JLPT N2 – Reading Exercise 08
インターネット上でのやりとりが増える現代社会では、顔を合わせずにコミュニケーションを取ることが多くなっています。そのため、相手の表情や声のトーンが伝わらず、誤解が生じやすいという問題があります。そこで、人々は絵文字(注1)やスタンプ(注2)などの「感情を表す記号」を使って、自分の気持ちや雰囲気を伝えようとしています。たとえば、メールやチャットの最後に笑顔の絵文字をつけることで、やわらかい印象を与えたり、怒りや悲しみの絵文字を使って自分の感情を表現したりします。
しかし、絵文字の使い方には個人差があり、あまり使わない人もいれば、頻繁に使う人もいます。まるで現実の社会で挨拶の仕方が人によって違うように、オンラインでも「挨拶」として絵文字を使うかどうかは人それぞれです。絵文字をよく使う人は、使わない相手に対して冷たい印象を持つことがあり、逆に使わない人は、絵文字を多用する相手を子どもっぽいと感じることもあります。しかし、初対面の相手やビジネスの場面では、絵文字を使わなくても失礼にはならないことが多いです。
このように、絵文字などの記号的な「挨拶」は、もともと人間が持っている感情表現の一部を、オンラインの世界で新たな形で再現していると言えるでしょう。生まれつき(注3)身につけている部分もあれば、ネット社会で経験を積むうちに学んでいく部分もあります。よりスムーズな(注4)コミュニケーションのためには、相手や状況に合わせて絵文字を使い分けることが大切だと考えられます。
(注1)絵文字:顔や物の形をした小さなイラスト
(注2)スタンプ:LINEなどで使われる大きめのイラスト
(注3)生まれつき:生まれたときから持っている
(注4)スムーズな:円滑な、なめらかな