Báo tiếng Nhật: 新型コロナ 5類移行1か月 “緩やかに増加” 今後は医療体制は

新型しんがたコロナウイルスの感染かんせん症しょう法ほう上じょうの位置いちづけが「5類るい」に移行いこうしてから1か月かげつ。

厚生こうせい労働ろうどう省しょうは「定点ていてん把握はあく」による全国ぜんこくの感染かんせん状況じょうきょうについて、4月つき以降いこう、緩ゆるやかな上昇じょうしょう傾向けいこうが続つづいているとしています。

では実際じっさいに患者かんじゃの対応たいおうにあたっているクリニックでは、今いまの感染かんせん状況じょうきょうをどうみているのでしょうか。

今後こんごの見通みとおしについて専門せんもん家かに聞ききました。

コロナ5類るい移行いこう1か月かげつ緩ゆるやかな増加ぞうか傾向けいこう

新型しんがたコロナウイルスの「5類るい」移行いこう後ご、厚生こうせい労働ろうどう省しょうは全国ぜんこくおよそ5000の医療いりょう機関きかんからの週しゅう1回かいの報告ほうこくをもとにした「定点ていてん把握はあく」で流行りゅうこう状況じょうきょうを把握はあくしています。

それによりますと「1つの医療いりょう機関きかんあたりの平均へいきんの患者かんじゃ数すう推移すいい」は以下いかのように増加ぞうかが続つづいています。

▽5月つき14日にちまでの1週間しゅうかん…2.63人にん

▽5月つき21日にちまでの1週間しゅうかん…3.55人にん

▽5月つき28日にちまでの1週間しゅうかん…3.63人にん

「定点ていてん把握はあく」で集計しゅうけいし直なおした去年きょねん10月つきから今月こんげつ7日にちまでの感染かんせん状況じょうきょうと合あわせて推移すいいをみてみると、「第だい8波は」のピーク時じだった去年きょねん12月つきが29.80で、その後そのごは減少げんしょう傾向けいこうとなりましたが、4月つき以降いこう、8週しゅう連続れんぞくで前まえの週しゅうを上回うわまわっています。

また、流行りゅうこう状況じょうきょうについての新あらたな指標しひょうとして発表はっぴょうしている「新規しんき入院にゅういん患者かんじゃ数すう」＝1週間しゅうかんに新あらたに入院にゅういんした人ひとは次つぎのように推移すいいしています。

▽去年きょねん12月つき（「第だい8波は」ピーク時じ）…2万まん人にん超ちょう

▽5類るい移行いこう後ご…2000人にん～3000人にん台だい

厚生こうせい労働ろうどう省しょうは「いまは比較的ひかくてき低ひくい水準すいじゅんだが、夏なつに懸念けねんされる感染かんせん拡大かくだいに備そなえ今後こんごの感染かんせん状況じょうきょうを注視ちゅうしするとともに、場面ばめんに応おうじて必要ひつような感染かんせん対策たいさくをとってほしい」と呼よびかけています。

クリニックでは“少すこしずつ増ふえている” 検査けんさ希望きぼうしない人ひとも

では、実際じっさいに患者かんじゃの対応たいおうにあたる医療いりょう機関きかんでは、今いまの感染かんせん状況じょうきょうをどうみているのでしょうか。

神奈川かながわ県けんのクリニックでは、新型しんがたコロナが5類るいに移行いこうして以降いこう、陽性ようせいが確認かくにんされる患者かんじゃが少すこしずつ増ふえているといいます。

内科ないかや小児しょうに科かなどの診察しんさつを行おこなうこのクリニックでは、予約よやくを中心ちゅうしんに通常つうじょうの患者かんじゃとともに発熱はつねつなど症状しょうじょうのある患者かんじゃの診察しんさつを行おこなっています。

4月つき中ちゅうは検査けんさで陽性ようせいが確認かくにんされたのは1日にちに1人にんから2人にん程度ていどでしたが大型おおがた連休れんきゅう後ごに少すこしずつ増ふえ始はじめ、6月つき7日にちまでの3日間にちかんでは1日にちに5人にんから8人にんの陽性ようせいが確認かくにんされたといいます。

熱ねつやせきなどの症状しょうじょうで訪おとずれる患者かんじゃの数かずは大おおきくは変かわっていませんが、5類るいへの移行いこう後ご、検査けんさの費用ひようが自己じこ負担ふたんがとなったことや仕事しごとを休やすむことを避さけたいなどの理由りゆうで、症状しょうじょうがあっても検査けんさを希望きぼうしない人ひとが、若わかい世代せだいを中心ちゅうしんに一定いってい数すういるのだといいます。

ナビタスクリニック理事りじ長ちょうの久住ひさずみ英二えいじ医師いしは今いまの感染かんせん状況じょうきょうについて、次つぎのよう指摘してきします。

「以前いぜんのようにちょっと熱ねつが出でたらすぐに検査けんさをしに来くるような形かたちであれば、陽性ようせいとなる人ひとはもっとたくさんいらっしゃるのだと思おもいます。これから夏なつに向むけて感染かんせんが拡大かくだいする懸念けねんがあり、仕事しごとをしているとなかなか休やすめないのが現実げんじつだと思おもいますが、感染かんせんを広ひろげないため具合ぐあいが悪わるければ仕事しごとや学校がっこうを休やすむなど、できるだけ外出がいしゅつを控ひかえてもらうことが重要じゅうようだと思おもいます」

感染かんせん状況じょうきょう過小かしょう評価ひょうかの可能かのう性せいも

現在げんざいの感染かんせん状況じょうきょうについて東京とうきょう医科いか大学だいがくの濱田はまだ篤郎とくろう特とく任にん教授きょうじゅは次つぎのように分析ぶんせきしています。

「定点ていてん把握はあくの数字すうじでは微増びぞうとなっているが、医療いりょう現場げんばからは患者かんじゃが増加ぞうかしているという実感じっかんが寄よせられている。5類るいに移行いこうしたこともあって症状しょうじょうがあっても受診じゅしんせず検査けんさに至いたらない人ひとが増ふえているおそれがあり、感染かんせん状況じょうきょうは過小かしょう評価ひょうかになっている可能かのう性せいもある。一方いっぽうで、ある程度あるていど正確せいかくに把握はあくされている入院にゅういん者しゃ数すう、重症じゅうしょう者しゃ数すうはそこまでは増ふえていない状況じょうきょうだ」

そのうえで、今後こんごの見通みとおしについては。

「過去かこ2年ねん、日本にっぽんでは夏場なつばに感染かんせん力りょくの強つよい変異へんいウイルスで大おおきな流行りゅうこうが起おきた。ことしは今いまのところ、さらに新あたらしい変異へんいウイルスの広ひろがりは確認かくにんされていないが、動向どうこうを注意深ちゅういぶかく見みておく必要ひつようがある」

医療いりょう提供ていきょう体制たいせい今後こんごの課題かだいは

一方いっぽう、厚生こうせい労働ろうどう省しょうは「5類るい」移行いこう後ごの医療いりょう体制たいせいについて、「幅広はばひろい医療いりょう機関きかんで対応たいおうする体制たいせい」を目指めざしていて、今後こんご、夏なつや冬ふゆに懸念けねんされる感染かんせん拡大かくだいに対応たいおうできる体制たいせいを整備せいびできるかが引き続ひきつづき課題かだいとなっています。

このうち「外来がいらい診療しんりょう」は季節きせつ性せいインフルエンザに対応たいおうしたことがあるおよそ6万まん4000の医療いりょう機関きかんに増ふやすことを目指めざすとしていて、5月つき31日にちの時点じてんではおよそ4万まん8000の医療いりょう機関きかんが患者かんじゃの受け入うけいれを行おこなっています。

「入院にゅういん」についてはおよそ8200あるすべての病院びょういんで受け入うけいれる体制たいせいを目指めざすとしていて、厚生こうせい労働ろうどう省しょうは新あらたに患者かんじゃを受け入うけいれる医療いりょう機関きかんに対にたいして上限じょうげんを50万まん円えんに院内いんないの感染かんせん対策たいさくや防護ぼうご服ふくなどの備品びひんについての補助ほじょを続つづけ、対応たいおうできる医療いりょう機関きかんを増ふやしていく方針ほうしんです。

さらに、「第だい6波は」以降いこうのオミクロン株かぶの流行りゅうこう時じにはコロナへの感染かんせんをきっかけに高齢こうれい者しゃが基礎きそ疾患しっかんを悪化あっかさせたり身体しんたい機能きのうを低下ていかさせたりしたことが課題かだいとなったため、高齢こうれい者しゃの退院たいいんに向むけたリハビリなどの支援しえんを行おこなう「地域ちいき包括ほうかつケア病棟びょうとう」で患者かんじゃを受け入うけいれた場合ばあいの診療しんりょう報酬ほうしゅうの加算かさんが新設しんせつされました。

厚生こうせい労働ろうどう省しょうは「地域ちいき包括ほうかつケア病棟びょうとう」でおよそ3000人にんの患者かんじゃを受け入うけいれる計画けいかくですが、これまで受け入うけいれてこなかった病院びょういんもあり、スムーズに対応たいおうできるかが課題かだいとなっています。

継続けいぞくの補助ほじょなど10月つき以降いこうに見直みなおしへ

5類るい移行いこう後ごも発熱はつねつ患者かんじゃに対応たいおうする体制たいせいを維持いじするため、診療しんりょう報酬ほうしゅうの特例とくれい加算かさんや医療いりょう機関きかんへの補助ほじょ、医療いりょう費ひの公費こうひ負担ふたんの一部いちぶは9月つき末まつまで継続けいぞくされています。

このうち新型しんがたコロナの入院にゅういん患者かんじゃを受け入うけいれる病床びょうしょうを確保かくほした医療いりょう機関きかんを補助ほじょするための病床びょうしょう確保かくほ料りょう、いわゆる「空そら床ゆか補償ほしょう」は病床びょうしょうの種類しゅるいによって異ことなりますが、5類るい移行いこう後ごも半額はんがくの水準すいじゅんで継続けいぞくされています。

また、医療いりょう費ひは、季節きせつ性せいインフルエンザなどほかの病気びょうきと同おなじように原則げんそく、3割わりの自己じこ負担ふたんが求もとめられることになりましたが、急激きゅうげきな負担ふたんの増加ぞうかを緩和かんわしようと、高額こうがくなコロナ治療ちりょう薬やくの費用ひようと入院にゅういん費用ひようの一部いちぶについては公費こうひ負担ふたんが継続けいぞくされています。

厚生こうせい労働ろうどう省しょうは9月つき中ちゅうにも、冬ふゆの感染かんせん拡大かくだいに先立さきだって夏なつまでの医療いりょう提供ていきょう体制たいせいの状況じょうきょうなどを検証けんしょうしたうえで、必要ひつような見直みなおしを行おこなうことにしています。

そのうえで、診療しんりょう報酬ほうしゅうの特例とくれい加算かさんや医療いりょう機関きかんへの補助ほじょについて見直みなおしを段階だんかい的てきに進すすめ、来年度らいねんど、2024年度ねんどの診療しんりょう報酬ほうしゅう改定かいていで新型しんがたコロナ対応たいおうを組み込くみこんだ新あらたな診療しんりょう報酬ほうしゅう体系たいけいによる医療いりょう提供ていきょう体制たいせいに移行いこうしていくとしています。