JLPT N3 – Reading Exercise 05
職場では、難しい顔をしていると一生懸命に作業していると見られる。真剣な顔つきをして、額に汗を流してプログラミングをしていると「偉いね」と言われる。
しかし、これは、本当によい開発方法ではない。難しくて面白くないと感じる仕事は、良い成果に繋がらないことが目に見えている。仕事は、楽しいと感じる人ほど、質も高く、結果もよくなるのだ。
新入社員のころ、佐々木さんという先輩がいた。彼はアプリ開発が誰にも負けないくらい、いつも質の高いものを生み出していた。そんな佐々木さんは、いつも楽しそうな表情をして開発作業をしているのだ。難しい顔をして作業することがよいことだと思っていた私は、いつも納得できなかった。プログラミングの話をすると、笑顔でコツを教えてくれる。
ある日、佐々木さんに「なぜそんなに良いものが作れるのですか」と聞いてみたことがある。すると「 [1] 」というあっさりした返事が返ってきた。
若いころに聞いた言葉は、そのとき軽く聞き流していた。しかし、実際に様々なプロジェクトを経験して、質の高い仕事ができる人やアイデアの豊富な人は、決まって「楽しんで仕事をしている人」だ。難しく真剣な表情をしている人は、作業が遅くて、バグも多い。嫌いだという感情があると、スピードが落ちて、熱心さ、集中力、粘り強さが欠けてしまう。
私は昔、難しい顔をしている人が頑張っている人だと思っていたが、大きな間違いだったのだ。本当に頑張って素晴らしい成果を出せる人は、楽しんでいる人なのだ。