日本新闻: 「新規感染増加や下げ止まり地域も追加接種を」専門家会合

新型しんがたコロナウイルス対策たいさくについて助言じょげんする厚生こうせい労働ろうどう省しょうの専門せんもん家か会合かいごうが開ひらかれ、全国ぜんこくの新規しんき感染かんせん者しゃ数すうは緩ゆるやかな減少げんしょうが続つづく一方いっぽう、増加ぞうかや下げ止さげどまりとなっている地域ちいきがあると指摘してきしました。

高齢こうれい者しゃだけでなく、65歳さい未満みまんへのワクチンの追加ついか接種せっしゅをできるだけ前倒まえだおしして進すすめるとともに多おおくの人ひとが集あつまる機会きかいが増ふえる今週こんしゅう末まつの3連休れんきゅうや年度始ねんどはじめに向むけ感染かんせん対策たいさくの徹底てっていを求もとめています。

専門せんもん家か会合かいごうは全国ぜんこくの感染かんせん状況じょうきょうについて、すべての年代ねんだいで減少げんしょうが続つづいているものの、感染かんせんのレベルが比較的ひかくてき低ひくかった地域ちいきを中心ちゅうしんに増加ぞうかや下げ止さげどまりがみられるところもあり、こうした地域ちいきでは10代だい未満みまんの子こどもの感染かんせんが増加ぞうかしているところが多おおいと指摘してきしています。

また、去年きょねん夏なつ以降いこうの第だい5波はの時期じきとは異ことなり減少げんしょうのスピードは緩ゆるやかで、少すくなくともしばらくの間ま、新規しんき感染かんせん者しゃ数すうは高たかいレベルで推移すいいしていくことが予想よそうされるとしていて、今後こんご、感染かんせん力りょくがより高たかいと指摘してきされる「BA.2」と呼よばれる系統けいとうのウイルスに置き換おきかわって再ふたたび増加ぞうかに転てんじる可能かのう性せいや、年度ねんど末まつを迎むかえて人ひととの接触せっしょく機会きかいが増ふえることにも注意ちゅういが必要ひつようだとしています。

さらに、重症じゅうしょう者しゃ数すうと亡なくなる人ひとの数かずは減少げんしょうが続つづいているものの、入院にゅういん者しゃ数すうの減少げんしょうは緩ゆるやかで当面とうめん、多おおくの地域ちいきで軽症けいしょうや中等ちゅうとう症しょうの医療いりょう体制たいせいがひっ迫ひっぱくし、一部いちぶの地域ちいきでは高齢こうれいの重症じゅうしょう者しゃ数すうの増加ぞうかによって重症じゅうしょう患者かんじゃの病床びょうしょう使用しよう率りつの高こう止とまり傾向けいこうが続つづく可能かのう性せいがあるとしています。

このため専門せんもん家か会合かいごうは、ワクチンの追加ついか接種せっしゅについて接種せっしゅ率りつが70％を超こえた高齢こうれい者しゃだけでなく、65歳さい未満みまんへの接種せっしゅもできるだけ前倒まえだおしして行おこなうよう求もとめています。

また、水際みずぎわ対策たいさくをめぐって、政府せいふが一いち日にち当あたりの入国にゅうこく者しゃ数すうの上限じょうげんを引き上ひきあげる中なか、感染かんせんが拡大かくだいしている東アジアひがしあじあ地域ちいきでの状況じょうきょうを注視ちゅうしする必要ひつようがあるとしています。

そして、これまで行事ぎょうじなど多おおくの人ひとが集あつまる機会きかいが増ふえると感染かんせんが拡大かくだいしたことから、今週こんしゅう末まつの3連休れんきゅうや春休はるやすみ、年度ねんど初はじめに向むけ、1つの密みつでも避さけ、外出がいしゅつの際さいには混雑こんざつした場所ばしょや感染かんせんリスクの高たかい場面ばめんを避さけることや、軽かるい発熱はつねつやけん怠けんたい感かんなど少すこしでも体調たいちょうが悪わるければ外出がいしゅつを控ひかえること、不ふ織お布ぬのマスクの正ただしい着用ちゃくようや手て指ゆびの消毒しょうどく、換気かんきといった感染かんせん対策たいさくを徹底てっていすることが必要ひつようだと強調きょうちょうしました。

後藤ごとう厚あつし労相ろうしょう「高たかい警戒けいかい感かん持もって注視ちゅうし必要ひつような対策たいさくとる」

後藤ごとう厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんは、専門せんもん家か会合かいごうで「感染かんせんレベルが高たかかった多おおくの地域ちいきでは減少げんしょう傾向けいこうが続つづいているが、比較的ひかくてき感染かんせんレベルが低ひくかった地域ちいきでは減少げんしょう傾向けいこうが弱よわく、下げ止さげどまりや増加ぞうかが見みられ、感染かんせん状況じょうきょうの推移すいいに地域ちいき差さが見みられる。引き続ひきつづき、高たかい警戒けいかい感かんを持もって感染かんせん状況じょうきょうを注視ちゅうししつつ、必要ひつような対策たいさくをとっていく」と述のべました。

そのうえで「これまでも感染かんせん拡大かくだいを防止ぼうししながら社会しゃかい経済けいざい活動かつどうを維持いじするために、科学かがく的てき知見ちけんに基もとづいて、濃厚のうこう接触せっしょく者しゃの待機たいき時間じかんの短縮たんしゅくなどの措置そちを講こうじてきた。先週せんしゅうの会合かいごうで、濃厚のうこう接触せっしょく者しゃの取り扱とりあつかいについて提言ていげんをいただいたところであり、引き続ひきつづき、オミクロン株かぶの特徴とくちょうや感染かんせん状況じょうきょうを踏ふまえて対応たいおうしていきたい」と述のべました。

新規しんき感染かんせん者しゃ数すう緩ゆるやかな減少げんしょう傾向けいこう続つづく一方いっぽうで増加ぞうか地域ちいきも

厚生こうせい労働ろうどう省しょうの専門せんもん家か会合かいごうで示しめされた資料しりょうによりますと、14日にちまでの1週間しゅうかんの新規しんき感染かんせん者しゃ数すうは、全国ぜんこくでは前まえの週しゅうと比くらべて0.87倍ばいとなりました。

全国ぜんこくでは先月せんげつ中旬ちゅうじゅん以降いこう、およそ1か月かげつ間かん、緩ゆるやかな減少げんしょう傾向けいこうが続つづいている一方いっぽう、増加ぞうかが見みられる地域ちいきも出でてきています。

今月こんげつ21日にちにまん延まんえん防止ぼうし等とう重点じゅうてん措置そちが期限きげんとなる地域ちいきのうち、

首都しゅと圏けんの1都と3県けんでは、

▽東京とうきょう都とで0.83倍ばい

▽神奈川かながわ県けんで0.86倍ばい

▽埼玉さいたま県けんで0.87倍ばい

▽千葉ちば県けんで0.91倍ばい

関西かんさいでは、

▽大阪おおさか府ふで0.78倍ばい

▽京都きょうと府ふで0.83倍ばい

▽兵庫ひょうご県けんで0.84倍ばい

東海とうかいでは、

▽愛知あいち県けんで0.79倍ばい

▽岐阜ぎふ県けんで0.93倍ばいと減少げんしょうしています。

また、

▽北海道ほっかいどうで0.90倍ばい

▽栃木とちぎ県けんで0.91倍ばい

▽群馬ぐんま県けんで0.98倍ばい

▽石川いしかわ県けんで0.89倍ばい

▽静岡しずおか県けんで0.94倍ばいと横よこばいから減少げんしょうとなっている一方いっぽう、

▽青森あおもり県けんは1.08倍ばい

▽茨城いばらき県けんは1.03倍ばい

▽香川かがわ県けんは1.08倍ばい

▽熊本くまもと県けんは1.10倍ばいと前まえの週しゅうから増加ぞうかしています。

これまでに重点じゅうてん措置そちが解除かいじょされた地域ちいきでも前まえの週しゅうより増加ぞうかしているところがあり、今月こんげつ6日にちに解除かいじょされた地域ちいきのうち、

▽福島ふくしま県けんが1.24倍ばい

▽新潟にいがた県けんが1.19倍ばい

▽長野ながの県けんが1.06倍ばい

▽広島ひろしま県けんが1.08倍ばい

▽宮崎みやざき県けんが1.03倍ばいとなっているほか、

先月せんげつ20日にちに解除かいじょされた地域ちいきでは、

▽山形やまがた県けんが1.23倍ばい

▽山口やまぐち県けんが1.09倍ばいとなっています。

現在げんざいの感染かんせん状況じょうきょうを人口じんこう10万まん当あたりの直近ちょっきん1週間しゅうかんの感染かんせん者しゃ数すうでみると、

▽東京とうきょう都とが最もっとも多おおく430.13人にん

次ついで、

▽大阪おおさか府ふが416.55人にん

▽神奈川かながわ県けんが402.11人にん

▽奈良なら県けんが383.85人にんなどとなっていて、

▽全国ぜんこくでは295.73人にんとなっています。

脇田わきた座長ざちょう「減少げんしょう傾向けいこうだが一般いっぱん医療いりょうへの負荷ふかが続つづいている」

専門せんもん家か会合かいごうのあと開ひらかれた記者きしゃ会見かいけんで、脇田わきた隆たかし字じ座長ざちょうは現在げんざいの感染かんせん状況じょうきょうについて「全国ぜんこく的てきに減少げんしょう傾向けいこうではあるが、その減少げんしょう速度そくどは相変あいかわらず緩ゆるやかで、減少げんしょう速度そくどがどんどん速はやくなっていった昨年さくねんの第だい5波はの収束しゅうそく局面きょくめんとはかなり違ちがう状況じょうきょうにある。これから連休れんきゅうや春休はるやすみ、年度替ねんどがわりなどで人ひとの接触せっしょくが増ふえることやBA.1系統けいとうのウイルスからより感染かんせん性せいの高たかいBA.2系統けいとうのウイルスに置おき換がわりが進すすむことなどで、再ふたたび感染かんせん者しゃが増加ぞうか傾向けいこうに転てんじる可能かのう性せいもあり、十分じゅうぶん注意ちゅういをしていく必要ひつようがある」と話はなしていました。

また「今いまは感染かんせん者しゃ数すうは減少げんしょう傾向けいこうだが救急きゅうきゅう搬送はんそうが困難こんなんなケースはまだ多おおい状況じょうきょうにあり、一般いっぱん医療いりょうへの負荷ふかが続つづいている。オミクロン株かぶの流行りゅうこうでは医療いりょう従事じゅうじ者しゃが感染かんせんしたり、濃厚のうこう接触せっしょく者しゃになったりして欠勤けっきんしたことが医療いりょうの負荷ふかにつながった。今後こんごも感染かんせん者しゃ数すうが増加ぞうかに転てんじた場合ばあいは同おなじ問題もんだいが繰り返くりかえされる可能かのう性せいもある。医療いりょう機関きかんへの負荷ふかのモニタリングをしっかりやるべきではないかという意見いけんが出でた」と話はなしていました。

そのうえで、今後こんごについては「第だい6波はは若者わかものの世代せだいを中心ちゅうしんに感染かんせんが急きゅう拡大かくだいし、その後そのご、高齢こうれい者しゃにも広ひろがって医療いりょうへの負荷ふかにつながった。今いまは全国ぜんこく的てきにはすべての年代ねんだいで感染かんせん者しゃ数すうが徐々じょじょに減へっているが、今後こんご、どの世代せだいで流行りゅうこうするかで医療いりょうへの影響えいきょうが変かわってくるので効果こうか的てきな対策たいさくも変かわることになる」と話はなしていました。