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1日3000~7500歩の歩行がアルツハイマー病の進行抑制に寄与する可能性――米国における長期観察研究の成果 1日3000~7500歩の歩行がアルツハイマー病の進行抑制に寄与する可能性――米国における長期観察研究の成果 アルツハイマー病の初期症状を有する高齢者において、日々の歩行数を増やすことが、病気の進行を遅延させる一助となり得るとの研究結果が、米国の研究チームによって発表された。 アルツハイマー病の発症・進行には、ベータアミロイドおよびタウタンパク質の脳内蓄積が深く関与していることが知られている。 特に、アミロイドは30代頃から神経細胞間に沈着し始め、脳内の情報伝達機能に悪影響を及ぼすとされているが、その蓄積が進むにつれて異常なタウタンパク質の広範な沈着が引き起こされ、最終的には神経細胞の死滅へと至る。 今回の研究論文は、2024年6月3日付で医学誌『ネイチャー・メディシン』に掲載された。 筆頭著者である米マサチューセッツ総合病院の神経科医ワイイン・ウェンディ・ヤウ氏は、「身体活動はタウタンパク質(記憶障害と最も密接に関連する)の蓄積を遅らせることで、アルツハイマー病初期患者の認知機能低下を抑制する可能性がある」と述べている。 ヤウ氏らの調査によれば、1日に3000~5000歩の歩行を行った高齢者では、認知機能の低下が平均して約3年遅延し、さらに5000~7500歩歩いた場合には約7年の遅延が認められたという。 この研究に関して、フロリダ州神経変性疾患研究所のリチャード・アイザクソン氏は、歩数の増加が参考になる一方で、「単に歩数だけに依存したアルツハイマー病予防策は安易すぎる」と指摘し、「5000歩や7000歩といった明確な数値に過度に依拠することには注意が必要である」と警鐘を鳴らす。 同氏は遺伝的リスクを有する人々の認知機能改善についても研究を重ねている。 「体脂肪が過剰な人や、糖尿病予備群、高血圧の患者にとっては、一定の歩数を歩くだけでは十分とは言えず、個々の状況に応じた対策が求められる」とアイザクソン氏は述べている。 なお、今回の研究は50歳から90歳までの296名を対象に14年間にわたって実施された。 被験者数が限定的であったものの、研究チームは客観的な評価基準を用いることで信頼性の向上を図ったという。 オックスフォード大学のマスード・フセイン教授は、「本研究の特筆すべき点は、PETスキャンによるアミロイドおよびタウタンパク質の脳内蓄積量の定量測定と、認知機能評価および歩数データを組み合わせて解析した点にある」と評価している(同教授は本研究には関与していない)。 歩数は歩数計により記録され、被験者は平均して9年間にわたり毎年認知機能検査を受けた。 また、研究開始時にPET検査によるアミロイドおよびタウタンパク質の蓄積量を測定し、一部の被験者については研究終了時にも追加でPET検査を実施した。 その結果、1日に最大7500歩を歩行した被験者では、タウタンパク質の蓄積が3~7年遅延したのに対し、座位時間が長い被験者ではタウタンパク質の蓄積速度が顕著に速く、認知機能および日常生活機能の低下も急速に進行したことが明らかとなった。 一方で、身体活動とタウタンパク質の前段階であるベータアミロイドの減少との間には明確な関連は認められなかった。 ヤウ氏は「アミロイド負荷が一定の閾値に達した場合、歩数の増加がタウタンパク質の蓄積抑制と関連していた。 認知機能低下の遅延は、主にこの関係によって説明できる」と述べている。 なお、本研究は観察研究であり、直接的な因果関係を証明するものではない。 しかしながら、ウォーキングやストレス管理、質の高い睡眠、植物性食品中心の食生活といった心臓に良いとされる生活習慣が、脳の健康維持にも有効であることが、改めて示唆されたと専門家らは指摘している。