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全国のスーパーでのコメの平均価格は今月13日までの1週間で、5キロあたりの税込みで4217円となりました。前の週より3円値上がりし、15週連続の値上がりとなりました。
なぜ備蓄米の放出後も価格の高止まりが続くのか、今後の価格はどうなるのか、専門家による見通しも交え、詳しくお伝えします。
備蓄米の販売 売れ行き好調も価格は…
鹿児島県のJAグループのスーパーでは、備蓄米の販売が今月10日から始まっていて売れ行きは好調ですが、地元産のコメとの価格差は100円から200円安い程度だということです。
鹿児島県内に70店舗余りを展開するAコープ鹿児島は、JA全農から安定的に備蓄米の供給を受けられていて、鹿児島市内の店舗では、新潟県産などの備蓄米が5キロで税込み3650円から3700円余りで販売されています。
店によりますと、地元産のコメの販売価格に比べれば安くなっていますが、その差は100円から200円程度だということです。
より多くの世帯にコメが行き渡るよう販売を1家族あたり1袋に限っていますが、売れ行きは好調で、多い日はおよそ600袋が売れたということです。完売した際はそのつどJAグループの卸売会社から仕入れているとしています。
高校生と中学生の子どもがいるという43歳の男性客は「育ち盛りなので5キロのコメはあっという間になくなります。買えるようになったのはうれしいですが、もう少しだけ安くなるとありがたいです」と話していました。
備蓄米を販売しているかどうか、全国の主な10のスーパーに取材したところ、9つのスーパーが販売していると回答しました。
取材したスーパー
▽イオン ▽イトーヨーカ堂 ▽ライフ ▽U.S.M.H. ▽オーケー ▽イズミ ▽バローホールディングス ▽フジ ▽日本生活協同組合連合会 このほか1社は社名掲載不可
このうちイオンは全国の店舗で備蓄米を販売しているということですが、通常のコメより割安なことから需要が高く、地域や店舗によっては品薄なところもあるということです。
また日本生活協同組合連合会では、関東と関西にあるあわせて10の生協が展開するおよそ260店舗で販売しているということです。特定のエリアに偏らないよう供給を進めていて、価格は地域によって異なるものの、税込みで4000円を下回る価格で販売しているということです。
中国や四国地方などでおよそ480店舗を展開するフジでは、4つのブランドのスーパーで今月中旬から調達数に限りがあるものの、店舗への納品が始まっているということです。
一方、関東と関西で展開するライフでも備蓄米の販売を行っていますが、初回の入荷ではおよそ3日分の販売量しか確保できなかったということです。
各社のなかには1家族1袋などと購入に制限を設けているところもあり、備蓄米の1回目の落札から1か月以上たった今も、売り場には十分な量のコメが届いていないことがうかがえます。
備蓄米の最初の入札が行われてからすでに1か月以上たつにもかかわらず、なぜ行き渡らないのか。
先月、入札が行われた備蓄米は、まだ多くが流通の過程にあって、店頭に並ぶまで時間がかかっているという見方があります。
江藤農林水産大臣は、今月8日の記者会見で、備蓄米がスーパーなどの店頭に本格的に並ぶのは今月10日ごろになるという見通しを示した一方、翌週15日の会見では、中小のスーパーなどから「店頭に並ぶのは、早くても4月末から5月になる」といった声が出ていることも明らかにしています。
農林水産省によりますと、1回目の入札で落札された14万トンあまりのうち、先月30日までにJAグループなどの集荷業者が倉庫から引き取った量は4071トン、そのうち卸売業者まで引き渡されたのは、2761トンでした。さらに卸売業者から小売業者に渡ったのは426トン、外食業者などに渡ったのは35トンで、消費の現場に届いた量は、あわせても全体の0.3%にとどまりました。
これについて農林水産省は「通常のコメに加えて、備蓄米も流通することになるため、トラックの手配や精米の作業の調整などにはどうしても一定の時間がかかる」としています。
備蓄米が行き渡らない背景として、流通の経路の問題を指摘する声もあります。
これまでの2回の入札で、いずれも9割以上を落札したJA全農=全国農業協同組合連合会は、落札した備蓄米について、取り引きの実績がある卸売業者に販売する方針を明らかにしています。
一方で、農林水産省は、これまでの入札では、備蓄米が転売されて価格がつり上がることを防ごうと、備蓄米を仕入れた卸売業者が別の卸売業者に販売することは認めていませんでした。
こうした結果、JAグループと直接、取り引きの実績がない中小の卸売業者は備蓄米を入手できず、そこからコメを仕入れている中小のスーパーなどにも備蓄米が行き渡りにくいと指摘されているのです。
1回目の備蓄米の入札で地元のJAが全国で2番目に多い2240トンを落札した福井県では、備蓄米が店舗に安定的に入荷し、ほかの銘柄に比べて安いことから人気を集めています。
鯖江市のスーパーでは、今月9日からJA福井県が落札した備蓄米の「ハナエチゼン」の販売が始まり、価格は税込みで5キロ3240円と、ほかの福井県産の銘柄と比べて700円から1300円ほど安くなっています。
このスーパーでは、週に1回のペースで備蓄米が入荷していて、最初に入荷した15袋はわずか2日で完売、今月15日に再び入荷した18袋も3日で完売したということです。
大阪から観光目的で訪れたついでにコメ売り場を見に来たという客は「自分の地元では備蓄米は見かけません。税抜きで3000円は安いし、買いやすい価格だと思うのでうらやましいです」と話していました。
「ハーツ神中」の石川卓也店長は「ほかの銘柄に比べ、これほどのはやさでなくなるのは異例です。備蓄米は今後も入ってくる予定なので、多くのみなさまに手にとってもらえるよう努力していきたい」と話していました。
一方、JA全農との取り引きの実績が少なく、備蓄米が回ってきにくいという声も、コメの卸売会社からは上がっています。
福岡県広川町にあるコメ卸売会社「カネガエ」は、九州各地の農協や生産者から年間およそ1万2000トンの玄米を仕入れ、精米した上でスーパーなどに販売しています。
この会社で米穀部門長を務める森島一紗さんは、例年に比べてコメの在庫は3割少ないと言います。
玄米を保管する倉庫に案内してもらうと、棚には空きスペースが見られ、森島さんは「毎日何十トンと精米するので、コメが1列ずつなくなっていくイメージです。結構不安です」と話していました。
この会社は、原則1年以内の買い戻し条件などがネックだとして政府による備蓄米の入札には参加していませんが、在庫が不足する中、何らかの手段で備蓄米を調達したいと考えています。
ただ、2回の入札でいずれも9割以上を落札したJA全農との取り引きの実績が少ないことから、備蓄米が回ってきにくいと言います。
森島さんは「全農さんからの備蓄米の振り分けについて同業者に問い合わせるなどしていますが、きちんと見えないのが正直なところです。どういった仕組みでモノが動いているのかもあまり分かっていません。備蓄米、欲しいですね」と話していました。
農林水産省は、JAグループと直接取り引きの実績がない中小の卸売業者などに備蓄米が行き渡りにくいという指摘を受けて、今月23日から行う3回目の入札では、備蓄米の流通の偏りを是正しようと、卸売業者どうしの売買を認めることにしています。
コメの流通に詳しい流通経済研究所の折笠俊輔主席研究員に、備蓄米が行き渡らない背景や今後のコメ価格の見通しを聞きました。
備蓄米が行き渡らない理由については、店頭に並ぶまでに時間がかかっていることに加え、そもそもの放出量が少ないことを挙げ「4000万世帯の人が、5キロの袋を1つずつ買ったら、それで20万トンになる。さらにすべての量が小売り向けになるわけではないことを考えると、なかなか備蓄米を目にしない地域が出てきたり、品ぞろえができないスーパーが出てきたりすることは十分にあり得る」と指摘しています。
そのうえで「消費者や業界に安心感を与えるためにできるだけ備蓄米が行き渡るような対策が重要になってくる。卸売業者どうしで売買できるようになることで、備蓄米を落札した集荷業者と取り引きがない業者にも回っていくことは1つの方策だと思う。あとは例えば、備蓄米の放出枠の中に小規模事業者の枠を設けて、町のお米屋さんが買えるとなると身近なお店に備蓄米の商品が並びそれが消費者の安心感につながるので、できるだけ身近なところで目にする機会を増やしていけるかが重要だろう」と話しています。
コメ価格の見通しについては、今月18日に農林水産省が発表した業者間のコメの取引価格が前の月に比べて下がったことを受けて「備蓄米の放出によって、一定程度の安心感が生まれたことを表している。いま以上の価格高騰がこれからも続くことはなく、上昇は収まるのではないか。今後は5キロで税抜き3500円前後までは落ち着いてくる余地があると思う」と話しています。
今後の備蓄米の放出については「100万トンある備蓄米を全部出すと、5年前のコメも入ってきてしまうので少し現実的ではないと思う。3年前までの60万トンが、おそらく見込める限度ではないか。夏までの間に刻みながら出していって、その結果、どれだけ皆さんが安心感を持たれるのか、政府も探り探りやっていく感じではないか」と話しています。
今