第1管区海上保安本部によりますと24日夜11時すぎ、現場海域の周辺で新たに子ども1人が海上保安部の巡視船に救助され、意識がない状態で病院に運ばれたということです。
これまでの捜索で見つかったのは合わせて11人となりました。
海上保安庁は知床岬付近に重点を置きながら、範囲をさらに広げて捜索を進めることにしています。
一方で、船体そのものの手がかりが得られていません。これまでの捜索の状況を踏まえると、沈没した可能性もあると海上保安庁は見ています。
こうした中で、海上保安庁は新たな手法も取り入れることになりました。
音波を使って海中や海底にあるものを探知する「ソナー」と呼ばれる機器を活用する手法です。船上からソナーで手がかりを見つけ、その海域に潜水してみて確認するといったやり方で捜索します。東日本大震災で、津波による行方不明者が多数にのぼった際の捜索でも途中から使われています。
衛星電話は通常の携帯の電波が通じにくいエリアでも通信ができます。衛星電話さえつながらなかったとすれば、水没して使えなくなっていたことも考えられます。電源がちゃんと入っていることなどが前提なので、断定はできませんが観光船が沈没した可能性について、より現実味が増してくるとも言えます。
去年、この船が2回事故を起こしたことを重く受け止めての調査です。このうちの1回は座礁事故で船体を傷つけているため、今回の浸水との関わりなどについては気になるところです。 また、海上保安庁の関係者によると、発生当初、観光船との連絡が取れなくなる中で、状況を把握するうえでは会社側とのやり取りが重要になりましたが、会社から連絡してくることはほとんどなく、海上保安庁から問い合わせることが繰り返されたといいます。あくまで今は、まだ見つかっていない乗客乗員の発見が最優先となりますが、運航会社の安全管理がどうだったかというのは、今後の調査や捜査の焦点となります。
衛星電話“水没で使用不能”も考えられる
運航会社の安全管理も今後の焦点に