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美術展を鑑賞して考えた「分業」、デュルケームの『社会分業論』を読んで学び直した「連帯」

文章詳情

  1. 閱讀練習
  2. 文章詳情

美術展びじゅつてんを鑑賞かんしょうして考かんがえた「分業ぶんぎょう」、デュルケームの『社会分業論しゃかいぶんぎょうろん』を読よんで学まなび直なおした「連帯れんたい」

N1
23/01/2026348
美術展を鑑賞して考えた「分業」、デュルケームの『社会分業論』を読んで学び直した「連帯」
0:00

「自分じぶんの功績こうせきが公おおやけに認みとめられなくても、周まわりがどんな目めで見みようとも、ただ黙々もくもくと質しつの高たかい分業ぶんぎょうを提供ていきょうすることは可能かのうなのだろうか?」
2025年末にせんにじゅうごねんまつ、栃木市立美術館とちぎしりつびじゅつかんで開催かいさいされた企画展きかくてん「喜多川歌麿きたがわうたまろと栃木とちぎの狂歌きょうか」を見終みおえたわたしの頭あたまに、浮うかび上あがっていたのは、まさしくこのような問いといであった。
周知しゅうちの通とおり、江戸時代後期えどじだいこうきに活動かつどうした浮世絵師うきよえし、喜多川歌麿きたがわうたまろの作品さくひんは、昨年さくねん11月じゅういちがつにサザビーズのオークションで驚おどろくほどの高額こうがくで落札らくさつされ、その値打ねうちが再度さいど世間せけんに認識にんしきされた。そしてまた、大河ドラマたいがどらま『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺つたじゅうえいがのゆめばなし~』では、歌麿うたまろの版元はんもとであった蔦屋重三郎つたやじゅうざぶろうの波瀾万丈はらんばんじょうの生涯しょうがいが描えがかれ、社会的しゃかいてき関心かんしんが一気いっきに高たかまっていた。これらの背景はいけいのもとで開催かいさいされた企画展きかくてんでは、歌麿うたまろを中心ちゅうしんに、同時代どうじだいの著名ちょめいな絵師えしたちの浮世絵版画うきよえばんがと肉筆画にくひつがが展示てんじされていた。
これまで浮世絵うきよえにあまり触ふれてこなかった私わたしにとっては、まず版画はんが自体じたいの豊ゆたかな表現ひょうげんに驚おどろかざるを得えなかった。人物じんぶつの細こまやかな動うごきや表情ひょうじょう、髪かみの毛けの流ながれ、衣服いふくの質感しつかん、色いろの微妙びみょうな重かさなり合あい。これらすべてが繊細せんさいかつ革新かくしん的に描えがき出だされており、版画はんがという技法ぎほうだからこそ可能かのうなものだと、息いきを呑のむばかりだった。
しかし、展示てんじを見みるうちに否いやが応おうでも意識いしきさせられたのは、浮世絵うきよえの成立せいりつにおける「徹底てっていした分業ぶんぎょう」である。絵師えし一人ひとりがすべてを成なし遂とげたのではなく、彫師ほりし、摺師すりし、そして版元はんもとそれぞれの職人しょくにんが、自みずからの持もち場ばを担になうことで、初はじめて一枚いちまいの作品さくひんが生うまれたのだった。
特に、細分化さいぶんかされた彫師ほりしや摺師すりしの仕事しごとは、単に絵師えしのデザインを再現さいげんするだけでなく、版画はんが表現ひょうげんそのものを拡張かくちょうし、さらなる新機軸しんきじくを切きり開ひらいていたといっても過言かごんではない。
たとえば、「八重毛やえげ」は、髪かみの毛けを何本なんぼんにも細こまかく彫ほり分わけて奥行おくゆきを表あらわす技法ぎほうであり、また「透すかし摺ずり」は、和紙わしに光ひかりを当あてて浮うかび上あがった影かげを利用りようする微妙びみょうな表現ひょうげんだ。これらは、デザインした絵師えしの発想はっそうに加くわえ、職人しょくにんたちの技わざの結晶けっしょうであり、ある意味いみでは彼かれらが主体的しゅたいてきに創案そうあんしたものであったに違ちがいない。
しかし、展示てんじされている作品さくひんの解説かいせつパネルに彫師ほりしや摺師すりしの個人名こじんめいはほとんど記載きさいされていなかった。そこに一抹いちまつの疑念ぎねんを抱いだいたのも事実じじつである。主役しゅやくとされるのは、どうしても絵師えしや版元はんもとであり、職人しょくにんたちの名なは影かげに埋うもれてしまいがちだ。彼かれらが光ひかりを浴あびることなくも、心こころの充足じゅうそくを得えていたのかどうか。あるいは、そのような名誉めいよよりもむしろ、共同作業きょうどうさぎょうの楽たのしさに没頭ぼっとうしていたからこそ、作品さくひんの質しつに現あらわれていたのか。これらの疑問ぎもんが胸むねの奥おくに残のこった。
展示てんじを見終みおえた後あと、分業ぶんぎょうについて考かんがえたくなった私わたしは、早速さっそく近隣きんりんの図書館としょかんに向むかい、デュルケームの『社会分業論しゃかいぶんぎょうろん』と出会であった。
「社会学しゃかいがくの祖そ」ともよばれるフランスの社会学者しゃかいがくしゃ、エミール・デュルケーム(1858–1917せんはっぴゃくごじゅうはちからせんきゅうひゃくじゅうなな)は、産業革命後さんぎょうかくめいごの近代化きんだいかとその弊害へいがいを体験たいけんした時代じだいに生いきた。19世紀後半じゅうきゅうせいきこうはん、人々ひとびとは新あたらたな自由じゆうとともに、孤独こどくや疎外そがい、貧困ひんこんという負ふの側面そくめんをも抱かかえ込こむようになった。この時期じき、個人主義こじんしゅぎが浸透しんとうする一方いっぽうで、社会しゃかいそのものは徐々じょじょにバラバラになる兆きざしを見みせていた。
デュルケームはそんな状況じょうきょうのもとで、分業ぶんぎょうの機能きのうは単なる効率化こうりつかにとどまらず、社会的しゃかいてき連帯れんたいを生うみ出だすことにあると説といた。「機械的連帯きかいてきれんたい」と「有機的連帯ゆうきてきれんたい」という用語ようごを駆使くしし、分業ぶんぎょうの意義いぎを再定義さいていぎしようとしたという。
前者ぜんしゃは、村落共同体そんらくきょうどうたいや大家族だいかぞくなど、みなが同おなじ役割やくわりと価値観かちかんを共有きょうゆうした自然しぜんな連帯れんたいだ。一方、後者こうしゃは農家のうか、工場労働者こうじょうろうどうしゃ、教師きょうし、医師いしといった多様たような役割やくわりが有機的ゆうきてきにつながることで成立せいりつする連帯れんたいである。個人こじんが役割やくわりに特化とっかすればするほど、相互依存そうごいぞんは不可欠ふかけつとなり、それが社会しゃかいをより強固きょうこに複雑ふくざつなものとすると考かんがえた。
この考かんがえ方かたは、多様たような価値かちが認みとめられ、自助努力じじょどりょくや自己責任じこせきにんが当然視とうぜんしされる現代げんだいにも強つよく響ひびくものだ。孤立こりつや分断ぶんだんが進すすむように見みえる現代社会げんだいしゃかいも、実際じっさいには驚おどろくほど多様たような連帯れんたいによって成なり立たっている。
保育園ほいくえんという日常的にちじょうてきな場面ばめんを見みても、子供こどもの成長せいちょうは親おやだけに依存いぞんしない。園えんの先生せんせいや友達ともだち、その他そのた名なも知しらぬ多おおくの大人おとなたちとの関かかわりの中なかで、子こどもは譲ゆずることや感情かんじょうのコントロール、問題解決もんだいかいけつを学まなぶ。
まさに「It takes a village」と言いわれる理由りゆうである。
また、この記事きじを書かく間あいだも、私わたしは多おおくの見みず知しらずの人ひとが作つくり上あげたパソコンやインターネットといった技術ぎじゅつに支ささえられている。図書館としょかんやカフェが快適かいてきな作業空間さぎょうくうかんであるのは、それを支ささえる様々さまざまな労働者ろうどうしゃの努力どりょくの賜物たまものである。そうした匿名とくめいの貢献者こうけんしゃたちとの有機的ゆうきてきなつながりのなかで、私わたしたちは自分じぶんを支ささえる複雑ふくざつな社会構造しゃかいこうぞうに気きづくのである。

來源: Forbesjapan
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評論

N519%
N413%
N339%
N26%
N122%

單字 (47)

功績こうせきN1
功勞、業績名詞
浮世絵師うきよえしN1
浮世繪畫家名詞
波瀾万丈はらんばんじょうN1
許多起伏與困難名詞、な形容詞
肉筆画にくひつがN1
手繪畫名詞
細こまやかN1
細膩且細心な形容詞 な形容詞
質感しつかんN1
材質感名詞
繊細せんさいN1
細膩且感受性豐富な形容詞 な形容詞
革新的かくしんてきN1
創新、革新な形容詞 な形容詞
否いなが応おうでもN1
即使渴望也好,不渴望也罷短語
徹底てっていN1
徹底地名詞,動詞
成なし遂とげるN1
完成、達成動詞
彫師ほりしN1
雕刻師名詞
摺師すりしN1
印刷工名詞
持もち場ばN1
位置、任務名詞
細分化さいぶんかN1
詳細拆分名詞,動詞
新機軸しんきじくN1
新的點子名詞
切きり開ひらくN1
開闢道路,開拓未來動詞
八重毛やえげN1
多層次剪髮技術名詞
彫ほり分わけるN1
區分動詞
透すかし摺ずりN1
壓紋印刷技術名詞
浮うかび上あがるN1
顯眼、出現動詞
結晶けっしょうN1
晶體名詞
創案そうあんN1
創造名詞,動詞
充足じゅうそくN1
滿意名詞,動詞
名誉めいよN1
榮譽名詞
没頭ぼっとうN1
全神貫注名詞,動詞
弊害へいがいN1
害名詞
抱かかえ込こむN1
承擔、負責動詞
個人主義こじんしゅぎN1
個人主義名詞
浸透しんとうN1
滲透名詞,動詞
機械的連帯きかいてきれんたいN1
機械式結合名詞
有機的連帯ゆうきてきれんたいN1
有機結合名詞
工場労働者こうじょうろうどうしゃN1
工廠工人名詞
相互依存そうごいぞんN1
相互依存名詞
強固きょうこN1
堅定的な形容詞 な形容詞
自助努力じじょどりょくN1
自我努力名詞
自己責任じこせきにんN1
自我責任名詞
当然視とうぜんしN1
我認為這是理所當然的名詞,動詞
響ひびくN1
迴響動詞
孤立こりつN1
孤立名詞,動詞
譲ゆずるN1
互相讓步動詞
感情かんじょうN1
情感名詞
コントロールN1
控制名詞,動詞
見みず知しらずN1
不認識的人名詞
快適かいてきN1
快適な形容詞 な形容詞
賜物たまものN1
成果名詞
貢献者こうけんしゃN1
貢獻者名詞

文法 (3)

動詞ない形去掉ない + ざるを得ないN2
表達「不想做但被迫必須做」、「不得不……」的意思;帶有勉強、無奈的語氣。まず版画自体の豊かな表現に驚かざるを得なかった。
名詞 + にとどまらずN2
表達「不只停留在……,還有……」的意思;強調範圍更廣。分業の機能は単なる効率化にとどまらず、社会的連帯を生み出すことにあると説いた。
名詞 + をもってN1
用來表示結束的時間點,或者方式/標準(書面、正式)。これらの背景のもとで開催された企画展では、歌麿を中心に、同時代の著名な絵師たちの浮世絵版画と肉筆画が展示されていた。

問題

筆者ひっしゃが企画展きかくてん「喜多川歌麿きたがわうたまろと栃木とちぎの狂歌きょうか」を見みて最もっとも強つよく感かんじた問といは何なにですか。

1/5
A浮世絵の価格の変動について
B分業の中で個人の功績が認められなくても質の高い仕事ができるか
C栃木市立美術館の展示方法について
D歌麿の生涯について

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