酒井キャスターが訪れたのは、群馬県高崎市の体育館。そこでは代表を含む10代から20代のクラブチームの選手たち17人が合宿を行っていました。軍事侵攻で母国での練習が困難になった選手たちに、市が練習場所や宿泊施設を提供したのです。
ロシアによる軍事侵攻で、チームは拠点を置く首都キーウから西部国境の街ウジホロドに避難しました。体育館は避難所となり、練習できる場所は限られ、空襲警報が鳴る度に練習は中断されました。
家族が戦場で戦っている選手も少なくありません。ビクトリア・オノプリエンコ選手(19)もその1人です。去年の東京オリンピックにも出場、個人総合で10位の成績をおさめたチームのエースです。最前線でロシア軍と戦うオノプリエンコ選手の父親。連絡が取れない日も多いといいます。オノプリエンコ選手は、毎日欠かさずキーウに残した母親に電話をし両親を気遣っています。「お父さんはどう?電話なかった?気をつけてね。私も大好きだよ」。
そして迎えた、世界新体操クラブ選手権の決勝。大会の最後を飾ったのは、オノプリエンコ選手。個人総合で2位に輝きました。
「私たちはスポーツの最前線で闘い、世界の人たちにウクライナで起きている悲劇を伝えたいのです。そしてウクライナには必ず平和が訪れて、きっとすべてがよくなります」
選手たちは26日、日本を出てキーウへと戻っていきました。
(動画は9分17秒です。データ放送ではご覧になれません)。