ウクライナからの避難ひなん者しゃ 支援しえんに必要ひつような手続てつづきの迅速じんそく化かが課題かだい

一方いっぽう、避難ひなん生活せいかつが1か月かげつを超こえるなか、日本にっぽん語ごが話はなせない人ひとたちを受け入うけいれている親族しんぞくも、手続てつづきへの付き添つきそいや生活せいかつのサポートに疲労ひろうやストレスを感かんじ始はじめています。

ウクライナ東部とうぶに住すんでいたリボフ・ヴィルリッチさん（59）は、のセルヒィ・ヴィルリッチさん（66）、孫まごのブラッド・ブラウンさん（12）とともに埼玉さいたま県けん坂戸さかど市しに住すんでいる娘むすめの根本こんぽんユリアさん夫妻ふさいを頼たよって、先月せんげつ10日にちに入国にゅうこくし、一緒いっしょに生活せいかつしています。

3人にんは、住民じゅうみん登録とうろくや銀行ぎんこう口座こうざの開設かいせつなどに必要ひつような在留ざいりゅう資格しかくの変更へんこうを先月せんげつ下旬げじゅんに申請しんせいし、およそ1か月かげつたった22日にち、変更へんこうが認みとめられました。

そして、ユリアさん夫妻ふさいの車くるまで、およそ1時間じかんかけてさいたま市しにある入国にゅうこく管理かんり局きょくの出張しゅっちょう所しょに向むかうと、窓口まどぐちで3時間じかん待まったあと、在留ざいりゅうカードを受け取うけとることができました。3人にんは25日にち、市役所しやくしょで住民じゅうみん登録とうろくを行おこなう予定よていです。

リボフさんは「少すこし時間じかんがかかりましたが、ようやく在留ざいりゅうカードを手てにすることができました。何なにか仕事しごとをやりたい気持きもちが強つよいので本格ほんかく的てきに仕事しごとを探さがしたいです」と話はなしていました。

このなかで、ウクライナから避難ひなんしてきた人ひとがいるか東京とうきょう23区くに聞きいたところ、7つの区くが「居住きょじゅうしている」と回答かいとうした一方いっぽう、16の区くは「居住きょじゅうしていない」「把握はあくしていない」などと回答かいとうしました。

そして避難ひなんしてきた人ひとへの区く独自どくじの支援しえんについては「ある」が10の区く、「検討けんとう中ちゅう」または「ない」が13の区くとなっています。

「ある」とした区くは独自どくじの支援しえんとしてウクライナ語ごの通訳つうやくを置おいた相談そうだん窓口まどぐちの設置せっちや一時いちじ金きんの支給しきゅう、自動じどう翻訳ほんやく機きの貸し出かしだしなどを挙あげています。

また、独自どくじの支援しえんを「検討けんとう中ちゅう」または「ない」とした区くからは「避難ひなん者しゃの人数にんずうなどの把握はあくができないため支援しえん策さくがつくれない」といった声こえが出でていて、自治体じちたいが避難ひなんしてきた人ひとを把握はあくして支援しえんするために必要ひつようとなる在留ざいりゅう資格しかくの変更へんこうなどが進すすんでいない状況じょうきょうが浮き彫うきぼりになっています。

江戸川えどがわ区く生活せいかつ振興しんこう部ぶの後藤ごとう隆たかし部長ぶちょうは「独自どくじに友人ゆうじんや知人ちじんを頼たよってきた人ひとは把握はあくが難むずかしい状況じょうきょうにあり、支援しえんにつなげにくい。在留ざいりゅう資格しかくを変更へんこうし住民じゅうみん登録とうろくをしてもらえれば病気びょうきやけが、子こどもの学校がっこうなど区民くみんとしてサービスを受うけられるので、申請しんせいをお願おねがいします」と話はなしていました。

ホテルに滞在たいざい中ちゅうは、1日にち当あたり1人にん1000円えん、その後そのごは1日にち当あたり2400円えんなどの生活せいかつ費ひや一時いちじ金きんが支給しきゅうされ、医療いりょう費ひや就労しゅうろう支援しえんなどにかかる費用ひようについても必要ひつように応おうじて国くにが実費じっぴを負担ふたんする方針ほうしんです。

日本にっぽんに親族しんぞくなどの受け入うけいれ先さきがある人ひとについては、日本にっぽん財団ざいだんが3年間ねんかんで50億おく円えん余あまりを拠出きょしゅつし生活せいかつ費ひとして年間ねんかん1人にん100万まん円えんなどが支給しきゅうされます。

日本にっぽん財団ざいだんには、今月こんげつ20日にちの受け付うけつけ開始かいしから22日にち午後ごご5時じまでに142人にん分ぶんの申請しんせいが出だされ、書類しょるい審査しんさなどを経へて準備じゅんびが整ととのえば、来月らいげつ以降いこう、支給しきゅうを始はじめるということです。