JLPT N2 – Reading Exercise 82
近年、多くの大手IT企業では、オフィスにゲームコーナーや仮眠スペースを設けるなど、従業員が自由にすごせる環境づくりが進んでいる。厳しいルールや細かい規則で社員をしばりつけて、ただひたすら働かせるというスタイルは、今では時代遅れになりつつある。なぜ「1」そのようなやり方が適切ではないと考えられるのかというと、たとえそれで社員の作業量を最大限に引き出せたとしても、精神的な働きが失われてしまうからである。
精神的な働きとは、たとえば新しい発想や工夫を生み出す力のことだ。厳しく管理された環境では、人は自分から進んでアイデアを出そうとはしなくなる。人間は、心に余裕があり、リラックスしているときにこそ、本来の能力を発揮できる。好きなことに没頭したり、気分転換をしたりしているときに、ふと良いアイデアが浮かぶことも多い。(中略)
そして、どんな業種でも、こうした創造力や工夫する力は欠かせない。たとえば、毎日同じ作業を繰り返す仕事であっても、どうすれば効率よくできるか、どうすればミスを減らせるかを考えることが大切だ。最近では、社員が自分たちで「2」そのようなことを積極的に考え、意見を出し合える仕組みを導入する企業も増えている。これによって、企業全体の生産性や競争力が高まっているのである。
このような能力を最大限に引き出すには、従業員が「ここで働くことが自分の成長や幸せにつながる」と実感できる職場環境を整えることが重要だ。
社員の満足感と会社の成果が一致すれば、自然と会社への愛着も生まれる。無理に命令しなくても、社員は自分の意志で会社のために力を発揮しようとするのである。