JLPT N1 – Reading Exercise 126
日本の企業文化においては、意思決定の過程がしばしば独特である。表向きには会議が重ねられ、全員の意見が求められているように見えるが、実際には、会議が始まる前から結論がほぼ決まっている場合が多い。会議自体は形式的なものであり、すでに水面下で合意が形成されていることが珍しくない。徹底的な議論を通じて最も優れた意見が採用されるという、合理主義的な意思決定のあり方が、なぜ(1)日本の企業では実現しにくいのだろうか。
(2)「俺がすべてを決める」というリーダーは、日本の組織では敬遠されがちだと言われている。日本のリーダーは、強いリーダーシップで組織を率いるのではなく、多様な意見を調整する役割を担うことが多い。つまり、明確なビジョンや強い意志を持つ人物は、自分の考えに固執しすぎて、他者の意見を受け入れない傾向がある。その結果、彼に賛同できない人々が、もともと異なる立場であっても結束し、反発を強め、最終的にリーダーの座から引きずり下ろすことになる。それよりも、各人の意見を丁寧に聞き、妥協点を探り、全員が納得できる結論へと導く調整型のリーダーが評価されやすいのである。
日本の経営者が国際会議などで、明確な主張を控え、他国の意見に耳を傾ける姿勢を示すのも、(3)このような調整役を果たそうとしているからである。
形式的なもの:実質よりも手続きや外見を重視する様子