JLPT N3 – Reading Exercise 23
日本の伝統工芸品は素晴らしいと聞いていたが、初めて熟練の職人が作品を作るのを見たときも、一つ一つの仕上がりが完璧だったので、驚いた。地味な作業に見えるのに、同じように[1]本当に見事だと思った。なぜ、彼はこれほど寸分違わぬ完璧な作品を生み出せるのだろう。老舗の工房で働く知人に聞いてみた。
[2]聞いて驚いたのだが、熟練の職人は、材料の選定や加工の順番だけでなく、やすりで削る力加減や色を塗る厚さも、1グラム単位や0.1ミリ単位のように、非常に細かく決めているのだそうだ。職人は、その細かく決められた基準を守るため、いつも材料の状態を考えながら作業している。作品の全体の形を整えるまでは、弟子や機械が担当することもあるが、それ以上は、熟練の職人が作業する。材料の特性や仕上がりまでの残りの工程をいつも意識し、頭の中でいちばん適当な力加減や速度を計算して作業を進めているのだそうだ。最後に作品を完璧な状態に仕上げるのも、職人だ。
熟練の職人になるためには、厳しいトレーニングが必要で、特に材料の状態から最適な力加減や速度を計算する訓練をしっかり受けなければならないそうだ。彼らが常に完璧な作品を作り出せるのは、[3]職人の厳しい訓練のおかげなのだ。
この話を聞いてから、伝統工芸品を見ると、その微妙な仕上がりの変化があるたびに、「ああ、今、職人は最適な状態を計算して、手を加えたんだ。」と思い、以前より作品の奥深さを楽しめるようになった。