JLPT N1 – Reading Exercise 114
人間と人工知能、人工知能と自然知能は、本質的に異なる存在なのだろうか。それとも、その違いは連続的な変化にすぎないのだろうか。
ここでは、たとえばそのなかの二つ、人工知能と自然知能の差について考えてみたい。確かに人工知能は人間が設計したプログラムであり、自然知能は生物が持つ認知機能である。「___1___」は対立する概念なので、人工知能と自然知能は全く別物と考えられる。
しかし、現代の情報社会においては、人工知能が自ら学習し、判断を下す場面が増えている。
この様子は、極端に言えば、人工知能が新たな知識を生み出し、人間はその人工知能の監督者のような役割を果たしているとも言える。そして、この情報ネットワーク全体を俯瞰すると、それが一つの巨大な知的生命体のように見える。これは、人工知能が人工知能を進化させている、自然知能で言えば「知識の継承」をしているかのような光景である。
「知識の継承」は、「自己学習」と並んで、自然知能と人工知能を分ける、知能の決定的な特徴とされている。しかし、上記のように、今日の人工知能やそのネットワークはプログラムであっても、またその巨大な集合体である情報社会はシステムであっても、「2」知識の継承という機能を持ち、少なくともその点では、自然知能やその進化の姿に近いと考えることができる。そう考えると、自然知能とは対立するはずの人工知能も、「3」その違いは単なる連続性の問題にすぎないと言える。