イランの核開発をめぐる国際的な合意にイランが違反したとして2015年に解除されていた国連の制裁が28日、再び発動されました。イランの核開発は一層制限されることになり、欧米側との対立がより深まることが懸念されます。
イランに対する国連の制裁は2015年に欧米などとの間で成立した「核合意」で解除されていましたが、イギリス、フランス、ドイツは、イランがその後、合意に反して核開発を進めたとして先月28日、制裁の発動に向けた手続きを始めていました。
制裁回避のためには30日以内に国連の安全保障理事会で決議を採択する必要があり、26日にはロシアと中国が提出した決議案の採決が行われましたが否決されました。
これにより、イランに対する国連の制裁は日本時間の28日午前9時に再び発動されました。
制裁の発動でイランはウラン濃縮活動の停止が求められ、核開発は一層制限されるほか武器の取り引きなども制限されます。
イラン政府はIAEAへの協力を停止する考えを示すなど強く反発し、国内の強硬派からはNPT=核拡散防止条約からの脱退を求める声も上がっていて、欧米側との対立がより深まることが懸念されます。
米国務長官 イランに協議応じるよう呼びかけ
国連の制裁が再び発動されたことを受けてアメリカのルビオ国務長官は、声明を発表し「フランスとドイツ、イギリスによる断固たる世界的なリーダーシップの行動」だと評価しました。
そのうえで「トランプ大統領は外交は依然として選択肢の一つであり、合意こそがイラン国民と世界にとって最良の結果だと明確に述べてきた」として、イランに対し中断しているアメリカとの協議に応じるよう呼びかけました。
英仏独 外交的解決を模索していく姿勢 強調
国連の制裁が再び発動されたのにあわせてイギリス、フランス、ドイツの3か国の外相は共同声明を発表しました。
この中で3か国は制裁の再発動を歓迎するとした上で「われわれはすべての国連加盟国に制裁の履行を求める」としています。
そのうえで「制裁の再発動は外交の終わりではない。われわれはイランに対し緊張を高めるいかなる行動も控えるよう求める」として、イランをけん制するとともに外交的解決を模索していく姿勢を強調しました。