【演説えんぜつ全文ぜんぶん】ウクライナ ゼレンスキー大統領だいとうりょう 何なにを語かたった？

私わたしはイギリスのすべての人々ひとびとに訴うったえます。

偉大いだいな歴史れきしを持もつ国くにの人々ひとびとへ。

私わたしは同おなじく偉大いだいな国くにの市民しみん、大統領だいとうりょうとして訴うったえます。

大おおきな夢ゆめと闘争とうそうを持もって。

われわれの13日間にちかんについて話はなしたい。

われわれが始はじめたわけでも望のぞんだわけでもないのに、いまも続つづいている13日間にちかんの激はげしい戦争せんそうについて。

なぜなら、われわれのウクライナを失うしないたくないからです。

ナチスが、あなた方かたの偉大いだいな国くに、イギリスに対にたいする戦たたかいを始はじめる準備じゅんびをしていたときに、あなた方かたが国くにを失うしないたくなかったのと同おなじように。

1日にち目めの午前ごぜん4時じ、ミサイルが飛とんで来きました。

子こどもたち、私わたしたち全員ぜんいん、ウクライナのすべての人ひと、みんなが目めを覚さましました。

それ以来いらいは眠ねむっていません。

私わたしたちは皆みな、武器ぶきを取とりました。

そして大おおきな軍隊ぐんたいになりました。

2日にち目め、私わたしたちは空そら、陸りく、海うみでの攻撃こうげきを撃退げきたいしていました。

そして、黒海こっかいのズミイヌイ島とうにいた私わたしたちの英雄えいゆう的てきな国境こっきょう警備けいび隊たいは、戦争せんそうの終おわり方かたを教おしえてくれました。

つまり、敵てきはどうなるべきかについてです。

ロシアの船ふねがわれわれの国境こっきょう警備けいび隊たいに武器ぶきを置おくように要求ようきゅうしたとき、彼かれらは答こたえました。

議会ぎかいで言いうことができないほど強つよい表現ひょうげんでした（「ロシア軍艦ぐんかんよ、地獄じごくに落おちろ」と答こたえていた）。

そこにわれわれは力ちからを感かんじました。

占領せんりょう者しゃを最後さいごまで追い詰おいつめるわれわれ国民こくみんの大おおきな力ちからを感かんじました。

3日にち目め、ロシア軍ぐんは堂々どうどうと一般いっぱんの人々ひとびとやアパートの建物たてものに砲撃ほうげきしていました。

砲兵ほうへいを使つかって。

爆弾ばくだんを使つかって。

そしてその行動こうどうでついにわれわれおよび全ぜん世界せかいは誰だれが誰だれであるかを見極みきわめることができました。

誰だれが人間にんげんで、誰だれがただの獣ししなのか。

4日にち目め、すでにロシア軍ぐんの数すう十じゅう人にんの捕虜ほりょを捕つかまえ始はじめたとき、私わたしたちは尊厳そんげんを失うしなうことはありませんでした。

そして、ロシア軍ぐんの捕虜ほりょをあざ笑あざわらうことはありませんでした。

私わたしたちは彼かれらを人ひととして扱あつかいます。

なぜなら、この恥はずべき戦争せんそうの4日にち目めに私わたしたちは人間にんげんのままだったからです。

5日にち目め、私わたしたちに対にたいするテロはすでに大胆だいたんに行おこなわれるようになりました。

都市としに対にたいして、小ちいさな町まちに対にたいして。

破壊はかいされた地域ちいき。

爆撃ばくげき、爆撃ばくげき、爆撃ばくげき。

家いえ、学校がっこう、病院びょういんへの爆撃ばくげき。

これは大量たいりょう虐殺ぎゃくさつです。

でも、われわれを破壊はかいすることはできませんでした。

国民こくみん一人ひとりひとりを動員どういんさせ、われわれに真実しんじつを感かんじさせました。

6日にち目めに、ロシアのミサイルがバビヤールというキエフにある渓谷けいこくに落下らっかしました。

これは、第だい2次じ世界せかい大戦たいせん中ちゅうにナチスが10万まん人にんを処刑しょけいした場所ばしょです。

80年ねん後ご、ロシアは再ふたたび彼かれらを殺ころしたのです。

7日にち目め、彼かれらが教会きょうかいさえも破壊はかいしていることに気付きづきました。

爆弾ばくだんを使つかって。

再ふたたびロケット弾だんを使つかって。

私わたしたちが知しっている神聖しんせいで偉大いだいなものを彼かれらは知しらないのです。

8日にち目め、世界せかいはロシアの戦車せんしゃが原子力げんしりょく発電はつでん所しょを攻撃こうげき対象たいしょうにしていることを目の当まのあたりにしました。

ヨーロッパ最大さいだいの原子力げんしりょく発電はつでん所しょです。

そして世界せかいはこれが全ぜん世界せかいに対にたいするテロであることを理解りかいし始はじめました。

これは大おおきなテロです。

9日にち目め、NATO諸国しょこくの会合かいごうがありました。

しかし、われわれにとって望のぞましい結果けっかではありませんでした。

勇気ゆうきがない。

われわれはそう感かんじました。

私わたしは誰だれかを怒おこらせたいわけではありませんが、われわれは同盟どうめいが動うごいていないと感かんじました。

彼かれらは空そらを封鎖ふうさすることさえできません。

そのため、ヨーロッパの安全あんぜん保障ほしょうをゼロから構築こうちくする必要ひつようがあります。

10日にち目めに、武器ぶきを持もっていないウクライナ人じんが占領せんりょう下かの都市としのいたるところで抗議こうぎしていました。

装甲車そうこうしゃを素手すでで止とめながら。

もはやわれわれを壊こわすことはできません。

11日にち目め、住宅じゅうたく地ちがすでに爆撃ばくげきされていた日ひ、爆発ばくはつがすべてを破壊はかいしていた日ひ、壊こわされた小児しょうにがん病院びょういんから子こどもたちが避難ひなんした日ひ。

われわれは次つぎのことに気付きづきました。

ウクライナ人じんは英雄えいゆうになりました。

何なん十じゅう万まん人にんもの人々ひとびとが。

全すべての都市としの。

子こども、大人おとな、全員ぜんいんが。

12日にち目め、ロシア軍ぐんの損失そんしつがすでに1万まん人にんの死者ししゃを超こえた日ひ、ロシアの将軍しょうぐんも死者ししゃに数かぞえられました。

それにより以下いかのことが明確めいかくになりました。

すべての犯罪はんざいに対にたいし、すべての恥はずべき命令めいれいに対にたいして、ロシアは責任せきにんを取とる日ひが来くるということです。

国際こくさい司法しほう裁判所さいばんしょ、または、ウクライナの武器ぶきによって。

13日にち目めに、ロシア軍ぐんによって封鎖ふうさされたマリウポリで子こどもが亡なくなりました。

脱水だっすい症状しょうじょうで。

彼かれらは市民しみんに食べ物たべものや水みずを与あたえません。

市民しみんは閉じ込とじこめられ、地下ちか室しつに隠かくれています。

聞きこえていますよね、あそこで隠かくれている市民しみんは水みずすら持もっていないのです。

ロシアの侵略しんりゃくの13日間にちかんで、50人にんの子こどもが殺ころされました。

50人にんの偉大いだいな殉教じゅんきょう者しゃ。

これは恐おそろしいことです。

心こころが空からっぽになりました。

50の宇宙うちゅうが生いきることができたのに、彼かれらがその命いのちを奪うばいました。

ただただ奪うばいました。

イギリスの皆みなさん。

ウクライナはそんなことは望のぞんでいませんでした。

偉大いだいになることなど求もとめていませんでした。

しかし、この戦争せんそうで、ウクライナは偉大いだいな国くにになりました。

占領せんりょう者しゃのテロの中なかでも、人々ひとびとを救すくうウクライナ。

世界せかい最大さいだい級きゅうの軍隊ぐんたいの攻撃こうげきから自分じぶんたちの自由じゆうを守まもり続つづける。

封鎖ふうさされていない空そらの中なかで、守まもり続つづけています。

ロシアのミサイル、飛行機ひこうき、ヘリコプターに対にたいしてまだ封鎖ふうさされていない空そら。

あなた方かたはこのシェイクスピアの言葉ことばをよく知しっていると思おもいます。

13日にち前まえは、まだこの質問しつもんがウクライナに提起ていきされる可能かのう性せいがありました。

しかし今いまは違ちがいます。

返事へんじは明あきらかに「生いきるべき」です。

明あきらかに、自由じゆうであるべきです。

そして、イギリスがすでに聞きいたことがある言葉ことばを思い出おもいだしてもらいたい。

この言葉ことばは再ふたたび意味いみを持もっています。

私わたしたちはあきらめない、負まけません。

最後さいごまで戦たたかいます。

われわれは、海うみで戦たたかい、空そらで戦たたかい、どれだけ犠牲ぎせいを出だそうとも、我々われわれの領土りょうどを守まもります。

われわれは、森もりの中なかで、野原のはらで、海岸かいがんで、都市としや村むらで、通とおりで、丘おかで戦たたかい続つづけます。

そして私わたしから付け加つけくわえたい。

われわれは山やまでも、カリミウス川がわとドニプロ川がわでも戦たたかいます。

そして、われわれはあきらめません。

もちろん、あなた方かたの助たすけを借かりて、偉大いだいな国くにの文明ぶんめいの助たすけを借かりて。