うことになる。経済的な自立を遅らせるこの習慣には、家族の絆を重視する文化的背景があるが、真の意味での独立とは言い難い。