日本新聞: 山岳部の高校生ら8人死亡の雪崩事故から5年高校で追悼式

山岳さんがく部ぶの高校生こうこうせいら8人にん死亡しぼうの雪崩なだれ事故じこから5年ねん高校こうこうで追悼ついとう式しき

Mar 26, 2022 13:03

Furigana

栃木とちぎ県けん那須なす町まちで登山とざんの訓練くんれん中ちゅうに高校生こうこうせいらが雪崩なだれに巻き込まきこまれ、8人にんが死亡しぼうした事故じこから27日にちで5年ねんとなるのを前まえに、亡なくなった生徒せいとや教員きょういんが通かよっていた高校こうこうに慰霊いれい碑ひが設置せっちされ、追悼ついとう式しきが行おこなわれました。

平成へいせい29年ねん3月つき27日にち、栃木とちぎ県けん那須なす町まちの茶臼ちゃうす岳だけで、高校こうこうの山岳さんがく部ぶが集あつまって登山とざんの訓練くんれんをしていたところ雪崩なだれに巻き込まきこまれ、県立けんりつ大だい田原たはら高校こうこうの生徒せいと7人にんと教員きょういん1人にんの合あわせて8人にんが死亡しぼうしたほか、多おおくの生徒せいとがけがをしました。

事故じこから5年ねんとなるのを前まえに、遺族いぞくの要望ようぼうを受うけて大だい田原たはら高校こうこうに慰霊いれい碑ひが新あらたに設置せっちされ、26日にち、遺族いぞくや関係かんけい者しゃが参列さんれつして除幕じょまく式しきが行おこなわれました。

慰霊いれい碑ひには「慰霊いれい之の碑いしぶみ那須なす雪崩なだれ事故じこを忘わすれない」と刻きざまれています。

式しきでは遺族いぞくを代表だいひょうして、事故じこで亡なくなった佐藤さとう宏ひろし祐ゆうさん（当時とうじ16）の父ちち、政せい充たかしさんが「慰霊いれい碑ひには二度にどと悲惨ひさんな事故じこを起おこさないことへの誓ちかいなど多おおくの思おもいが詰つまっている。事故じこを風化ふうかさせることなく、安全あんぜん安心あんしんな学校がっこうづくりにつなげてほしい」と述のべました。

このあと行おこなわれた追悼ついとう式しきでは、亡なくなった8人にんの名前なまえが一人ひとりひとり読み上よみあげられ、参列さんれつ者しゃが黙もくとうをして8人にんを追悼ついとうしました。

この事故じこをめぐっては先月せんげつ、遺族いぞくの一部いちぶが「重大じゅうだいな過失かしつによる人災じんさいだ」などとして、栃木とちぎ県けんなどに対にたいし賠償ばいしょうを求もとめる訴うったえを起おこしているほか、引率いんそつした教員きょういん3人にんが業務ぎょうむ上じょう過失かしつ致死傷ちししょうの罪つみで在宅ざいたく起訴きそされています。

遺族いぞく「区切くぎりではない風化ふうかしないよう伝つたえていきたい」

事故じこで亡なくなった奥おく公こう輝あきらさん（当時とうじ16）の父親ちちおやの勝かちさんは「事故じこから5年ねんとなるが区切くぎりではなく、亡なくなったのをきのうのことのように感かんじる。これからも事故じこが風化ふうかしないように伝つたえていきたい。事故じこについて詳くわしく知しってもらえれば、これは自然しぜん災害さいがいではなく人災じんさいだということがわかってもらえると思おもう」と話はなしていました。

追悼ついとう式しきに参列さんれつした栃木とちぎ県けん教育きょういく委員いいん会かいの荒川あらかわ政利まさとし教育きょういく長ちょうは、「二度にどとこのような事故じこを起おこしてはならず、再発さいはつと風化ふうかの防止ぼうしに努つとめたい。ご遺族いぞくとともにどのようにして再発さいはつを防ふせいでいくか考かんがえ続つづけることが重要じゅうようになる」と話はなしていました。