昔、六甲山の近くに鷲林寺という村がありました。ある年、とても長い間雨がふりませんでした。川の下の村の人たちは、「水が来ないのは、鷲林寺の人たちが水を全部使っているからだ」と思いました。
怒った川下の村の人たちは、水道をこわしに山を登りました。
鷲林寺の村の人は、それを見て急いで村に帰り、みんなに知らせました。みんなはどうしようかと考えていると、おじいさんの紋左衛門が「私にまかせてください」と言いました。村の人たちは紋左衛門さんにまかせました。
川下の村の人たちは水道に着き、こわし始めました。
その時、一人が大きな岩を見て「化け物だ」と叫びました。みんなもびっくりして、あわてて村に帰ってしまいました。
紋左衛門さんは水道を見て、「少ししかこわれていないから、このままにしよう」と言いました。そして村に帰りました。村の人たちは心配していましたが、紋左衛門さんは「川下の人たちは何もしなかった」と言いました。
どうやって追い返したのかと聞かれると、「こんな顔をしただけだよ」と、変な顔をしてみせました。
その後、水のけんかはなくなり、紋左衛門さんが座った大きな岩は「紋左衛門岩」と呼ばれるようになりました。