社会問題としての若者による市販薬乱用とその実態について
東京・歌舞伎町の繁華街で、若者による市販薬の乱用が依然として深刻な状況にあります。とくに新宿東宝ビル周辺の「トー横広場」と呼ばれるエリアでは、若者が集まり、過剰摂取を行うケースが後を絶たず、関係機関が強い警戒感を示しています。
今年1月中旬から下旬にかけて行われた取締まりでは、警視庁が10代から19歳までの32人を補導しました。その中には、15歳の女子中学生が未成年飲酒の疑いで補導され、バッグの中から睡眠薬600錠が見つかったケースも含まれています。
周辺の医療機関では、薬物によるショック症状で搬送される若者が相次いでいます。若者の間では、市販薬を大量に服用して強い酩酊状態になることを「パキる」と呼び、仲間同士で誘い合う行為が一種の流行になっていると警察は指摘しています。
トー横に出入りしている19歳の女性は、毎日新聞の取材に対し、「なぜ一緒にやらないのか」と周囲から迫られる同調圧力があると語りました。服用後、舌が薬の色で青く染まる様子を撮影し、SNSに投稿する行為も見られ、風邪薬や睡眠薬を酒と一緒に飲むことで効果を強めるケースが多いといいます。
今回補導された32人のうち、29人が14〜19歳の女性、3人が男性でした。4人の女子生徒には明らかな過剰摂取の症状が見られ、14歳の女子中学生1人はけいれんを起こして救急搬送されています。別の17歳の高校生からも約100錠の薬が見つかりました。
警察の調べに対し、彼女たちは「楽しいから」「つらいことを忘れたかった」と動機を語っています。
しかし、2025年10月には、市販の咳止め薬を過剰摂取した後に意識障害を起こし、14歳の女子中学生が高層ビルから転落して死亡するという痛ましい事件も起きています。
トー横に集まる若者は東京だけでなく、神奈川、静岡、山口など周辺地域からも来ているとされます。警視庁は「注目されている場所だからといって安易に近づかないでほしい」と強く注意を呼びかけています。