日本新聞: 自公補正予算案編成で合意岸田首相政府部内で編成を指示へ

物価ぶっかの上昇じょうしょうを踏ふまえた緊急きんきゅう対策たいさくの財源ざいげんをめぐり、自民じみん・公明こうめい両りょう党とうは、今年度こんねんど予算よさんの予備よび費ひを活用かつようするとともに、予備よび費ひの積み増つみましなどのため、補正ほせい予算よさん案あんを編成へんせいし、今いまの国会こっかいに提出ていしゅつするよう政府せいふに求もとめることで合意ごういしました。

これを受うけて岸田きしだ総理そうり大臣だいじんは、政府せいふ部ぶ内ないで補正ほせい予算よさん案あんの編成へんせいを指示しじする考かんがえを示しめしました。

ウクライナ情勢じょうせいに伴ともなう物価ぶっかの上昇じょうしょうを踏ふまえた緊急きんきゅう対策たいさくの財源ざいげんをめぐっては、自民党じみんとうが今年度こんねんど予算よさんの予備よび費ひで対応たいおうすべきだとしていたのに対にたいし、公明党こうめいとうは補正ほせい予算よさんを今いまの国会こっかいで成立せいりつさせるよう求もとめ、先週せんしゅうから、両りょう党とうの間まで調整ちょうせいが続つづいていました。

こうした中なか、自民党じみんとうの茂木もぎ幹事かんじ長ちょうと公明党こうめいとうの石井いしい幹事かんじ長ちょうがきょう午後ごご、国会こっかい内ないで会談かいだんし、両りょう党とうの政務せいむ調査ちょうさ会長かいちょうも同席どうせきし、詰つめの協議きょうぎを行おこないました。

その結果けっか、迅速じんそくな対応たいおうに向むけて今年度こんねんど予算よさんの予備よび費ひを活用かつようするとともに、不測ふそくの事態じたいに備そなえる予算よさんが足たりなくなるおそれがあるとして、予備よび費ひの積み増つみましなどのための補正ほせい予算よさん案あんを編成へんせいし、今いまの国会こっかいに提出ていしゅつするよう政府せいふに求もとめることで合意ごういしました。

補正ほせい予算よさん案あんの規模きぼは、2兆ちょう5000億おく円えんから2兆ちょう7000億おく円えん程度ていどを見込みこんでいます。

また、両りょう党とうは、緊急きんきゅう対策たいさくの内容ないようとして、ガソリンなどの価格かかくを抑おさえるための石油せきゆ元売もとうり会社かいしゃに対にたいする補助ほじょ金きんを拡充かくじゅうすることや、低てい所得しょとくの子育こそだて世帯せたいに対にたいし、子こども1人にん当あたり5万まん円えんの給付きゅうふ金きんを支給しきゅうすること、それに地方ちほう自治体じちたいによる生活せいかつ困窮こんきゅう者しゃへの支援しえんを後押あとおしするため「地方ちほう創そう生せい臨時りんじ交付こうふ金きん」を拡充かくじゅうすることなどを盛り込もりこむべきだという認識にんしきで一致いっちしました。

両りょう党とうの幹事かんじ長ちょうはこのあと、総理そうり大臣だいじん官邸かんていで岸田きしだ総理そうり大臣だいじんと会談かいだんし、協議きょうぎの結果けっかを報告ほうこくしました。

これに対にたいし岸田きしだ総理そうり大臣だいじんは、近ちかく関係かんけい閣僚かくりょうらに補正ほせい予算よさん案あんの編成へんせいを指示しじするとともに、来週らいしゅう26日にちにも緊急きんきゅう対策たいさくの内容ないようを公表こうひょうしたいという考かんがえを示しめしました。

自民じみん茂木もぎ幹事かんじ長ちょう「政府せいふは合意ごうい内容ないよう踏ふまえ緊急きんきゅう対策たいさくを」

自民党じみんとうの茂木もぎ幹事かんじ長ちょうは、記者きしゃ団だんに対にたいし「公明党こうめいとうとの協議きょうぎでは、緊急きんきゅう対策たいさくをどれくらいの期間きかん行おこなうかで認識にんしきの一致いっちを得えなければならなかった。一定いっていの期間きかん、対策たいさくを行おこなうとなると、その後そのごのことも考かんがえて予備よび費ひの埋うめ戻もどしが必要ひつようとなる。さらに、原油げんゆ価格かかくの高騰こうとう対策たいさくを一定いってい期間きかん行おこなうことも視野しやに入いれ、補正ほせい予算よさんが必要ひつようだという結論けつろんになった」と述のべました。

また茂木もぎ氏しは、補正ほせい予算よさん案あんの国会こっかいへの提出ていしゅつ時期じきは来月らいげつ下旬げじゅんになるという見通みとおしを示しめしたうえで「政府せいふには、きょうの合意ごうい内容ないようを踏ふまえて緊急きんきゅう対策たいさくをまとめてもらいたい」と述のべました。

公明こうめい石井いしい幹事かんじ長ちょう「補正ほせい予算よさん案あん規模きぼは2兆ちょう7000億おく円えん程度ていどに」

公明党こうめいとうの石井いしい幹事かんじ長ちょうは、記者きしゃ団だんに対にたいし「最終さいしゅう的てきに互たがいが納得なっとくできる形かたちでまとまったことは非常ひじょうによかった。補正ほせい予算よさん案あんの規模きぼは、緊急きんきゅう対策たいさくで使つかった予備よび費ひの補充ほじゅうと、原油げんゆ価格かかく高騰こうとう対策たいさくを合あわせて、2兆ちょう7000億おく円えん程度ていどになるのではないか」と述のべました。

そのうえで、参議院さんぎいん選挙せんきょの直前ちょくぜんに、国会こっかいで予算よさん審議しんぎを行おこなうことについて「予期よきせぬ財政ざいせい需要じゅようが生しょうじる可能かのう性せいがあり、手当てあてすることは意義いぎがある。岸田きしだ内閣ないかくの閣僚かくりょうはしっかり答弁とうべんしているので、国会こっかい終盤しゅうばんに予算よさん委員いいん会かいを開ひらいたからといって、必かならずしも野党やとうに有利ゆうりに働はたらくことはない」と述のべました。

木原きはら官房かんぼう副ふく長官ちょうかん「与党よとうの提案ていあん踏ふまえ検討けんとう進すすめたい」

木原きはら官房かんぼう副ふく長官ちょうかんは記者きしゃ会見かいけんで「先さきほど与党よとうから総合そうごう緊急きんきゅう対策たいさくの取とりまとめに向むけて、補正ほせい予算よさん案あんの編成へんせいなどを申し入もうしいれされた。政府せいふはウクライナ情勢じょうせいに伴ともなう原油げんゆ高だかや物価ぶっかの高騰こうとうによる国民こくみん生活せいかつや経済けいざい活動かつどうへの影響えいきょうに緊急きんきゅうかつ機動きどう的てきに対応たいおうし、コロナ禍かからの経済けいざい社会しゃかい活動かつどうの回復かいふくを確たしかなものにするため、対策たいさくの策定さくていに向むけて与党よとうの提案ていあんも踏ふまえながら検討けんとうを進すすめたい」と述のべました。

そして「補正ほせい予算よさんの内容ないようや規模きぼ、日程にっていなどは現時点げんじてんで対応たいおうが決きまっていないが、いずれにしても早急そうきゅうに検討けんとうしたい」と述のべました。

自民じみん・公明こうめい両りょう党とうの合意ごうい内容ないようは

自民じみん・公明こうめい両りょう党とうの幹事かんじ長ちょうらによる合意ごういでは、今年度こんねんど予算よさんの予備よび費ひを活用かつようした緊急きんきゅう対策たいさくを策定さくていするとともに、予備よび費ひの積み増つみましなどのための補正ほせい予算よさん案あんを編成へんせいし、今いまの国会こっかいで成立せいりつを図はかるとしています。

このうち、緊急きんきゅう対策たいさくについては、1兆ちょう5000億おく円えん程度ていどの規模きぼを想定そうていし、石油せきゆ元売もとうり会社かいしゃに対にたいする補助ほじょ金きんを拡充かくじゅうするための来月らいげつ分ぶんの費用ひようとして3000億おく円えん程度ていどを盛り込もりこむべきだとしています。

また、生活せいかつ困窮こんきゅう者しゃへの支援しえん策さくとして、低てい所得しょとくの子育こそだて世帯せたいに対にたいし、子こども1人にん当あたり5万まん円えんの給付きゅうふ金きんの支給しきゅうに2000億おく円えん程度ていどを確保かくほすることや、自治体じちたいによる支援しえんを後押あとおしするため「地方ちほう創そう生せい臨時りんじ交付こうふ金きん」を拡充かくじゅうすることを求もとめています。

このほか、エネルギーや食料しょくりょうなどの安定あんてい供給きょうきゅうを図はかるための対策たいさくや、中小ちゅうしょう企業きぎょうへの支援しえん策さくも盛り込もりこむよう求もとめています。

一方いっぽう、補正ほせい予算よさん案あんの規模きぼは、2兆ちょう5000億おく円えんから2兆ちょう7000億おく円えん程度ていどを見込みこんでいます。

具体ぐたい的てきには、緊急きんきゅう対策たいさくに予備よび費ひを活用かつようすることから、不測ふそくの事態じたいに備そなえて補填ほてんしておく必要ひつようがあるとして、災害さいがい対応たいおうなどに充あてる一般いっぱん予備よび費ひを4000億おく円えん程度ていど積づみ増ますとともに、新型しんがたコロナ対応たいおうに充あてるための予備よび費ひも、物価ぶっかの高騰こうとう対策たいさくにも使つかいみちを拡大かくだいしたうえで、1兆ちょう円えん余あまり積づみ増ますべきだとしています。