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模倣もほうを超こえて生うまれる個性こせい――親子関係おやこかんけいに見みる創造性そうぞうせいの本質ほんしつ
模倣もほうを超こえて生うまれる個性こせい――親子関係おやこかんけいに見みる創造性そうぞうせいの本質ほんしつ

「子こは親おやの鏡かがみ」とはよく言いわれる言葉ことばである。

こどもを見みれば親おやの人となりひととなりがわかるというのは、単たんなる比喩ひゆにすぎないようでいて、実際じっさいには深ふかい心理的しんりてき真実しんじつを突ついているにほかならない。

こどもは親おやのしぐさや話はなし方かたを実じつに鋭敏えいびんに観察かんさつしており、模倣もほうせずにはいられない存在そんざいである。

三歳さんさいにもなれば、いかにも生意気なまいきに反論はんろんしたりするものだが、その際さいに「そんな言いい方かたをするもんじゃない」と叱しかれば、たちまち「あなたの言いい方かたとそっくりよ」と揶揄やゆされる羽目はめになる。

つまり、こどもは親おやの言葉ことばや態度たいどを無意識むいしきのうちに再現さいげんしているにほかならないのだ。

まさに「模倣もほうの名人めいじん」と呼よぶにふさわしい。

アイドル歌手かしゅの口調くちょうからアニメのキャラクターに至いたるまで、こどもは対象たいしょうを選えらばず、貪欲どんよくに吸収きゅうしゅうしてしまう。

しかし、ここで注目ちゅうもくすべきは、こどもたちが模倣もほうを単たんなる複写ふくしゃにとどめないという点てんである。

身体的しんたいてきにも言語的げんごてきにも未成熟みせいじゅくであるがゆえに、完全かんぜんな再現さいげんなど望のぞむべくもない。

その結果けっか、こどもはオリジナルを取捨選択しゅしゃせんたくし、誇張こちょうし、あるいは大胆だいたんに改変かいへんせざるを得えない。

だが、この「改変かいへん」こそが、こどもの創造性そうぞうせいの源泉げんせんにほかならない。

模倣もほうという行為こういのなかで、かれらは新あたらたな意味いみと表現ひょうげんを生成せいせいせずにはいられないのである。