家族を国外に避難させ、みずからは首都キエフにとどまっているゲラ・トゥラベリーゼさん(50歳)がオンラインインタビューで今の状況を説明しました(取材は現地時間の3月24日)。
Q キエフ市内、今の状況は?
「今のところ一部のスーパーなどは営業しているので食料を確保できていますが、この状況が続けばいつまでもつかわかりません。市民は状況がよくならないことに疲れている様子です」
Q ロシア軍の攻撃は?
「自宅から2キロほどの場所で、きのうロシア軍が住宅街に向けて砲撃を行い、ガスのパイプも破壊され、多くの人たちが住む場所を失いました」
Q いま、願うことは? 「ウクライナで、また家族と一緒に暮らしたい」
アメリカ国防総省の高官は当時「彼ら(=ロシア軍)は、ウクライナ政府を崩壊させ、自分たちの統治方法を確立するつもりだと考えられる」と指摘していました。
ウクライナ軍がキエフ近郊の複数の町で反撃に転じ、北西のブチャやイルピンではロシア軍を包囲できる状況にあるとしています。
(1) ウクライナ側の抵抗 (2) ロシア軍の準備不足 (3) ロシア軍の士気低下 (4) 通信内容も傍受される (5) 戦力分散で膠着状態 この5つの要因から、「誤算」を詳しく読み解きます。
ウクライナ側にはアメリカなどの西側諸国から ▽戦車などの装甲を貫通する対戦車ミサイル「ジャベリン」 ▽ヘリコプターや戦闘機などを撃墜できる携帯型の地対空ミサイル「スティンガー」 といった兵器が供与されているといいます。
都市部の戦闘では防衛する側が敵の侵入を待ち伏せすることができるため有利になるとアメリカの軍事専門家は指摘していて、ウクライナ側が供与された兵器を活用して効果的に侵攻を食い止めているとみられます。
アメリカ国防総省は、短期戦になると見込んだロシア軍が物資補給について適切な計画を立てていなかったと分析していて、現地では防寒具も不足し、一部の兵士が凍傷に苦しむなど戦闘ができない状態になっている兆候があるとしています。 ウクライナ側はロシア軍の前線部隊に補給を行う車両にも攻撃を仕掛けていて、ロシア軍の物資の不足は今も続き、部隊前進の停滞を招く一因になっているとみられます。
機密情報のやりとりも専用の無線通信システムではなく一般のシステムを使わざるをえなくなり、ウクライナ軍に通信内容を傍受されているとみられるということです。
ロシア軍が予想以上に苦戦しているとみられることについて、アメリカ国防総省の高官はこう指摘します。 ウクライナへの侵攻当初は“圧倒的優勢”と思われていた、軍事大国ロシア。しかし現実はそのとおりにはなっていません。
一方で、ロシア軍は「第5世代」と呼ばれる最新鋭の戦闘機や爆撃機など、強大な戦力を温存しているといいます。そして状況によっては核兵器を使用する可能性も排除しない姿勢を示しています。
キエフをめぐる 1か月の攻防戦
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プーチン大統領の“誤算”
ウクライナ側の抵抗
ロシア軍の準備不足
ロシア軍の士気低下
通信内容も傍受される
戦力分散で膠着状態
「ロシア軍 適切に計画立てたとは思えない」