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蝶の雄は、雄の翅の色を目じるしにして、配偶者たる相手を探すモンシロチョウの雄の規の裏の、黄色と紫外線のまざった色――この色を指示する特定の単語をわれわれ人間はもっていない――は、モンシロチョウにとってモンシロチョウの雄にとっては、モンシロチョウの雌であることの記号である。 さて、この記号は光による記号である。 光は直進するから、目によってそれを見た雄は、それに向かって直進すれば、雌ところにゆきつける。 匂いのようにそこらじゅうに拡散するものを記号に使う場合より、よほどかんたんである。 光が直行するからには、その光の進路を、一枚の葉が返っても、もう唯の記号は見えなくなってしまう。 ということは、雌の存在を見出すことはできないということだ。 ひらひら舞いながら、すこし上から見たり、ななめから見たりすることだ。 もし蝶が蜂のようにブーンとまっすぐ飛んだとしたら、雌をみつけだすチャンスはぐっと減ってしまうにちがいない。 それと同時に、翅が雌の記号である蝶にとっては、翅は大きいほうが好ましい。 そのためかれらは、「二つ折りのラブレター」にとって、航空力学的にもひらひら飛ぶほかはなくなった。